オザワークスです。
1000円から米国株に投資できる未来志向の証券会社、PayPay証券の取引手数料改定が発表されました。
2つあった手数料のプランのうち、「定額プラン」が終了します。
定額プランの終了は2019年8月末。以後は取引ごとに手数料が発生する「都度プラン」に一本化するそうです。
ただ、これからは都度プランでずっと行くわけでもないらしく、定額プランに代わる何らかの「新サービス」を準備中らしいです。
ワンタップバイ公式、「料金プラン終了(「定額プラン」の終了)についてのお知らせ
その新サービスがどんなものかは知りませんが、ワンタップバイの取引手数料についてちょっとおさらいしてみます。
もくじ
2つの料金プラン、1つ目「都度プラン」
ワンタップバイの取引手数料は、現行で2つの料金プランから選択することになっています。
「都度プラン」と「定額プラン」です。
都度プランは、取引1回1回それぞれで手数料が発生する、まあ、普通のプランです。
気になるその金額は、取引する株の代金の0.5%で固定。1000円分の株を売り買いしたら、5円が手数料になる、ということです。安いでしょ。
1万円分米国株を取引しても、手数料は50円。ね、安いでしょ。
ただ、ワンタップバイは、現物の米国株で相対取引をやってのけている変わった証券会社なので、1万円分の株の代金プラス手数料50円を取引時に支払う、という具合ではないんですよ。
スプレッドと言って、買い付ける株の株価が手数料の0.5%分高くなる、そういう方式なのです。
市場価格よりも0.5%高くしか株を買えないのですね。ややこしいね。
こんなややこしい方式をなんでやっているのか、辞めちまえ! って思うかもしれませんが、辞めてしまうと多分、ワンタップバイの一番の売りが実現できません。
「1000円から米国株投資」ですね。どんな高い銘柄であっても1000円分買える。取引所の取引ではこれは無理でしょう。
だからまあ、多少ややこしくても相対取引は辞められない。これは仕方がない。
相対取引ってのが難しい。ヘルプ記事カモン!
スプレッド方式は、取引手数料として機能していない気がする
実はこの相対取引独特の株価に手数料を乗っけてくるスプレッドというやつ、これって普通の証券会社のいわゆる取引のたびに支払う「取引手数料」とはまったく違う。
「今」の株価に手数料分0.5%の上乗せで、「ちょっと高い株価」で株を買うことになる。
逆に売る場合は、市場価格より0.5%分低い株価で売る。
要は、高めに買わされて、安めに売らされる。取引手数料として現金を支払うわけではないけれど、取引で損を出しやすくなっているのですね。
高めの株価で買わされる。でも、たった0.5%。次の日に買ったらもっと値上がりしてるかもしれないと考えれば、気にならないレベル。ぼくはまったく気にしない。
しかも、株を買ったらずっと保有してずっと配当金をもらうというスタイルだから、安めに売ることは基本ない。
考えようによってはこれ、取引手数料なんてなくない? と思うわけです。
これもまたややこしいことなんですが、記事にもしています。
2つ目の「定額プラン」は要らない子
で、ワンタップバイのプランの話に戻るんですけど、2つのプランのうちもう1つが「定額プラン」ですね。
この定額プランが8月末に廃止されます。
定額プランは月額980円を予め支払って、その後は取引し放題です。いくらでも。
手数料はもう支払ってあるので、都度プランのときのように「ちょっと高い株価」で買い付けをさせられることもありません。売買ともに市場価格になります。
ただ、980円の取引手数料は、少額投資家にとってはなかなか大きな数字です。
ぼくは毎月1000円分のETFを1回買うだけ。手数料は毎月5円。
毎月1万円分の株を買う人は、手数料は50円。
980円の手数料は、10万円分の取引を月2回行ってようやくです。少額の投資家さんは、なかなか毎月そこまで前のめりで投資はできないでしょう。
980円の元を取るために必要のない取引を繰り返すのは馬鹿げているし、完全なる悪手です。
投資資金が月数万円までの人なら、定額プランは必要ないでしょう。投資のやり方にもよるけれど。
ぼくはもちろん都度プランです。
さらに言えば、毎月投資資金を10万円以上捻出できる方は、そもそもワンタップバイなんか使う必要ないと思います。
SBIでもマネックスでも、その辺のまともなネット証券で投資したほうがずっといいですね。
とは言っても、その定額プランももう終わりですけどね。
PayPay証券の迷走。新サービスにも期待できない
定額プランが終りを迎えて、代わりに一体何が始まるのか。
実はその辺のところをもっと考えて切り込んでいくのがこの記事だったのだけど、ワンタップバイの取引手数料の話に終始してしまった。それはまたいつか書こう。
定額プランに代わる「新サービス」が何なのか、ぼくには想像もつきません。
ただ、ここ1年くらいにワンタップバイが打ち出したサービスを見ていくと、どうにも不安が募ります。
ユーザーの7割が投資初心者の証券会社(自称)で、神々の激しい戦いが繰り広げられると言われる短期売買のCFDとか。
孫さんに言われてやってみたけど、結局ソフトバンクの1回だけで終わっているIPOとか。
老人から金を巻き上げる気満々の「ロボ」でもなく、「貯蓄」でもない、「つみたてロボ貯蓄」とか。
どうにも迷走している印象です。
「新サービス」もきっとまたろくでもないものを出してきそうな気がします。
余計なことはしなくて良いから、おとなしく使えるサービスだけ実直に続けてくれよ、ワンタップバイ。
オザワークスでした。
業界激震、マネックス証券が米国株の取引手数料値下げを発表!
ここで追記です。
7月8日から、マネックス証券が米国株の取引手数料を値下げすると発表しました。
これまで最低手数料が5ドルだったのが、0.1ドルと大幅に低下します。
最大手数料の20ドル、それから手数料の計算方法(約定代金の0.45%)は変わりません。
具体的には、今までは10万円分の米国株を買っても1万円分の米国株を買っても、取引手数料はどちらも約500円でした。
これが、7月8日からは、10万円分の取引は約500円で変わりませんが、1万円分の取引だと手数料は約50円と大幅に安くなります。
最低手数料が下がるとはこういうことです。
そしてこれは、米国株での少額投資、少額取引がマネックス証券でめちゃめちゃやりやすくなることを意味しています。
さすが、米国株と言えばマネックス! こういうのを待っていた!
……一方、このマネックスの手数料引き下げで、ワンタップバイの魅力というか利点は、かなり削がれることになります。
少額取引で手数料が安い。ワンタップバイの存在意義が、また薄らいでいく。
何らかの巻き返しをしないとまずいでしょう。
いや、ワンタップバイのみならず、米国株投資に関わるすべての証券会社が、マネックスによって長き眠りから覚める契機となるか。
なって欲しい、いち投資家として。
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