オザワークスです。
GMOクリック証券の外国株CFDで、高配当な米国株に少額から投資しています。毎月手持ちの資金1万円で約2万円分の株を買って保有。そんなのんびりとした配当投資です。
ところで、このCFDで投資していくにあたって一番重要な要素というか、キーワードって何だと思います?
金利調整額? レバレッジの管理?
確かにそれらも重要ですけど、ぼくは「ロスカットレート」だと思います。CFDでの投資には、ロスカットレートが切っても切れません。ずばり、CFDを運用するというのは、ロスカットレートを細かく調整する日々です。
今回は、新規の銘柄【GPS】ギャップを買いながら、ロスカットレートのあれやこれやを語ります。
もくじ
CFDで配当狙いの投資をする。ロスカットはさせない
珍しいタイプなんだと思いますけど、ぼくはCFDで米国株を買い、配当をもらっていく投資をしています。値上がり益を追い求めてはいません。毎月コツコツ小さな額で株を買い、売らずに長期で保有する、というのが大前提となります。
また、損切り(ロスカット)をしません。させません。買った株が下がろうとも、あくまで保有を続ける方向で動きます。ま、それでも破綻しちゃったら、それはそれで仕方ないんですけどね。
もちろん投資法は人それぞれ、異論は全然認めます。でもこのブログは、長期保有を前提としてお読みください。
1万円の資金で2万円分のギャップを新規で買う
やって来ましたCFD。使う証券会社はGMOクリック証券です。ということで、いつもの通りに自己資金1万円で2万円分の株を買います。つまり、レバレッジ2倍の取引をこれからするわけですね。CFDではレバレッジを用いた米国株投資が可能です。
レバレッジについての説明は、この記事。
でも、CFDでレバレッジ2倍で買うと何故か配当利回りは下がり、税金や金利調整額を差っ引いた実際の配当利回りは、2%台半ばです。いまいちっス。
まあまあまあ、CFDのツートップ銘柄である【F】フォード・モーターくんと【T】エーティー・アンド・ティーくんの脇を固める銘柄としては、十分ありでしょう。
CFDにおける銘柄選びと配当利回りのからくりは、こちらの記事。
この10263円が取引余力ね。こいつを使って2万円分のギャップを買う。
続いてギャップ1株の日本円での値段を調べに行く。
ギャップ1株が日本円で3150円。大体2万円分買うと、6株買えばいいことがわかります。7株買ったら予算オーバー。
あとは、買うだけです。CFDで株を買うときは、1株ずつ買うのを忘れないように。それと、注文はスピード注文がおすすめです。
お得な「1株買い」と実際の取引の手順は、こちらの記事を参照してね。
そもそもロスカットレートとは?
ロスカットレートとのお付き合いを始める前に、そもそもロスカットレートって何よ? って話を。
CFDではレバレッジを使った投資が可能です。自分では1万円しか資金がないのに2万円分の株を買えるとかのこと。
自分の資金以外のもう1万円は、実は証券会社に借りているお金です。GMOクリック証券様ですね。
で、お金を借りちゃってるんで、CFDの投資のほうの具合があまりよろしくないと、つまりCFDで買った株が値下がりとかすると、お金を貸している側の証券会社がうるさいことを言ってくるんですよ。
こっちはもう借りちゃってますから、「すんません、すんません」って頭下げるだけなんですけど、それでもまだ株が下がるとなると、証券会社は自分が貸した資金を回収するために、投資家に断りなく株を勝手に売ります。これがロスカットです。
ロスカットされると当然ながら株を失いますから、配当金ももらえなくなります。配当狙いの投資家としては困るわけです。
証券会社、なんて横暴なり、と思うかもしれませんが、CFDはそういう決まりなんでこれは仕方がないんです。
で、そのロスカットが実行される株価、これをロスカットレートと呼びます。ロスカットレートは、許された範囲内で投資家が自由にその値を設定できます。何度でも変更が可能です。
CFD投資家は、現在の株価とロスカットレートの間、寄せては返す波のようなその限られた波打ち際にのみ生息できる生き物です。切ない浪漫です。
CFDで株を買ったら、まずはロスカットレートの変更を
ギャップを新規で買ったところまで話は戻ります。CFDで株を買うと、最初のロスカットレートが自動で設定されます。
こんな感じにです。
画像の右端の数字「25.17」というのが、今買ったギャップの初期ロスカットレートです。自動設定される初期ロスカットレートは、買値の90%くらいの値で設定されます。理由は不明です。
27.97ドルで買って、ロスカットレートが初期設定で25.17ドル。正直、近いんですね。値幅が2ドルと少ししかありませんから、ちょっと株価が下がれば、すぐにロスカットです。下手をすると買ったその日にロスカットの目にも会いかねません。
