株価下落の損失を配当金で取り返す、などというのは配当投資家の世迷い事

オザワークスです。

配当金が好きな投資家が陥りやすい罠、株価が下がっても配当金をもらい続ければいつかは逆転勝利する。

これは非現実的です。

長い時間がかかるし、途中で減配するかもしれない。

配当金をそんなに当てにするな、という戒めの記事です。

配当金を信じすぎる困った投資家たち

例えば、「どんだけ株価が下がっても保有し続けて配当をもらい続けていれば、いつかはプラスになる!」などということを言う困った投資家さんが一定数います。

はい、自分です。

株価が下落しても、3か月に一度入金する配当金を粘り強く集めていけば、いつかはトントンになるという考え方ですね。

はっきり言ってダサいです。

どうダサいのか見ていきましょう。

配当利回り3%の銘柄から33年間配当金をもらったら……

「配当利回り」という言葉があります。その意味は言わずもがな。1年間でもらえる配当額を株価で割ったものです。

配当利回り3%の銘柄というと、1年間で株価の3%分の配当金をもらえる、ということです。2年で6%分、3年で9%分。

もしも配当利回り3%の銘柄を買って33年後にその会社が倒産しても、投資した金額とほとんど同じだけの金額を配当金としてもらっているから、損はしていない計算になります。

もしもその会社が倒産せずに続いていたら、34年目からはどんだけ株価が落ちても配当金だけでプラスになります。

やっぱり配当金ってすごいや!

アホみたいに時間がかかる

甘ーい!

落ちた株価を配当金を積み重ねることによって取り返そうという考え方には、いくつもの問題点があります。

嫌らしく指摘していきましょう。

まず、一番大きな問題ですが、とにかく時間がかかるということです。

株価が半分になった、3分の1になった。その損を利回り3%や4%の配当金で穴埋めしていく。20年とか30年かかる仕事です。

投資家は、その間ず~っと損失を抱えたままただ待っているのです。本当に、ただ待っているのです。

よく考えてください。20年も30年も、マイナス抱えたままただ待っていられますか?

これを笑顔で待っていられる人は、はっきり言って変な人です。普通の人では、まず耐えられない。耐えようとがんばっても、きっと途中で嫌になってしまうでしょう。

まともに考えるならば、もう少し違うやり方があるのではないかと疑問に思うはずです。

減配されたらさらにアホみたいな時間がかかる

その20年や30年だって、保有する株が減配してしまえば、その年月は40年、60年と壮大なスケールで伸びてしまいます。

配当が減ってしまう可能性だってもちろんあります。それでも待ちますか60年?

配当金を何十年と増配し続けたり、増配せずとも維持することができる会社なんていかに米国株と言えどもごく少数です。

どんな会社にもいいとき悪いときがあります。今の配当金、今の配当利回りが未来永劫続く保証はどこにもないのです。

というか、続かない可能性のが高いです。その続かない配当金を何十年と集める、という考え方でいいのか。

問題のない会社は株価が4分の1になったりしない

そもそもその会社の株が何故下落したのか、ということも考えねばなりません。

株価というものはさしたる理由もなくある程度ランダムに動くものですが、半分になったり4分の1になったりするのはさすがに明確なメッセージがそこにあります。

その会社の将来が投資家に不安視されているのです。

その将来を不安視されて下落している会社の株価が、いつ下げ止まるかなんて誰にもわかりません。一度止まっても、業績の回復が見込めなければまたズルズル下がっていくかもしれません。

株価がズルズル下がっている状態で配当なんていくらもらっても焼け石に水です。

しかも、その会社が業績不振で将来も不安視されているのなら、頼みの綱の配当金だって減額されるかもしれません。良くないことは複合的に起こるものです。

配当金を何十年ともらい続けるという妄想

以上のようなことから、株価の下落を配当金の集積で補填するという考え方は非現実的、空想的であると言えます。

例えるなら、氷山にぶつかって船底に大穴が開いたタイタニックで、侵入した海水をバケツリレーで外に出そうというようなものです。そりゃ無理だろって感じです。

株価の下落による損失と、定期的にちまちま入ってくる配当金とでは、桁が違うのです。

配当金はただの配当金であると知ろう

非現実的、空想的であるにもかかわらず、「配当さえコツコツもらっていればいつかは……」などと書く投資ブロガーは多いです。

ていうか、それ、ぼくです。

彼らの言うことは一見もっともらしく聞こえますが、中身は空虚です。投資家はもっと現実を見なければいけません。

配当金というものが一体何で、どういう性質を持ったものなのか。そのことを知った上で配当金と向き合いましょう。

配当金は決して万能でも、天下無敵でもありません。

配当金はただ、配当金です。

もちろん、その上で配当金を信じるのも自由だし、投資ブロガーがどんな記事を書くのもまるっきりの自由です。

1億円あったら悩む必要なし

最後に、これだったら「ただただ配当金をもらい続けるだけでいいや」と言っても良い事例を。

ズバリ、株で1億円くらい持っていて、年間300万とか400万とか配当金がもらえる場合です。

こういう人はもはや株価とかそんなものは関係ないですね。配当をもらいながら自由に生きたらよろしい。

ただ、そんな人はめったにいません。

ぼくたちはお金持ちではないので、他人の言葉を鵜呑みにはせず、自分の頭で考える必要があるのです。

こんな記事ばかり書いていると配当金が嫌いになりそうな、オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。