オザワークスです。
2016年から一般NISAでも米国株に投資し始めて先日、4年目の枠を使い切りました。
NISAでの4年間を振り返ると、投資に対する考え方の変化がそのまま買い付ける銘柄の変化に結びついているのがわかります。
結局人間て、ある一つの考え方のままにとどまることはなくて、ちょっとずつ変化しながら「当初」の目的からはズレていってしまうものなんですね。
ズレてしまうのは仕方ない。けれど同時に、とんでもなく大きな空振りはしていないぞ、という自負もあります。
今回は、ぼくのNISA投資の4年間を振り返ります。
もくじ
NISA口座、4年目終了時のポートフォリオ
ぼくがNISAで投資し始めたのは2014年から。NISAというのは「少額投資非課税制度」の略称で、詳しいことはこの記事を読んでね。
2014年、2015年のNISA枠で投資したものはいったんすべて売却しました。
そこでリセットがかかり、2016年から改めて米国株をNISA枠で買い始めます。それから4年、2019年のNISA枠まで埋まった、ぼくのSBI証券NISA口座ポートフォリオがこちらです。
ティッカー | 銘柄 | 株数 |
AGG | iシェアーズ・コア米国総合債券市場 | 20 |
BBD | バンコ・ブラデスコ | 250 |
BIV | バンガード・米国中期債券 | 20 |
BND | バンガード・米国トータル債券市場 | 20 |
DIA | SPDRダウジョーンズインダストリアルアベレージ | 10 |
DVY | iシェアーズ好配当株式 | 20 |
EMB | iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 | 20 |
HDV | iシェアーズ・コア米国高配当株 | 20 |
HYG | iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債 | 20 |
IGIB | iシェアーズ米ドル建て中期社債 | 40 |
IYR | iシェアーズ米国不動産 | 20 |
JNK | SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券 | 20 |
LQD | iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債 | 20 |
PFF | iシェアーズ米国優先株式&インカム証券 | 50 |
SPY | SPDR S&P500ETF | 6 |
TLT | iシェアーズ米国国債20年超 | 20 |
VCIT | バンガード・米国中期社債 | 20 |
VEA | バンガード・FTSE先進国市場(除く北米) | 34 |
VGK | バンガード・FTSE・ヨーロッパ | 40 |
VYM | バンガード・米国高配当株式 | 30 |
XLE | エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド | 30 |
XLU | 公益事業セレクト・セクターSPDRファンド | 40 |
ご覧の通り、ほとんどすべてがETF(上場投資信託)です。
ETFって何だよ? って人はこちらを見てネ。
個別株はブラジルの銀行株【BBD】バンコ・ブラデスコのみに投資しています。このBBDがまたはっちゃけた銀行で、年間の配当回数が15(16?)回あり、配当利回りが31%もありました。イカレています。
31%のBBDの配当利回りは、やりようによっては100%も可能!?
1年1年、どのように考えて投資をしてきたのかをここで振り返ります。
2016年、高利回り毎月配当債券ETFを買いまくる
上で書いたとおり、ぼくのNISA口座での米国株投資は、2016年に実質的スタートを切りました。
そのNISA1年目で投資したのが以下の銘柄です。
ティッカー | 銘柄 | 株数 | 配当利回り (2019年) |
BND | バンガード・米国トータル債券市場 | 1 | 2.60% |
DIA | SPDRダウジョーンズインダストリアルアベレージ | 10 | 2.05% |
EMB | iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 | 20 | 4.42% |
HYG | iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債 | 20 | 5.22% |
JNK | SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券 | (*)50 | 5.59% |
LQD | iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債 | 15 | 3.33% |
PFF | iシェアーズ米国優先株式&インカム証券 | 40 | 5.62% |
テーマはズバリ「高配当利回り&高配当頻度のETF」です。配当利回りが高く、年12回(毎月)配当のETFをとにかく選んで買っていました。(上の表の配当利回りは2019年のものです)
その理由は、始まったばかりのNISA口座でとにもかくにも毎月配当金が欲しかったからです。
