オザワークスです。
新型コロナの影響で、米国株も減配や無配転落が相次いでいます。
それはいい。
よくはないけれど、まあ、いい。
最近困るのが、◯月◯日に◯◯ドルの配当金を支払います、と発表していたものを後になって撤回するパターン。
これは正直困るし、印象悪いと思う。
そんなお話。
もくじ
払うって言った配当をなしにするのは、配当詐欺
最近多い、事前に発表した配当金の支払予定を後になって変更してくるパターン。
繰り返しますけど、「ごめーん! 次の配当から金額半分にするわ! マジゴメン!」これならまだいいんですよ。配当減ってるんで良くはないですけど、いいんですよ。
本格的に嫌なのは、「ごめーん! 7月に確かに払うって言ってたあの配当さ、あれやっぱ辞めにするわ! マジゴメン!」これです。
1回やるって言っておいて、後になってやっぱなしですはないだろう。
詐欺じゃん、と思う。
配当詐欺です。
そんなむかつく配当詐欺の例をいくつか紹介しましょう。
本格的減配の前のアドバルーン的小減配。【OXY】オクシデンタル・ペトロリアム
まず、ある程度の減配の発表をした後で、減配が足りなかったのかさらに減配してくる奴。米国の石油会社【OXY】オクシデンタル・ペトロリアムですね。
オクシデンタル・ペトロリアム(略してペトロリ)は、1月4月7月10月に配当金を支払う会社です。
2020年3月頃、ペトロリは4月の配当は通常通り支払って、その次の7月の配当金は1株当たり$0.79から$0.11へと減配します、まことにすんません、と発表をしました。
原油の先物価格が前代未聞のマイナス40ドルとかを記録した頃です。マイナスとかわけわかんないす。
その後も世界経済は停滞して石油の需要は低いだろうから、まあこの大減配は仕方ない。
ぼくはそう前向きに受け止めて、ペトロリがんばれよ、と継続保有を決めていました。
それなのに5月の終わり、ペトロリは7月の配当は改めて$0.11ではなく$0.01に変更したいと思います、と再発表してきたのです。
$0.11と言っていたものが、$0.01ですよ。どえれー減り方じゃないですか。
というか、元は$0.79でしたから、$0.01なんてほぼ無配になったようなもんです。
そしてその発表の仕方。何で最初から$0.79を$0.01にします、と言えなかったのか。
それだったらまだ良かった。売るけどね。
この2段階に、1回クッションを挟むような減配の仕方、嫌やわぁ。
マジで!? 権利確定しても配当支払い停止。【HSBC】HSBCホールディングス
次、◯月◯日にいくら配当を支払います、配当の権利確定日もきちんと通過しました、からのやっぱ配当辞めましたパターン。英国の大銀行、【HSBC】HSBCホールディングスお前だコラ。
HSBC(略してHウソBC)は、当初2020年4月14日に配当金を支払う予定になっていました。発表は2月。
その日までに株を買って持っていると配当をもらえる権利が確定する「権利日」も、例年だと2月の終わりごろです。
とにかく権利確定日まで株を持っていれば、後は配当金の入金を待つばかりなので株主はほっとしていたはずです。
しかし3月31日、HウソBCは2020年4月以降の配当金の支払いを取りやめ、無配を発表しました。
これには配当おじさん(ぼくのこと)もおったまげです。
配当をもらえる権利を確定させた後で、支払いまであと2週間という段階まで来ての無配転落。
まさに転落です。
こんなことがあるのか、と。せめて4月の配当は何とか支払った、その後で、でしょうに。
これ、かなりの詐欺感ない?
配当は必ず支払う、だが支払い時期は永遠に未定。【GPS】ギャップ
最後は、究極のテクニック。配当は支払う、だが、支払いの時期は未定だパターンです。米国のアパレル企業【GPS】ギャップです。
ギャップもコロナの影響をもろに受けていて、世界各地でお店を開けない状況です。辛かろうとは思います。
ギャップは4月の終わりごろが配当の支払い時期で、その権利の確定が4月の上旬です。
ところがその権利確定の直前である3月末に、4月に権利が確定する配当は支払い、それ以降は無配、との声明を出しました。
面白いのが、支払うと言った4月の配当の支払い時期で、例年なら4月の終わりなのですが、これを未定としたことです。
で、いつ支払うの?
未定です。
これを書いているのが2020年6月10日です。ギャップの4月の配当はまだ入金していません。
で、いつ払うの?
未定です!
未定未定って、ほんとに払う気あんのかね?
多分ないと思う。コロナが大変だー! 大変だー! うわー!
多分うやむやになっていると思う。コロナにかこつけて。
個人的にはもう諦めています。
こういうこともあるんですね。
そういうこともある、と覚悟して投資すること
はい、いくつか企業から配当のアナウンスがありながらもその後ひっくり返ってしまった例を見てまいりました。
なんとなくですけど、企業が◯月◯日にいくら配当金を支払います、と案内を出したらその通りになるとぼくは思っていました。
最低限、言ったことは守るだろうと。
ところが、結構守られないんですね。場合によっては、配当の権利を確定させた後でそれを反故にすることすらも可能なようで、なかなか……何を信じればいいのかわからないこの世界。
各企業にはその発言に責任を持ってほしいところですが、その気はなさそうですね。多分、ギリギリまで株主に対していい顔はしておきたいのでしょうね。株価対策としても。
しかしやってることはえげつない。
対処法としては、まあ、それぞれの投資家が所詮そんなもんだ、と腹をくくって投資する以外にないですな。
企業が配当の発表をしても決して安心はできません。配当の権利が確定しても、信じてはいけません。
己の懐に入金したそのときにようやく、配当金はヴァーチャルからリアルへと変化するんです。
そう思って投資しましょう。
では今回はここで。
オザワークスでした。
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