オザワークスです。
今年もまた確定申告の季節になってまいりました。
ぼくも2020年はコロナ暴落でどえらい損失を出しました。
しかし、転んでもただでは起きません。
株取引で出てしまった損失を次の年に繰り越すことで税金がお得になる「損失の繰り越し」というものをやりたいと思います。
といってもそこまで特殊なものではありません。基本的に普通に申告するのと変わりません。
早速やってみよう。
まずは、今年の分の損失額を入力する
はい、では確定申告(e-Tax)の準備等は諸々終わっているものとします。準備等に関しては記事の末尾にリンクを置いてあります。
で、「収入金額・所得金額の入力」のコーナーですね。
そこの「株式等の譲渡所得等」のところに入っていきます。
入ったら、「申告分離課税」を選んで、
続いて、証券会社で閲覧できる「特定口座年間取引報告書」の内容を入力していきます。
細かい入力の方法は、ここでは割愛します。入力欄と特定口座年間取引報告書のレイアウトまでそっくりになっているため、そこまで難しいことはないはず……。
それでもわからん人は過去の記事を見てくだされ。
で、入力するとぼくの場合はこんな感じになりました。
マネックス証券だけでこの損失額ですよ。もうやんなっちゃいますよ。
他の証券会社の分もバシバシ入力して、次に行きましょう。
損失の繰り越しとは? なぜ税金が還付されるの?
では次、ここでいよいよ前年度の損失の繰り越しを行います。
このタイミングで、譲渡損失繰越の仕組みを説明しますね。
今さっき上で入力してもらった2020年分の損失は、2020年分の確定申告をする段階では、それはただの損失でしかありません。
2020年分の損失が生きてくるのは、実は来年(2021年分)以降の確定申告においてなのです。
どういうことかと言うと、まず2020年にコロナで大きく損しましたね? 例えば120万円くらい。
そして翌年の2021年は逆に50万円儲かったとしましょう。
投資で儲けると、税金が発生します。大体、利益の額の2割です。
2021年は株を売って儲けるたびに特定口座で税金を支払いました。
ところが2021年分の確定申告のとき、2020年分の損失を申告してあれば、120万円の損失を2021年の50万円の利益とぶつけて利益をなかったことにできるのです。
50万円-120万=-70万円
2021年は50万円儲かったはずなのに、2020年の損失120万円を持ってきて引き算すれば、逆に70万円のマイナスです。
つまり、2021年の利益がなくなります。
利益がなくなるということは、利益から発生する税金もなくなるということ。
これが、損失の繰り越しです。
特定口座だと利益が出るたびに自動で納税していますから、年が明けてからの確定申告で前年度の損失を繰り越して申告すれば、一度払った税金が還付されます。
そういう仕組みになっております。
最長で3年間も損失を繰り越せる
この損失の繰り越しの良いところがさらにあります。
なんと、損失を次の年に繰り越せるだけじゃないんです。
次の次の次の年まで。つまり最大で3年間も損失を繰り越し続けることができるのです。
例えば、2020年に120万円損して、2021年に50万円儲けて損失繰り越しをして、結果として70万円の損失が残った。これが1年目。
この70万円残った損失を、さらに翌年の2022年にも繰り越すことができるのです。
2022年は30万円儲かった。けれど、70万円の損失をまた繰り越せば、2022年の利益30万円で支払った税金もまたも全額還付させることができます。
しかも、それでもまだ40万円の損失が残っていて、さらに2023年分の確定申告でもその40万円の損失を繰り越せます。
と、こーゆーことができるわけです。3年間繰り越せるんですね。
ただし、注意点が一つだけ。
損失を繰り越すなら確定申告が必須です。繰り越し1年目で申告して、2年目を飛ばして3年目でもう一度繰り越しというのはできません。
というか、それでなくとも毎年確定申告はしましょう。毎年やってりゃこんなもん怖くもなんともありません。
損失繰り越しの入力方法
んじゃ、損失繰り越しのやり方に戻ります。
ここへ入っていくと、このようなシンプルな画面になります。
現在は2020年(令和2年)分の確定申告の最中なので、その前の年の損失額3年分を入力してくれということです。上の説明の通りですね。
e-Taxで確定申告をしているなら、どこかに去年の分のデータがPC内にでも残っていると思うのでそのデータ(普通はPDFファイル)を引っ張り出してきて、繰越額を確認しましょう。
ぼくも今年こういう記事を書こうと思って、去年の段階でわずかですが損失を繰り越しておきました。
確定申告付表という書類の下の方に繰り越し額に関する数字があります。
これです。この数字を入れるだけ。
こうですね。
ぼくはおととしまでは損失を繰り越していないので、記入はこれだけです。毎年やっている方は、上のほうにも数字が入るのでしょう。
コロナの大損が来年以降に生きてくる
2020年から株式投資を始めていきなりコロナで大損こいた、という駆け出しの投資家さんもいることでしょう。
しかしたった1年であきらめてはいけません。
2020年の損失は、まあ仕方ない。この損失が生きてくるのは、2021年以降です。
そのためにも確定申告を毎年しっかりやって、損失の繰り越しも確実にこなしましょう。
せっかくうまい制度があるのです。損失にもしっかりと働てもらいましょう。
オザワークスでした。
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