ETFに投資して半年間何も起こらない、ではなく、配当金という結果がさっさと出てくれるETFを当時のぼくは選びました。
その選択が正しかったのかどうかはまだわかりませんが、2019年の今も2016年に投資したETFたちはせっせと配当金を毎月生み出してくれています。狙い通りではあったわけです。
ちょっと補足をすると【JNK】SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券の株数についてですが、この銘柄は2019年春に株式併合をしています。3株が⇒1株に併合されました。
そのため、売却はしていないのにJNKの保有数は2016年から減っています。
株式併合って何? という方はこちらの記事を参照してください。
2017年、低利回りの毎月配当債券ETFを仕方なく買いまくる
2017年、NISA2年目のこの年は、3つ掛け持ちしていた仕事を1つ減らして身体は楽になるものの収入減という厳しい状況の中で、何とかがんばって120万円のNISA枠を埋めた思い出があります。
2017年のNISA枠で投資した銘柄がこちらです。
ティッカー | 銘柄 | 株数 | 配当利回り (2019年) |
AGG | iシェアーズ・コア米国総合債券市場 | 20 | 2.71% |
BIV | バンガード・米国中期債券 | 20 | 2.51% |
BND | バンガード・米国トータル債券市場 | 19 | 2.60% |
LQD | iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債 | 5 | 3.33% |
PFF | iシェアーズ米国優先株式&インカム証券 | 10 | 5.62% |
TLT | iシェアーズ米国国債20年超 | 20 | 2.26% |
VCIT | バンガード・米国中期社債 | 20 | 3.25% |
2017年も2016年同様「高配当利回り&高頻度配当ETF」への投資を継続したかったのですが、どうもこれといったETFがなくて困りました。
ぼくの投資の根本には、「1銘柄に一定額投資したら次は他の銘柄を買う」という思想があるので、いつかはこういった「ネタ切れ」の状況が訪れるのはわかってはいました。
結果的に、配当利回りは2%台の「ただの高頻度配当ETF」を一生懸命買っていました。
この路線はダメだなと自分でも思い、次年の2018年からは「年4回配当で高配当利回りのETF」へとシフトして行きます。
ただ、2017年に投資したコイツらはコイツらで、2019年の現在でも健気に配当金を毎月生み出してくれています。かわいいと言えばかわいいです。
2018年、高利回り増配系ETFを買いまくる
さて、2018年です。高利回りの毎月分配ETFがないので別の方向性を探ることになりました。
2018年のNISA枠で投資したのはこの銘柄です。
ティッカー | 銘柄 | 株数 | 配当利回り (2019年) |
BBD | バンコ・ブラデスコ | 250(234) | 6.57% |
HDV | iシェアーズ・コア米国高配当株 | 20 | 2.97% |
IGIB | iシェアーズ米ドル建て中期社債 | 40(20) | 3.57% |
VGK | バンガード・FTSE・ヨーロッパ | 18 | 3.39% |
VYM | バンガード・米国高配当株式 | 20 | 2.38% |
XLU | 公益事業セレクト・セクターSPDRファンド | 40 | 2.96% |
「高配当利回りの毎月配当ETF」がなくなってしまったので、「高配当利回りで年4回配当のETF」へと投資先を変更していっています。
とは言っても、HDV、VGK、VYM、XLUなどは3%前後とそれほど高い配当利回りとは言えません。
それでもこういった株式へ投資するETFを買ったのは、米国株は基本的にどんな銘柄でも増配傾向にあることに気が付いたからでした。
実は毎月配当ETFのほとんどが債券への投資をするタイプで、「現在の配当利回りは確かに高いけど一向に配当額は増えていかない」ということが、ぼくにとっては少々不満でもあったのです。
株式のETFは、現在の配当利回りはいまいちでも将来的に増配していって、もらえる配当金が増えることを期待できます。だからこの時点で投資したのでした。
【IGIB】iシェアーズ米ドル中期社債というETFは、買い付けた当初は【CIU】iシェアーズ米国クレジット債券1-10年という銘柄でした。
2018年の夏にETFの名前が変わり、さらに株式分割を行ったので保有数が20株から40株へと増えています。
株式分割がわからない人はこちらの解説記事で。
最高のネタ要員【BBD】バンコ・ブラデスコ
2018年に投資した銘柄の中で唯一の個別株が、ブラジルの銀行株【BBD】バンコ・ブラデスコです。
この銘柄は非常にヘンテコで、個別株でありながら毎月配当、さらに毎年「株式配当」を行うという変態です。
株式配当とは、配当を現金ではなく株式で行うものです。株を持っていると株が配当としてもらえるのです。
株式配当についての解説はこちら。
いえ、お遊びは半分で、もう半分はBBDの株式配当がNISA口座で行われた場合どうなるのか確かめるためです。
株式配当も配当なので税金を取られます。そんな株式配当が非課税口座で起こったら一体どうなるのか?
