オザワークスです。
GMOクリック証券のCFDで米国株に投資する。それも、毎月少額ずつコツコツ株を買い足しながら配当金をもらってゆく投資、いわゆる配当投資を目指すあなた!
あなたは知らなければなりません。「金利調整額」のすべてを。
というわけで、今回はCFDで配当投資する場合の最大の敵である、「金利調整額」というものを解説します。
CFDで株を買って持っていると、毎日ちょっとずつお金を取られます。これが金利調整額。これを取られてしまうので、配当狙いの長期投資では厄介となるわけです。入ってくる配当金と、出ていく金利調整額のぶつかり合いになってしまいますからね。
ざっくり言うと、金利調整額は株の保管料みたいなものですね。
でも大丈夫。金利調整額を理解すればその制御も可能です。一緒に勉強しましょう。
オザワークスのCFD投資はGMOクリック証券の外国株CFDでしか実現しない投資です。
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もくじ
「金利調整額」ってなに? 証券会社の説明では全然わからん
まずは、その金利調整額って何よ、って話から。GMOクリック証券のCFDの解説ページには、「3種類の調整額」と題したページがあるのですが、
金利調整額は、原資産が株式等のCFDやスポットのCFDに発生する調整額です。原資産が株式等というのは、CFDの価格を作る際に株式等の価格を参照しているということで、原資産がスポットというのは、CFDの価格を作る際にスポット市場の価格を参照しているということです。
とあります。いつものことですが、これではなかなか難しい。この手の専門的な単語は、証券会社側の説明ではよく理解できないことが多いですね。
「金利調整額」ってこういうもの。自分なりに説明
オザワークス流にこの金利調整額を説明するならば、根っこは相対取引にあります。
CFDの利用者は、株式市場からではなく、証券会社から株を買います。ということは、証券会社はCFD利用者に対して株を売っていることになります。
もし、みんなでCFDを使ってある株を買い、それが値上がりして全員で売ったら? CFDの利用者はある株を安く買って高く売るので儲かります。しかし、証券会社からすると同じ株を安く売って高く買っていることになり、損しています。証券会社としたら、これは困ったことです。
株が安いとき、証券会社は株を売りたくないでしょうね。でも、売らないわけにもいきません。それでは取引できないCFDの利用者が怒ってしまいます。
そこで、証券会社は損しないために、今CFDの利用者に売った株と同じ株を瞬時に別の場所で同じだけ買うんです。そうすれば、ほら、自分のところのCFDで安く売った株を高く買う羽目になっても、同時に同じ株を安く買っていますから、それを売ればいいんです。
損失と利益が打ち消し合って、Good! てなわけです。この証券会社の行動を「カバー取引」といいます。損失をカバーするんですね。
でも証券会社が、売った株と同じ株を別の場所で買う、そのカバー取引にはコストが掛かります。
その証券会社が払ったコストが、金利調整額の素です。
何で「金利」と言うのかは、証券会社はお金を借りてカバー取引をしているからです。そのときに借りたお金の「金利」が、巡り巡ってCFDの利用者に「金利調整額」となって押し付けられる、そういう話です。
実はこのことは、GMOクリック証券内の「取引規定・約款」ページで「証券CFD取引の契約締結前交付書面・注意喚起文書」というPDFファイルで読めます。そこから抜粋すると、
株式CFD取引、または、ETF(上場投資信託)を原資産とするCFD取引、ETN(指標連動証券)を原資産とするCFD取引において、取引時間終了時点で建玉を保有していた場合には、当社がカバー取引を行う際に発生する金利および貸株料として金利調整額が建玉に発生します。
こっちは結構わかりやすく書いてあります。
金利調整額から派生する内緒の話
そしてここからは内緒の話なんですが、この金利調整額って本来はプラマイゼロのはずなんですよ。
というのも、CFDって「買い」だけじゃなく「売り」からも取引を始められるじゃないですか。「買い」で金利調整額を払って、同じ銘柄を「売り」なら今度は同額の金利調整額を受け取る。これが本来の金利調整額の姿なんですよ。
現に、取引所CFDである「くりっく株365」では、プラマイゼロになっています。
ところが、GMOクリック証券も含む多くの店頭CFD業者では、「買い」でも「売り」でも金利調整額を払う設定になっています。もちろん支払う額は、買い>売り、ですけれどね。
仕組みからするとこれはおかしいです。CFD利用者は、必要以上の金利調整額を支払っていることになります。
で、つまりこれは、まあ、証券会社の稼ぎの種、ということです。金利は余計に取る。商魂たくましいっすね。
さらにちょっとだけ余談ですが、少額投資は投資コストの低さが大事、とぼくはよく言っています。まあそれはその通りで、実際「取引手数料無料」なんて文字が踊っていると、投資家への受けは良いはずです。
ですが、そもそもの話、少額でかつ低コストで投資できるサービスを構築して維持するのって、証券会社にとっては結構コスト的にきついんじゃないでしょうか。
故に、表の「取引手数料無料」からの、裏で「金利調整額を余計に取る」というような「隠れコスト」とでも呼ぶべきものを発生させたりする。ぼくはそんな気がしています。これは一概に証券会社を非難できません。
少額投資家の皆さんに覚えておいてもらいたいのは、少額投資を低コストで、というのは証券会社にとって見ればあまり旨味がありません。なのである種の「無理」というか、「妙手」のようなものを使わないとそのサービスを維持できないんですよ。
あちらを立てればこちらが立たず。少額で低コストの投資サービスの表ばかり見るのではなく、その裏側も意識して賢く利用しましょう。
以上、余談でした。
わからなければ、株の保管料、ってことでOK!
