オザワークスです。
2021年2月現在、日本における米国株投資の御三家、主要3証券において為替取引手数料の値下げプチ合戦が勃発しています。
マネックス証券では、皆さんもご存じの通り従来より日本円⇒米ドルの為替手数料は無料となっていました。
そこへ、2021年に入ってSBI証券と楽天証券がそれぞれ為替手数料値下げのキャンペーンを始めて、ちょっとした争いになっているわけです。
米国株投資は為替手数料も影響してくるため、記事にまとめてみました。
もくじ
米国株投資と為替取引の関係
まず初めに米国株投資と為替取引についてちょっとだけおさらいしましょう。
米国株投資は、米国市場に上場している株式やETFを買う投資です。
米国の株を買うわけですから、米ドルで株取引をするのが基本となります。
一方で我々は日本人で、日本で働いて日本円で給料をもらっています。
日本で暮らす投資家が米国株を取引するためには、株取引の前に手持ちの日本円を米ドルに換えてやる必要があるのです。
日本円と米ドルの通貨を交換する。これが為替取引です。
為替取引は主に銀行や証券会社などで行われ、利用者は為替取引に対して為替取引手数料を支払います。
今回の話は、ネット証券の側がその為替手数料を値下げしてきたとぞいう話なんですね。
円建て米国株でも為替取引はある
もうちょっとだけおさらい。
証券会社の中には、わざわざ米ドルを用意しなくても日本円のまま米国株投資ができる証券会社もあります。
例、SBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社は、米ドルでの取引と日本円での取引どちらかを選べます。
例2、PayPay証券、DMM.com証券では米国株であっても日本円でしか取引できません。
一見すると普段から慣れ親しんだ日本円での米国株投資のほうが良さそうですが、そうでもありません。
上で書いたように米国株取引は結局米ドルで行われますから、日本円で取引の注文を出したとしても為替取引は必ず行われますし為替手数料もしっかり取られます。
為替取引を投資家の意思で行うか、証券会社が自動的に行うかの違いです。
配当金を考えると米国株は米ドルで
そして、SBI、マネックス、楽天の3社では米国株&ETFの配当金は米ドルで証券口座に入金します。日本円ではありません。
この3社では日本円でも米国株取引の注文はできますが、入金してくる配当金は米ドルオンリーです。
通貨がゴチャゴチャしてくるので米国株投資は米ドルに統一しておいた方がすっきりします。
また、日本円でしか米国株の注文ができないPayPay証券とDMM.com証券では、米国株の配当金も日本円で入金します。
その配当金は元々米国企業が米ドルで株主に支払った配当金ですので、米ドル⇒日本円にする際にはもちろん為替手数料を取られています。
配当金が米ドルのまま入金する証券会社では、配当金に対する為替手数料はかからないので、結論としては、米ドル建てで米国株投資のできる証券会社がその分有利となります。
この辺の詳しい話は以下の記事にまとめてあります。
マネックス証券は為替手数料が無料
さて、前置きが長くなりました。以上のことを踏まえた上で本題に入ります。
米国株投資は為替取引と切っても切れない関係です。その為替取引においても証券各社はサービス競争を展開しています。
まずは、マネックス証券。
マネックス証券では2021年2月現在、日本円⇒米ドルで為替手数料が無料となっています。日本円で米国株の取引注文を出した場合でも、為替手数料は無料です。
⇒マネックス証券公式「米ドル買付時の為替手数料が0銭! 1月以降も継続!」
このマネックスの為替手数料無料サービスは無期限ではありません。大体3ヶ月ごとに見直しを行い、延長するかどうかそのたびに検討するそうです。
とはいえ、2019年の夏から無料のサービスを始めてここまでずっと継続しているのも事実です。
本来ユーザーから徴収していた為替手数料分はマネックスが負担しているわけで、よくやってくれているとぼくは思います。
また、無料サービスに対してエントリーや登録などが一切必要ないのも良いところですね。
楽天証券で為替手数料キャッシュバックキャンペーン中