答えは、非課税口座では株式配当も非課税だった、でした。
ちなみにこの年のBBDの買い付けは変則的でして、まず160株買って株式配当で16株もらい、そのあとで74株買い足して結局保有数は250株で落ち着きました。
翌年(2019年)の株式配当は、「証券会社によって自動的に現金化される」というさらに変則的な事態が起こり、株式配当が実質的に配当金になることによって冒頭で述べた通り配当利回りが31%に達しました。
ホント、変な銀行です。
2019年、配当と値上がり益、両方狙える万能ETFへ
2019年のNISA投資は、2018年の「高配当利回り&年4回配当ETF」の路線を継承しつつ、途中で「配当と値上がり益の万能ETF」への投資に舵を切っています。
2019年のNISA枠で投資した銘柄たち。
ティッカー | 銘柄 | 株数 | 配当利回り (2019年) |
DVY | iシェアーズ好配当株式 | 20 | 4.20% |
IYR | iシェアーズ米国不動産 | 20 | 3.49% |
SPY | SPDR S&P500ETF | 6 | 1.77% |
VEA | バンガード・FTSE先進国市場(除く北米) | 34 | 2.45% |
VGK | バンガード・FTSE・ヨーロッパ | 22 | 3.39% |
VYM | バンガード・米国高配当株式 | 10 | 2.38% |
XLE | エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド | 30 | 3.63% |
配当が比較的高く、増配も見込めそうなETFを買いつつ、このまま行くのかなと思っていたら、2019年の夏に大事件が起きました。
ぼくの大好きな配当が、その存在を根本から否定されてしまったのです。「配当金もらっても1円も得してないよ事件」です。
根っからのハイトウスキーであるぼくはこの事実に七転八倒します。
でもちょっとずつ配当だけじゃなく「株価の値上がり益」も狙って行こう、と自分に言い聞かせ、とりあえず何かと評判の良いS&P500にはまともに投資すべきだろう、と今は思っています。
そもそもそのS&P500ってなんやねん! という方はこちら。
2020年は、S&P500系ETFを買いまくる予定
2020年はぼくにとってNISA投資5年目、最後の年です。
2020年は2019年から引き続き、配当金と値上がり益の双方がバランよく狙える(と思われる)S&P500系のETFに投資する予定です。
でも【SPY】SPDR S&P500ETFだけでは芸がないので、同じS&P500に投資できる【VOO】バンガードS&P500ETFと【IVV】iシェアーズ・コアS&P500ETFにも投資してやろうと思っております。
ん、3つ全部に投資するメリットは?
ないです。単なるぼくの趣味です。
3ETFどれもまったく同じものに投資するものですし。経費率が違うっていうけど、0.03%と0.04%ってぶっちゃけほとんど変わんねえよ、と思います。しいて挙げれば、配当の支払いタイミングが違います。
そんな感じでぼくのNISAは、S&P500ETFで終わりそうです。もし非課税枠が余ったら、まあ、何か適当に買います。
間違えてもいい、ブレてもいい、コツコツ投資を続けよう
さて、ぼくのNISA口座での4年間の振り返りと来年の展望を書いてきたわけですけど、ぼくから皆さんに言いたいことはたった一つです。
「最善の投資は難しいけど、別に最善でなくてもいい」これです。
4年間、あっちへフラフラこっちへフラフラ、行き当たりばったりで毎月配当型ETFを買ったり、増配型株式ETFを買ったりしてきたけれど、完全なる失敗銘柄への投資はしていません。
ぼくがNISA口座で保有するどのETFも、今日も元気に活動しています。潰れたりしたものは一つもありません。
上では配当金に意味がないと書きましたけれど、企業や経済が成長していれば特に問題ありません。
確かにぼくの投資したETFの中にはいまいちなものも含まれてはいます。
ただ、投資の正解は事前にはわからないし、取り返しもつかないような大失敗でもしない限り、コツコツ4年間投資を続けてきたことのほうに価値がある、そんな気がします。
ですから皆さんも、特に投資の初心者さんは、「間違いのない投資」にこだわり過ぎないように。
人間は所詮どんだけ周到に準備してもちょこちょこ間違えます。間違えていいです。
再起不能なほどの大失敗にならない限り、ほら、行き当たりばったりでも4年分のコツコツ資産が、振り返るとそこにあります。
「失敗のない投資」を恐れるあまり、投資自体をできなくなるのが一番の失敗だとぼくは思います。
オザワークスでした。
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