相変わらず説明が長くなりました。だって、難しいんだもん。でも説明好き。
上の説明でも「わからん!」という方は、もう、金利調整額=株の保管料、と思ってもらっても結構です。それで困りませんから。
とにかくCFDで米国株を買って保有する場合、1株あたり◯◯円(銘柄によって違う)の株保管料の支払いが毎日発生する。
この理解でOKです。
金利調整額は、実際はこんな感じで発生する
で、金利調整額が単なる株の保管料だと理解したところで、その具体を見ていきましょう。
先に何度も出ているように、金利調整額は銘柄ごとに違い、1株◯◯円と毎日発生します。月曜~日曜まで、毎日です。
細かい話をすると、米国株の取引時間の終了、そのときに株を持っていると金利調整額を支払うことが決定します。ですから、月曜日の分の金利調整額と言っても、日本時間の火曜日朝5:00にそれが決まるわけです。
では取引時間の終了前に株を売るなりして「持っていない状態」だとどうなるのか。その場合、金利調整額は発生しません。金利調整額は、あくまで取引時間の終了時に株を持っている場合のみです。
株を「買い」で保有している場合は金利調整額を証券会社へ毎日支払い、「売り」で保有している場合もやっぱり毎日支払います。けれど、その額は「買い」のほうが多いです。配当をもらうためには「買い」で保有する必要があるので、これが困るんですね。
金利調整額は銘柄ごとに違うと書きましたが、正確にはその銘柄の株価によって額が決まります。株価が高ければ金利調整額も高いし、安い株は金利調整額も安いです。
そして株価に連動するということは、金利調整額も日々変化するということです。株価が上がっていくと金利調整額も高くなり、下落すると金利調整額も落ちます。
例1 【F】フォード・モーターの1株あたりの金利調整額の履歴
例2 【T】エーティー・アンド・ティーの1株あたりの金利調整額の履歴
米国の自動車会社フォードと通信会社AT&Tの1株あたりの金利調整額の10日分ほどの履歴です。
両社ともに、その額は「買い」のほうが多いのがわかりますね。そして株価の変動とともに毎日ちょっとずつ額を変えていっています。
この記事を書いている時点では、フォードの株価は約10ドル、AT&Tは30ドルほどです。株価の高いAT&Tのほうが金利調整額が高いことがわかりますね。
でも、高いと言っても「0.48円」って1円以下じゃん、大したことないじゃん。と思うかもしれませんが、それはあくまで「1株あたり」「1日」であり、これが「毎日」積み重なってゆくと、最終的には結構な額になります。そう、3ヶ月に1度入金する配当金を食い尽くしてしまうほどにね。
実は毎日徴収されるわけではない金利調整額
もう一度画像をよく見てください。何度か、金利調整額は「毎日」取られる、と書きましたが、正確には違います。
正確には、月曜~木曜まではそれぞれ1日分取られ、金曜(日本時間の土曜日朝)には、金土日の3日分まとめて持ってかれます。理由は、米国株の相場が土日は休みだからです。
ここで勘違いしてはいけないのが、金曜に3日分まとまるのは、土日はGMOクリック証券が休みだから、ではないことです。あくまで米国市場が休みだからです。
なので、米国の月曜が祝日の場合、当然NY市場は休みですから、その前の週の金曜に、金土日月の合わせて4日分の金利調整額が乗っかってきます。日本が月曜平日でもそれは関係ありません。
金利調整額の何が問題なのか?
金利調整額という名の株の保管料、これの何が問題なのか。
知っている方は知っていると思いますが、現物の米国株は、株の保管料なんて掛かりません。買うときに取引手数料というコストは掛かりますが、そのあと保有するのは永久にタダです。
タダどころか、株価のことを脇に置いておけば、配当が入る分現物では保有期間が長くなればなるほど収支はプラスになってゆきます。
対してCFDはどうでしょう? こちらのやりたい投資は、株を買ってずっと保有してずっと配当をもらうような投資です。CFDは金利調整額がある分、保有期間が長くなればなるほど保有コストがかさみます。
3ヶ月に1度配当収入をもらっても、毎日毎日少しずつ支出として削り取られてゆきます。つまり、実質的な配当利回りは、証券会社の画面に表示されているものよりも落ち込むということです。
配当が金利調整額に喰われる。
銘柄によって程度の差こそあれど、CFDで米国株に投資する際に避けては通れない、これが問題です。
金利調整額が、買うべき銘柄選びに重大な影響を及ぼす
フォードとAT&Tの配当利回りはともに6%台と、どちらもおいしい高配当です。ですが、毎日取られる金利調整額には大きな開きがあります。株価の低いフォードは金利調整額も少なく、逆にAT&Tはそれなりに多いです。
ということは、両社の配当利回りが同水準でも、抜き取られる金利調整額の多寡で、実際に手元に残るお金は変わる、ということです。
最終的に手元に残るお金は多いほうがいいですよね?
というわけで、金利調整額がこれから買うべき銘柄の選択に大きな影響を及ぼします。
具体的には、金利調整額の少ない銘柄、つまりは株価があまり高額でない銘柄が、金利調整額から見た場合良い銘柄となります。
まとめ。金利調整額はCFDにはつきもの。上手く付き合っていくしかない
まとめです。
金利調整額の仕組みはやや複雑で理解しにくいものなので、単なる株の保管料だと思っていいです。
その株の保管料は毎日発生して、毎日少しずつこちらのお金が抜かれていきます。
せっかくお目当ての配当金が入っても、金利調整額のせいで実際の配当利回りが下がってしまうのが、一番の問題点。
株価が高いほど、金利調整額も高くなる。なので、配当狙いの長期投資をCFDでする場合、できるだけ株価の低い銘柄を選ぶべき。
こんなところでしょう。金利調整額はCFDの宿命と言ってもいい厄介者ですが、上手く付き合っていくしかありません。
オザワークスでした。
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