オザワークスです。
GMOクリック証券の外国株CFDで配当狙いの長期投資をする場合、最適な銘柄とは何か。
答えを言ってしまうと、1位が自動車メーカーの【F】フォード・モーターで、2位が米国通信大手の【T】エーティー・アンド・ティーです。
理由を説明します。
もくじ
銘柄選びの考え方。レバレッジは2倍。あとは権利調整額、金利調整額の2要素で買うべき銘柄は決まる
CFDで配当投資をする場合の銘柄選びの考え方及び手順です。権利調整額(配当金)、金利調整額(保有コスト)の2つの要素をかけ合わせて買うべき銘柄は決まります。
ここではモデルケースとしてぼくが実際にCFDでやっている投資、毎月1万円で2万円分の株を買う。これを目的として銘柄を選びたいと思います。
まず、レバレッジについてです。全銘柄共通でレバレッジは2倍まで。そうすることで配当利回りが2倍になります。ただし、レバレッジは2倍以上には上げないように。色々と不都合が出てきます。
レバレッジの詳しい説明は、こちらの記事。
権利調整額(配当金)は、当然配当利回りの高い銘柄が望ましい
GMOクリック証券のCFDでは、配当金のことを権利調整額と呼びます。意味は配当金と一緒です。株を買って持っていれば勝手に入って来るのも一緒。
権利調整額の詳しい説明はこちら。
配当が目的の投資なので、当然高い配当金をくれる銘柄、つまりは配当利回りの高い銘柄を狙っていきます。で、それをさらにレバレッジ2倍で買う。
GMOクリック証券の外国株CFDでは、米国個別株を59銘柄扱っています。(つい最近まで60銘柄でしたが、【MON】モンサントの取扱いを終了したようです)
贅沢を言って、配当利回りは3%は欲しいところ。3%以下の銘柄をバッサリ切ると残りは13銘柄になります。
買い付け候補の13銘柄
ティッカー | 銘柄名 | レバレッジ1倍 配当利回り |
|
1 | F | フォード・モーター | 7.01% |
2 | T | AT&T | 6.17% |
3 | GM | GM | 4.49% |
4 | VZ | ベライゾン・コミュニケーションズ | 4.35% |
5 | IBM | IBM | 4.18% |
6 | GPS | GAP | 4.07% |
7 | CVX | シェブロン | 3.85% |
8 | GE | ゼネラル・エレクトリック | 3.84% |
9 | XOM | エクソン・モービル | 3.83% |
10 | PEP | ペプシ | 3.69% |
11 | PG | P&G | 3.41% |
12 | KO | コカ・コーラ | 3.29% |
13 | PFE | ファイザー | 3.13% |
この13銘柄を1万円で2万円分買うと(レバレッジ2倍)、受け取る配当額や配当利回りは以下のように変化します。
ティッカー | 大体2万円で 買える株数 |
1株あたりの 年間配当額 (税引き後) |
2万円分買って受け取れる 配当額 |
レバレッジ2倍 配当利回り |
|
1 | F | 19株 | 69円 | 1311円 | 13.11% |
2 | T | 6株 | 200円 | 1200円 | 12.00% |
3 | GM | 5株 | 152円 | 760円 | 7.60% |
4 | VZ | 3株 | 236円 | 944円 | 9.44% |
5 | IBM | 1株 | 624円 | 624円 | 6.24% |
6 | GPS | 6株 | 96円 | 576円 | 5.76% |
7 | CVX | 2株 | 444円 | 888円 | 8.88% |
8 | GE | 14株 | 48円 | 672円 | 6.72% |
9 | XOM | 2株 | 324円 | 648円 | 6.48% |
10 | PEP | 2株 | 368円 | 736円 | 7.36% |
11 | PG | 2株 | 284円 | 568円 | 5.68% |
12 | KO | 4株 | 156円 | 624円 | 6.24% |
13 | PFE | 4株 | 136円 | 544円 | 5.44% |
レバレッジ2倍の配当利回りがすごいですね。かなり期待できます。
でもちょっと注意です。見てもらうとわかるんですが、レバレッジ1倍の配当利回りとレバレッジ2倍時の配当利回りが、単純な「2倍」の関係になっていません。これにはいくつかの理由があります。
まず、レバレッジ1倍の配当利回りは、GMOクリック証券のサイトに表示されている数字をそのまま書き写したもので、これは多分税引前の数字です。対してレバレッジ2倍の配当利回りは、ぼく自身が計算して税金まで引いた数字なので、必然的に2倍にはならずにちょっと落ちます。
