オザワークスです。
投資用語解説、株主総会についてです。
株主総会、よく聞く言葉ですけど、どういう意味でしょう。
株主総会とは
株主総会とは、会社の持ち主である株主が集まって、会社の今後の経営方針などを決める会のことです。
株式会社で一番偉いのは、社長ではなく株主です。
その株主たちが一堂に集まって、これからの会社の経営をどうするのか、利益を配当するとしていくら配当金を出すのか、現在の経営陣にこのまま経営を任せておいてよいのかどうか、株主総会で決議される事柄は多岐に及びます。
株主総会で株主が、社長以下経営陣を無能と判断すればクビになります。
その会社についてのすべてを決める最高意思決定機関が、株主総会なのです。
日本の米国株投資家は、株主総会に出席できない
株主総会出席の資格は、株主であることです。
ただし、日本在住の米国株投資家には、株主総会での議決権はありません。
その理由は、実は日本の証券会社を投資で米国株に投資した場合、米国企業の株主名簿に自分の名前が記載されることがないためです。
つまり、日本人米国株投資家は、株主ではありません。
日本の証券会社を通して米国株を買い付けると、証券会社と契約を結んでいる米国現地のブローカーが投資家の代理で取引を行います。
米国企業の株主名簿に記載されているのは、そのブローカーの名前です。
故に、我々日本に住む米国株投資家には米国企業の株主総会に出席する資格がないのです。
ただし、安心してほしいのは、株主総会での議決権がないだけで、配当や取引の自由などそれ以外の権利についてはきちんと保証されています。
株主総会が開催されるまでの流れ
以下は、主に日本の株主総会について説明します。ただ、米国企業も大まかな流れは一緒です。
株主総会は、毎年会社ごとにそれぞれ開催されます。日本の会社だと、毎年6月末の開催が多いです。
株主総会が近づくと、会社からすべての株主に対して、株主総会の入場券が送られてきます。
株主総会が開催されるのは、大抵大人数が収容できる大きなホールなどです。全国から株主たちが集まるからですね。
勢い自然と、開催場所は交通の便が良い大都市圏になりがちです。地方在住者には参加しづらいのが難点です。
株主には、株主総会の入場券と一緒に、総会で予定されている議題が記載された紙が同封されています。
株主総会に参加できない株主は、同封の紙に印をつけて返信することで、株主としての意思表示をすることもできます。
選挙の不在者投票みたいなものです。
株主総会の会場がどれほど広くても、何万人もの株主全員が集うことは現実的ではないため、株主の意思表示の割合で言えば不在者投票のほうが圧倒的に多いでしょう。
株主総会ですること
さて、株主総会の会場では、大多数の株主と数人の経営陣が向き合っています。
これからのこの会社の経営をどうしていくのか、経営陣と株主双方から意見や提案が出され、対立する場合は、株主の投票によって事項を決定します。
経営者、平たく言えば社長が決定するのではなく、社長は意見を出し、株主がその意見を採用するのかどうかを多数決によって決議するのです。
会社のことは、会社の持ち主である株主が決めるのです。
株主総会の議題は、
- 経営方針(事業の取捨選択)
- 配当金について(利益をどうするのか)
- 経営陣の認否(現在の経営陣のままで良いのかどうか)
大体こんなところです。
どこその営業所の所長を誰にするのか、などの細かい事柄は、あまり株主総会では取り上げられません。
そういった細かい経営上の判断を任せられる経営者を、株主総会で選ぶのです。
株主総会は経営者にとって試練の場
例えば赤字決算を発表した会社の株主総会などは、荒れます。
経営陣はつるし上げに遭い、両目のつり上がった株主たちから責任を取ることを求められます。
そこで上手い切りかえしができないと、株主らによって現経営陣のクビが決議されたりします。
会社は株主ものです。
その株主が、この人物に会社の経営を任せてはおけぬ、と判断すれば普通にクビです。
であるので、基本的に経営陣にとっては、株主総会というものはある種の試練の場であると言えます。
経営陣は株主に様々気を遣う
経営者よりも株主が偉いのが株式会社なので、株主総会では経営陣はそこそこ気を使ったりします。
例えば、会社経営についてあまり詳しくない個人投資家のために質疑応答の時間などでも丁寧な説明をしたり、株主総会に参加してくれた株主に対して会場限定の「お土産」を渡したり。
ミュージシャンを呼んでコンサートを開いたり、飲食業などでは株主に食事を振舞ったりもします。
コンサートなどは、株式投資の本場である米国の株主総会のほうがもっととんでもない規模でお祭り騒ぎみたいにしてやったりするらしいです。
いずれにしても、経営側が株主を敵に回して良いことは1つもなく、会社を経営する側それを応援する側で協力し合える関係を作るのが、株主総会であるとぼくは思います。
以上で、株主総会の解説を終わります。
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