次は楽天証券を見てみましょう。
楽天証券では2021年2月現在、米ドル買付手数料キャッシュバックキャンペーン! を実施中です。
対象期間は、2021年2/12~2021年4/2まで。この期間内に日本円⇒米ドルをすると後日為替手数料分がキャッシュバックされます。つまり、期間内は為替手数料が実質無料になるわけですね。
⇒楽天証券公式「米ドル買付手数料キャッシュバックキャンペーン!」
注意点は、楽天証券でただ為替取引をすればいいわけではなくキャンペーンへのエントリーが必要な点です。しっかりエントリーをしてから為替取引を行いましょう。
ぼくの知る限り楽天証券がこのような為替に関してのキャンペーンを実施するのは、初めてのような気がします。
為替に関しては割と無関心な楽天証券、というイメージだったのですが、こういうことをやってくれると印象が変わりますね。
個人的なことになりますが、ぼくも3月くらいに楽天証券でちょっとまとまった米国株ETFの買い付けをやろうかな、とこのキャンペーンを見て決めました。
なのでキャンペーンの意味はあるみたいです。
SBI証券では為替手数料25銭⇒4銭に引き下げ中
最後は、SBI証券を見ていきましょう。
SBI証券では2021年2月現在、米国株投資を徹底応援キャンペーン! と題して従来25銭だった為替手数料を4銭まで引き下げるサービスを実施中です。
25銭が4銭になるんですからお得なんですが、キャンペーンの期限が2021年2/1~2021年2/26までともうすぐ終わってしまうのが残念です。
⇒SBI証券公式「【コストが実質6分の1】米ドル為替スプレッドが実質4銭! 米国株投資を徹底応援キャンペーン」
SBIのこのキャンペーンも楽天証券と同じく、手数料分を後日キャッシュバックするという方式です。
また、恩恵を受けるにはキャンペーンにエントリーする必要があることにも注意です。エントリーせずに為替取引をすると従来通り25銭取られます。
住信SBIネット銀行との外貨即時入金サービスを使ったほうが良い
実は、SBI証券の為替手数料に関しては、上記のキャンペーンなど利用しなくとも無期限で4銭に抑えることが可能です。
住信SBIネット銀行と外貨即時入金サービスを使ったテクニックがそれです。
⇒SBI証券公式「外貨即時入金(住信SBIネット銀行からの入金)」
同じSBI系列の住信SBIネット銀行の銀行口座を持っていれば、SBI銀行で日本円⇒米ドルを行い(このときの為替手数料が4銭)、そこで作った米ドルを今度はSBI証券の証券口座へ移すだけです。
その米ドルを移すことに関しては、手数料などは一切かからず、入金も即時に実行されます。
詳しくはこちらの記事で。
為替なんて関係なし。米国株投資の本質を忘れるな!
さて、米国株投資を行うにあたっての主要ネット証券であろう3証券の為替手数料の「今」を紹介しました。
為替とかちょっと難しいな、と感じる方がいるかもしれません。
ご安心ください。
ここまで書いておいてナンですが、ぶっちゃけると為替手数料などさして大きな問題にはなりません。
だから為替のことがよくわからなくても大丈夫。
為替のことを気にしようが気にしなかろうが、あなたの米国株投資のパフォーマンスは多分、大きく変化しないでしょう。
為替手数料なんかよりもずっと大事なことは、米国株に広く分散投資ができているかどうかです。
それが一番大事なところ。
それさえできていれば、ETFか投資信託か、別にどっちでもいい。
【VOO】バンガードS&P500ETFか【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットか、別にどっちでもいい。
米国株に広く分散投資できているならば、為替も為替手数料もどうだっていいし、取引手数料やその他投資コストも問題外。些事にすぎません。
コアとなる大事な部分さえ押さえておけば、周りの小さいことは案外どうでもいい。米国株でもそうなんです。
そういう本質的な部分を見極めて、逃さない。これが真に大事なことだとぼくは思います。
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