末永く配当をもらっていくためには、買った株は保有するものです。ホイホイ勝手に売られるわけにはいきませんから、株を買ったらまず初期ロスカットレートの変更を行うのです。
ロスカットレートの下限値は、レバレッジに縛られる
変更方法は、建玉一覧の画面でギャップのロスカットレート「変更」ボタンを押し、「一括変更」にしてあとは好きな数字(株価)を入れるだけです。
ただ、好きな数字と言っても、1株約28ドルのギャップのロスカットレートを1ドルとか2ドルとかには、なかなかできません。そこはレバレッジの縛りがあります。1ドルとか2ドルとかに設定できたらほとんど絶対にロスカットされる心配はなくなりますから、できるといいんですけどね。
ぼくは1万円の現金で約2万円分のギャップを買いました。この状態をレバレッジ2倍と言います。もし1万円で3倍だったら、レバレッジは3倍です。こんな調子で、GMOクリック証券の外国株CFDでは、1万円で5万円分の株が買えるレバレッジ5倍が、レバレッジの最大値となっています。
変更できるロスカットレートの最低値は、レバレッジの影響をもろに受けます。今回買ったギャップであればレバレッジ2倍なので、28ドルが買値だとすると大体14ドルくらいが、ロスカットレートを下げられる限界です。
これがもしレバレッジ3倍で買っていたら、ロスカットレートの下限は18.50ドルくらい。最大レバレッジの5倍であれば、22.40ドルです。追加で資金を投入しない限り、それ以上は下げられません、
大体パターンが見えてきたでしょうか。そうですね、レバレッジを上げるほどロスカットレートは下げにくくなります。ロスカットレートを満足に下げられないということは、ロスカットされる可能性も上がります。長期保有に向きません。
ギャップの 買値 |
ロスカットレートの 下限値 |
耐えられる 下落率 |
|
レバレッジ1倍 (現物) |
28ドル | 0 | 100% |
レバレッジ2倍 | 28ドル | 14ドル | 50% |
レバレッジ3倍 | 28ドル | 18.48ドル | 33% |
レバレッジ4倍 | 28ドル | 21ドル | 25% |
レバレッジ5倍 | 28ドル | 22.40ドル | 20% |
CFDにおけるレバレッジは強い武器なので、ついついレバレッジを上げてしまいがちですが、そうしてしまうと今度はちょっとした株価の下落でもすぐにロスカットです。長期保有を目指すのであれば、レバレッジは2倍まで、と心得ましょう。
というわけで、レバレッジ2倍のぼくのギャップのロスカットレートは、下のように変更しました。
14ドル。現在28ドルのギャップが半値になったらアウトですが、なかなかそこまでは、ねえ? 大体は大丈夫でしょ?
【GE】ゼネラル・エレクトリックの株価
ロスカットレートは何度でも変更できる。下落時には柔軟な対応を
今回新たにギャップも加わって、ぼくがCFDで保有する銘柄の数は、全部で9銘柄になりました。銘柄をいくつも持っていると、株価的に調子のいいもの悪いもの、色々出てきます。
例えば、GE。こいつは下がって当然、みたいな顔をしてガンガン落ちてゆきます。2017年9月に23ドルで買ったGEは、今や11ドル台と見る影もありません。
23ドル⇒11ドルですから、当然レバレッジ2倍の防御力(50%)もあっさり貫通して、そのままであればロスカット確実です。
しかし、ぼくはGEを未だにロスカットさせずに保有しています。ある方法を使ってです。
その方法とは、他の銘柄のロスカットレートを少しだけ上げて作った余裕をGEにくっつけてあげる、です。
銘柄をいくつも持っていると、調子の最悪なGEも掴んでしまいますが、調子の上がっていく銘柄もあります。その調子の良い銘柄のロスカットレートをちょいと上げると、取引余力に資金が戻ってきます。その資金をGEに注ぎ込む、ということを血の涙を流しながら行っているわけです。
資金を注ぎ込まれたGEは、それによってロスカットレートを今よりも下げることが可能になります。そうやって延命させるのです。
当然GE以外の銘柄からは文句たらたらです。あいつマジ要らねーよな、とか影でめちゃくちゃ言われています。だって、GE以外の銘柄のロスカットレートを上げるということは、それだけロスカットの危険性が高まるからです。そりゃ文句も言いたくなりますよ。
このCFD取引口座内での善意の義援金、という名のロスカットレートの調整は、CFD投資家の主な活動と言っても良いでしょう。
仲間のおかげで現在のGEのロスカットレートはこんな感じです。
7ドル。今11ドルだけど、さすがに7ドルまでは落ちないでしょう?