それと、1万円で2万円分の株を買ってレバレッジ2倍だ、と言っていますが、CFDはワンタップバイのように買いたい金額を指定して買い付けをするわけではありません。1株単位です。
なので、完全に2万円ピッタリ株を買うことはできません。そこはどうしても、2万円「近く」買う、ということになります。ですから銘柄ごとに1万9000円分買っていたり、2万3000円分買っていたり、と買い付ける金額に多少のズレがあります。すべての銘柄がレバレッジ2倍ピッタリではない、ということです。
そういうわけで、レバレッジ2倍の配当利回りは多少デコボコがあります。とはいえ、レバレッジ2倍時の配当利回りは軒並み高く、どの銘柄も魅力的です。この高配当の13銘柄から考えてみましょう。
高配当銘柄を金利調整額でフィルタリングする
CFDでは株を買って保有するときに、金利調整額という株の保管料のようなものを証券会社に取られます。金利調整額は1株あたりいくらと計算され、毎日毎日少しずつ徴収されます。投資家にとっては完全にマイナス要素であり、入金してくる配当金と打ち消し合う厄介な存在です。
金利調整額の詳しい説明はこちら。
1株買いの詳しい説明はこちら。
ティッカー | 大体2万円で 買える株数 |
1週間の 金利調整額 |
1年間(52週)の 金利調整額 |
|
1 | F | 19株 | 0円 | 0円 |
2 | T | 6株 | 6円 | 312円 |
3 | GM | 5株 | 5円 | 260円 |
4 | VZ | 3株 | 6円 | 312円 |
5 | IBM | 1株 | 14円 | 728円 |
6 | GPS | 6株 | 6円 | 312円 |
7 | CVX | 2株 | 18円 | 936円 |
8 | GE | 14株 | 0円 | 0円 |
9 | XOM | 2株 | 14円 | 728円 |
10 | PEP | 2株 | 18円 | 936円 |
11 | PG | 2株 | 14円 | 728円 |
12 | KO | 4株 | 8円 | 416円 |
13 | PFE | 4株 | 4円 | 208円 |
受け取る配当金と支払う金利調整額、両者を重ねて見えてくるもの
買い付け候補13銘柄の配当金と金利調整額を重ねて見ます。
受け取る配当金から保有コストの金利調整額を引いた金額。実はこれが、CFDで長期投資する場合の実質的な配当金です。手取り、と言うべきですか。
13銘柄の配当額と金利調整額と実質的な配当額&利回り
ティッカー | 大体2万円で 買える株数 |
レバレッジ2倍の 配当額=a |
1年間の 金利調整額=b |
a – b | 実質的な 配当利回り |
|
1 | F | 19株 | 1311円 | 0円 | 1311円 | 13.11% |
2 | T | 6株 | 1200円 | 312円 | 888円 | 8.88% |
3 | GM | 5株 | 760円 | 260円 | 500円 | 5.00% |
4 | VZ | 3株 | 944円 | 312円 | 632円 | 6.32% |
5 | IBM | 1株 | 624円 | 728円 | -104円 | マイナス |
6 | GPS | 6株 | 576円 | 312円 | 264円 | 2.64% |
7 | CVX | 2株 | 888円 | 936円 | -48円 | マイナス |
8 | GE | 14株 | 672円 | 0円 | 672円 | 6.72% |
9 | XOM | 2株 | 648円 | 728円 | -80円 | マイナス |
10 | PEP | 2株 | 736円 | 936円 | -200円 | マイナス |
11 | PG | 2株 | 568円 | 728円 | -160円 | マイナス |
12 | KO | 4株 | 624円 | 416円 | 208円 | 2.08% |
13 | PFE | 4株 | 544円 | 208円 | 336円 | 3.36% |
表を見てもらうと分かる通り、金利調整額を改めて引いてみると、「高配当銘柄」と一括りにされていた一群も、その内部ではかなりはっきりと明暗が分かれているようです。
金利調整額を引いてもなお高配当であるもの、金利調整額を引くことによって配当金がすべて蒸発してしまうもの、いろいろです。
株価70ドル以上の銘柄は、CFDでの配当投資には不向き
IBMやシェブロンなどの名だたる高配当銘柄が、金利調整額を引くことによって実質配当が蒸発してしまい、逆にマイナス配当となってしまいました。どういった事情があるのでしょう?
