CFDにおける配当金、「権利調整額」の秘密

オザワークスです。

GMOクリック証券の外国株CFDで、配当狙いの米国株コツコツ少額投資。買うべき銘柄を考えていきましょう。

当然配当の出る銘柄から選ぶんですが、GMOクリック証券のCFDではいわゆる「配当金」は、「権利調整額」と呼ばれます。「権利調整額」そりゃなんだ? ということで今回は、CFDにおける配当金、「権利調整額」の解説です。

CFDでは、配当金は「権利調整額」という名前である

配当金を狙う投資である「配当投資」は、株をコツコツ買って売らずに保有する、という至極単純な投資です。必要なものは少々のお金と、配当を出す株だけです。

この「配当」ですけど、CFDにおいては「権利調整額」という呼ばれ方をします。呼び方は違うんですが、まあ実態は株の配当とまったく同じです。

1株あたりいくらと計算され、決められた日の取引終了まで株を保有していると、それを受け取る権利が発生する。全然配当金と一緒です。

では何で「権利調整額」などという画数の多い単語になっているかというと、それはCFDがCFDだからです。

株主でもないのに権利調整額がもらえるわけ

もうご存知の通り、CFDは差金取引決済のことです。CFDにおいては、取引中に実際の株式はやり取りされません。あくまで「株を買ったことにしている」または「売ったことにしている」だけなので、CFDで株を買っても、実は株主でも何でもないわけです。

株主ではないので、本来配当金はありません。しかし、CFDで買える株は、現物の本物の株と「同じ振る舞いをする」約束になっています。

現物の株Aを保有する株主が配当金をもらって喜んでいるのに、CFDのAを保有する人に何もないのは、ちょっと寂しいですよね。なので、値動きと同じように配当も「同じ振る舞いをする」ように調整されているんです。

権利調整額の権利は、「株主であったとすれば与えられる権利」のことで、それに関して調整しているから「権利調整額」なのです。

「株主であったとすれば与えられる権利」ですから、影響が出るのは配当金だけではありません。いわゆるコーポレートアクション、会社の一部門を独立分社化して元の会社の株主に新会社の株を分け与えるスピンオフなども、権利調整額で調整されます。

株主じゃないなら、権利調整額を支払ってくれるのは誰?

ところで、CFDって差金決済ですから、取引に関係する誰も実際の株なんて持っていないはずです。では、それでも支払われる権利調整額の「原資」っていったいどこから来るのでしょう? 証券会社の持ち出し? いえ、違います。

CFDは株を買えますが、買ってもいない株をいきなり売ることもできます。売りから入る取引、というやつです。

売りから入ると、「株を売った状態」を保有することになります。なんか日本語が変ですが、そういうふうになるのです。

この「売った状態」のまま配当をもらえる権利が確定する日を迎えるとどうなるでしょうか?

答えは、配当金(権利調整額)をもらるどころか、逆にCFDを「買った状態」の人に支払うことになります。これが、権利調整額の原資になるのです。

でもでも、ある銘柄において「買った状態」と「売った状態」が同数の場合はそれで釣り合いが取れても、そんなのむしろレアなケースなんじゃない? どちらかに偏るのが自然でしょう。

おっしゃる通りで。確かに買いと売りが同数になるなんて極めて稀でしょう。あるCFDの銘柄を安いときにみんなで買って、値上がりしたときに全部売ったら、安いときに売って高く買わねばならない証券会社は潰れてしまいます。

そのリスクをヘッジするため、証券会社は「カバー取引」というものをしています。自分のところのCFDで買いばっかり集まってしまったら、どこか別の場所で同じ銘柄を自分で買うのです。

その「カバー取引」で得られる権利調整額があるので、買いと売りが同数でなくても、我々CFDユーザーに権利調整額の支払いができるのです。

権利調整額は、配当金と比べて入金がバカ早い

まーた話が長くなりました。すんません。

とにかく権利調整額は配当金そのもの、この理解でOKです。

株を買って持っていればもらえます。売って持っている場合は逆に支払いになりますので、配当狙いの投資家は、CFDでも株を「買い」ましょう。

この他権利調整額の特徴として、入金の早さがあります。

現物株の配当金では、この日までに株を買えば配当をもらえる権利を得られる日(実質的な権利の確定日)⇒権利の確定⇒米国現地での配当支払日⇒日本の投資家への配当入金日、といくつもの段階を経て、ようやく配当金が入金します。実際時間もかかります。

しかし、CFDの権利調整額は違います。この日までに株を買えば配当をもらえる権利を得られる日(実質的な権利の確定日)⇒権利調整額の入金、という早さです。

CFDでは配当の権利が確定したその日(日本時間では翌日朝)にすぐさま入金します。

権利調整額の権利確定日は、GMOクリック証券で確認できます。

画像は9月に発生する【KO】コカコーラの権利調整額です。発生日が9/12なので、9/12の深夜にコカコーラを買って、そのまま米国株の取引時間が終了すれば、日本時間の9/13朝にはもう入金です。鬼のように早い。

ちなみに画像では売りと買いで権利調整額が異なっています。買いのほうが少し額が少ないですね。

これは、買いの権利調整額には米国の外国源泉税10%が掛かってくるからです。表示は、税引き後なんですね。権利調整額は、こんなところまで配当金を真似ています。

配当から見た銘柄選び。現物と同じで配当利回りが高く、かつ配当が安定していると良い

以上が権利調整額の説明です。CFDで配当投資をする場合、この権利調整額をいかにもらっていくのか、ということになります。

配当金は、もちろん多いほうがいいですよね。なので、現物株と同じようにCFDでも配当利回りが高い銘柄が好まれます。

でも高配当なら何でもいいわけではありません。せっかくCFDを買っても、減配してしまったらガックシです。

現物で減配が起こると、CFDの同じ銘柄でも同じように減「権利調整額」が起こります。ワタクシは実際【GE】ゼネラル・エレクトリックで初めてCFDの減配を体験しました。ちゃんと、半減してました(当たり前)。

なのである程度配当が安定している、というのも銘柄選びで考えるポイントですね。とはいえこの辺はCFDだからというよりも、現物での銘柄選定とほとんど同じでしょう。

ぼくの基準では、会社がある程度儲かっていて、ここ数年減配していなければ十分優秀、買ってよし、としています。

GMOクリック証券で取り扱っている米国個別株60銘柄のうち、高めの配当を出す銘柄は、あくまでぼく基準ですけど、ほとんどは水準を超えていると思いますよ。

といったところで今回はCFDの配当金、権利調整額についてでした。

オザワークスはGMOクリック証券のCFDで米国株に配当投資しています。GMOクリック証券のCFDは、取引手数料が無料で少額からでも投資しやすいです。

この記事を読んでCFDに何かを感じた! という方はこちら↓が公式サイトです。

⇒GMOクリック証券公式「はじめてのCFD」

ちょっとややこしいけど、やってみると面白いっすよ、CFD。

オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。