オレ様の下落力を甘く見てもらっては困る。
2018年12月現在、本当に7ドルになりました。ああ、恐ろしや……
定期的な買い付けが、CFD口座全体の崩壊を防ぐ
CFDの口座内でロスカットレートをバランスさせて運用していくのはもちろんですが、定期的な入金と株の買い付けも重要です。
ぼくは毎月、現金1万円を投入して2万円分の株を買うようにしています。それによって保有する株の数が増えることももちろん大事です。大事ですが、それとほとんど同等に重要視しているのが、毎月の買い付けによってCFD口座内に新たな資金が注がれている、ということです。
例えるなら、CFD口座は湖のようなものです。湖には普通、幾筋もの川が流れ込んでいるものですよね。もし流れ込む川が1本も存在しなかったら、湖の水は濁り、いずれ魚の住めない死海と成り果てます。そうならないために、定期的に新鮮な水を注ぎ込んでやることが重要なんです。
株というものは、上がったり下がったりするものです。買うときはレバレッジ2倍で買っても、株価の下落により実質的なレバレッジは2.5倍、3倍、と上がってしまいます。レバレッジが上がるとは、現在の株価とロスカットレートの距離が縮まる、ということです。
ロスカットされやすい状態とは、湖の水が濁っている状態です。そのタイミングで、新たな株の買い付けを行います。真水(お金のみ)を入れてやる必要はありません。1万円で2万円分の株を買う、レバレッジ2倍の水を足してあげれば十分です。
仮にCFD口座内の平均レバレッジが3倍だとしたら、レバレッジ2倍の水を足してあげれば、平均は3倍以下になります。少しであれ湖の水質は改善し、住んでいる魚は死なずに済みます。
そんな買い付けを定期的に行う。そうすることによって常に少しずつ口座内は浄化されて、淀みが溜まりにくくなるはずです。
CFD口座全体に余裕があれば、新規入金なしでの株の買い付けも可能
定期的な買い付け&入金を行っていると、CFD口座内の水は基本的にキレイになっていきます。それは、口座全体での余裕でもあります。そして、余裕があるとあることができるようになります。
実は、今回新規で買い付けたギャップですが、これを買うためにCFD取引口座への外部からの入金は行っておりません。ぼくが金欠だからです。
新規入金せずに株を買うために、すでに持っている銘柄たちのロスカットレートを少しずつ上げて取引余力を作り出し、それを使ってギャップを買いました。まるで無から有を作り出すがごとく。
このようなことができるのも、ぼくがこれまで定期的にレバレッジ2倍での買い付けを続けてきたからです。おかげでCFD口座全体のレバレッジは概ね低く抑えられ、今回少しだけ無理をしてギャップを買えました。
もちろん既存の銘柄を一部売ったりしていません。ロスカットレートの調整だけでやったことです。これもCFDならではですね。
ただこれに味をしめて、お金を入れなくても株が買えるんだ、などと思ってしまうと、あとはもうレバレッジ上昇一直線です。口座の破綻が口を開けて待っています。
レバレッジはむやみに上げない、ロスカットレートはむやみに上げない、やはりこれが鉄則です。
金利調整額の支払いと配当金の入金もロスカットレートの上下で
CFDで株を買って保有する場合に証券会社へ毎日支払う「保有コスト」の金利調整額と、保有銘柄から入ってくる配当金もまた、ロスカットレート絡みです。
金利調整額は支払い、配当金は入金ですが、両方とも証券口座やCFD口座の取引余力が、減ったり増えたりするわけではありません。
支払うべき金利調整額が発生した場合、金利調整額が発生した銘柄のロスカットレートがわずかに上昇します。ほんのわずかロスカットが近付くことで、それが金利調整額を支払ったということになります。
配当金は逆で、お金が入ってくるわけですから、当該の銘柄のロスカットレートが入金した額の分だけ下がります。ロスカットレートが下がることで、その銘柄がより安全になるわけです。
まとめ。CFDの本質は、ロスカットレートの管理である
長くなりました、まとめです。
いつもの通りいろいろぐちゃぐちゃ書きましたが、一言でまとめれば、CFDの本質はロスカットレートの管理です。それに尽きます。
CFDで株を買ったらまずロスカットレートの変更、その後株価が下がればロスカットレートの調整、上がっても調整、口座に入金しても調整、株を買い増ししてもまた調整、金利調整額もロスカットレート、配当金もロスカットレート……。
それはもう、CFD全部がロスカットレートと言っても過言ではありません。長期保有して配当金をもらい続けるのが投資の目的です。ロスカットさせぬよう、生かさぬように殺さぬように、みたいな感じで延々とCFD投資家はロスカットレートを調整し続けます。
投資家と証券会社が対峙して、ロスカットレートという名の縄を使って、まるで綱引きをしているようなものです。何かとロスカットレートを上げたい証券会社と、ロスカットレートを下げて安心したい投資家。両者の知恵比べです。
ロスカットレートは、ただの「ロスカットされる株価」ではありません。それ以上の意味を持った、CFDの本質であるとぼくは思います。
もしもCFDで米国株を買ったなら、皆さんもロスカットレートの管理はお忘れなきよう、お願いします。
この記事では、ロスカットレートの調整に忙しいみたいな書き方ですが、そもそもレバレッジを低く保つ行動(定期的な入金&買い付けとか)を続けていれば、自然と余裕は生まれます。
余裕=ロスカットレートの低さ、です。ロスカットレートを低く設定できていれば、少々の下落では動じません。故に、ある程度は放ったらかしも可能となります。
最後にいつもの宣伝。
オザワークスは、GMOクリック証券のCFDで米国株に投資しています。取引手数料無料だから少額でも非常に投資しやすい。
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はあ、疲れた。もう一生「ロスカットレート」って単語打ち込みたくないや。
オザワークスでした。
株なんてもんは、下がるときは笑っちまうくらい下がるんだぜ?