- IBM
- シェブロン
- エクソン・モービル
- ペプシコ
- P&G
この5銘柄に共通するのは、高配当であり、かつ株価が比較的に高い銘柄だということです。金利調整額は、銘柄の株価に比例します。株価が高いと金利調整額も多く取られ、結果としてそれが入ってくる配当金以上の額になってしまった。これがマイナス配当の原因です。
ざっくり言って、株価が70ドル以上の銘柄は、CFDでの配当投資には向きません。ずばり金利調整額が高すぎるからです。長期保有しにくいのです。
もっとも、レバレッジ1倍の段階で配当利回り10%以上とか、高い金利調整額を遥かに上回る配当金を出してくれるなら話は別ですが……それは無理というものでしょう。
この5銘柄はCFDではなく現物での保有に向いています。滅多なことでは減配しない最強クラスの配当銘柄たちです。
CFDの最強銘柄は圧倒的にフォード・モーター! 2位はAT&T
さて、13銘柄のうち5銘柄が脱落しました。残りは8つ。金利調整額を引いた状態での配当利回りで並べ直してみました。
ティッカー | 大体2万円で 買える株数 |
レバレッジ2倍 の配当額=a |
1年間の金利調整額=b | a-b | 実質的な 配当利回り |
|
1 | F | 19株 | 1311円 | 0円 | 1311円 | 13.11% |
2 | T | 6株 | 1200円 | 312円 | 888円 | 8.88% |
3 | GE | 14株 | 672円 | 0円 | 672円 | 6.72% |
4 | VZ | 3株 | 944円 | 312円 | 632円 | 6.32% |
5 | GM | 5株 | 760円 | 260円 | 500円 | 5.00% |
6 | PFE | 4株 | 544円 | 208円 | 336円 | 3.36% |
7 | GPS | 6株 | 576円 | 312円 | 264円 | 2.64% |
8 | KO | 4株 | 624円 | 416円 | 208円 | 2.08% |
見ると、やはり配当利回り13%の【F】フォード・モーターが圧倒的です。もともと高い配当、低い株価から来る金利調整額ゼロの恩恵は計り知れません。
GMOクリック証券の外国株CFDで長期配当投資をするなら、間違いなくフォードが1番のおすすめです。
唯一の欠点は増配するんだかしないんだかはっきりしない点ですが、そもそもが飛び抜けた超高配当株であるため、ぼくはあまり気になりません。いずれにせよ、まるでCFDのために存在するかのような銘柄です。
次点は【T】エーティー・アンド・ティーです。こちらも高配当でありながら株価は冴えず、結果としてCFD向きの銘柄に落ち着いています。
金利調整額を引いても残る配当利回り8%強は、やはり強い。こと配当の堅さで言えば、フォードよりも上なのではないでしょうか。
3位は【GE】ゼネラル・エレクトリックですが、コイツはちょっと注意が必要です。そもそも儲かっていない会社なので株価は下落基調で、現在の配当が維持されるかも微妙なところ。配当利回りは6%超えですが、その数字だけを見ていてはいけません。
4位の【VZ】ベライゾン・コミュニケーション。2位AT&Tのライバルです。ライバルには負けますが配当利回りは6%を超えています。これも良銘柄。
5位の【GM】ゼネラルモーターズ。フォードには遠く及ばないものの利回り5%は立派です。この会社もしっかり儲かっているので減配の心配は当面なさそう。
6位【PFE】ファイザー。自動車と通信銘柄ばかりでは不安という方に。配当利回り3.3%は平凡ですが。
レバレッジ2倍なのに現物より配当利回りが下回る。そんな銘柄を買う意味とは?
7位以下の【GPS】ギャップ、【KO】コカコーラに関しては、現物よりも配当利回りが下がってしまいます。
ティッカー | 銘柄名 | レバレッジ1倍の 配当利回り |
レバレッジ2倍の 配当利回り |
GPS | ギャップ | 4.07% | 2.64% |
KO | コカコーラ | 3.29% | 2.08% |
これはもちろん、金利調整額の発生が原因です。
レバレッジ2倍のCFDで株を買うということは、現物よりも高いリスクを背負って株を買うということです。
それなのに、ローリスクの現物よりも配当利回りが落ちるとは、そのような銘柄をCFDで取引する意味はあるのでしょうか?
これは難しい問題です。確かにぼくも仮に投資資金が潤沢にあったとするのなら、わざわざ利回りの落ちる銘柄は買わないでしょう。
ただ、少額投資、ということを考えたときに、簡単にCFDを斬って捨てることもできない気もします。
取引手数料が無料のGMOクリック証券のCFDなら、ギャップもコカコーラも数千円から手数料を気にせずに取引できます。
現物の米国株では、そのような細かい投資は現実的に難しい。故に、デメリットもいくらかあるCFDにも存在価値はある。そんなふうにぼくは考えています。
まとめ。CFDで買うべき配当銘柄は、配当額-金利調整額で導き出される
まとめです。
CFDで配当投資をするための銘柄の選び方、その考え方を書きました。
簡単に言えば、レバレッジ2倍時の配当額から保有コストである金利調整額を引いた数字、これが実際の配当額であり、その意味での「真の」高配当銘柄を探すべきです。
GMOクリック証券で取り扱いのある銘柄から答えを言ってしまうと、おすすめ1番がフォード・モーターで、2番がAT&Tです。両方共「真の」配当利回りが13%と8%と強力無比です。
証券会社が提示する配当利回りだけでなく、保有コストまで見渡して自分の買う銘柄を決めましょう。
オザワークスはGMOクリック証券のCFDで、配当利回り驚異の13%フォードや同8%超えのAT&Tにウキウキ投資しています。
ヤバイ! 何それ!
という人も、
んなわけねえだろ?
という人も、
詳しい解説&口座開設(無料)はこちらまで。
正直、もうちょっと取扱銘柄を増やしてほしいなあ。
オザワークスでした。
コメントを残す