オザワークスです。
米国株の下落王こと【GE】ゼネラル・エレクトリックが、子会社のスピンオフを発表しましたので記事にします。
ぼくはGEをCFDと現物の両方で保有していますが、それぞれのスピンオフでの違いなども。
もくじ
スピンオフとは?
まず、スピンオフとは、GEなどの巨大な会社の一部門が親会社から分離独立することを指します。
分離独立したあとは、そのまま株式を上場したりしなかったりと、いくつかパターンはあります。
株的な話をすると、スピンオフ前の会社全体の価値が10だとして、価値が2の一部門がスピンオフするとします。スピンオフによって、10だったものが8と2に分かれるんですね。
元の会社の株価は、スピンオフをした瞬間に2割分下がります。
親会社の株主たちにしてみれば、10だったものが8に減ってしまうので、それでは損です。というわけで、その損してしまうことに対しての「手当て」があります。
その手当ての仕方が現物株とCFDで違うので、以下説明します。
スピンオフ、現物株の場合
今回のGEのスピンオフは、GEの子会社が分離独立すると同時にその子会社をWabtec社という別の会社が買収するカタチになります。実質的には、GEが子会社をWabtec社に売却した感じですね。
で、そのGEの株を現物で持っていると、GE1株に対して前述のWabtec社(ティッカーはWAB)の株式を0.054株もらえます。もしGEを100株保有していたら、もらえるWABは5.4株。そんな計算。
スピンオフによってGEを前から保有していた株主が損しないように、新しい会社の株をタダでくれるんですね。帳尻合わせです。
買収先企業を取り扱うかどうかで証券会社の対応は分かれる
GE子会社の買収先である【WAB】Wabtec社ですが、米国株投資の場合、証券会社によってWABを取り扱っているのかどうかでスピンオフの対応が分かれます。
WABの株を投資家が受け取っても、そこの証券会社でWABの取扱がない場合、自由に売ることもできず、投資家は困ってしまいます。
マネックス証券と楽天証券では、現状でもWABを取り扱っていて、普通に取引できます。この2証券でGEを保有している投資家は、保有するGEの株数に応じてWABの株がある日口座に入庫します。ぼくはマネックス証券でGEを保有しています。
SBI証券は今までWABの取扱がなかったのですが、今回のスピンオフを機に取り扱いを始めるようです。なので、SBI証券でGEを保有する投資家も安心して眠れます。
DMM.com証券もSBI証券と同様に取扱銘柄一覧表にWABの名前は現状ないわけですが、WABの株は割り当てられる、とは書いてあります。ただ、証券会社として取扱を開始する、とは書いてありません。う~ん、よくわからん。
最後にワンタップバイ。ワンタップバイでGEを保有している場合にもスピンオフはあるわけですが、ワンタップバイではWABの取扱はありません。多分取り扱う気もないでしょうね。
そういう証券会社の場合、投資家に割り当てられる新しい株は証券会社によって売却され、その代金が投資家の証券口座に振り込まれます。ワンタップバイもこのパターンです。
ちなみに、新しく受け取るWABの株数が1株未満であったり、1株以上でも小数点以下の端数部分に関しては、どの証券会社でも売却処理されます。1株未満や1.067株のような端数は保有できないんですね。
今回はGE1株に対してWABを0.054株受け取れるスピンオフなので、1株未満や端数を発生させてしまう投資家も多いと思います。GEを10株しか保有していないぼくもそうです。
スピンオフのデメリット。特定口座の銘柄が一般口座に移される
次にスピンオフのデメリットです。
米国株も特定口座に対応するようになって久しいですが、特定口座で保有する銘柄でスピンオフが起こると、もらえる新しい株と起こした銘柄の株も、一緒に特定口座から一般口座へと移されてしまいます。
今回のGEのスピンオフで言えば、GEを特定口座で保有していた場合、新たにもらえるWABの株はもちろんのこと、元から持っていたGEも一般口座へと自動的に移動させられます。
そんな、困るよ! という方も多いでしょうけど、どうもそういう決まりらしいのでこれは仕方がありません。
お嫌な方は、GEを売り払ってそもそも株主でなくなればスピンオフ騒動も関係ありません。そういう手もあります。
特定口座から一般口座へと移されてしまうのは、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、DMM.com証券で保有した場合です。ワンタプバイはここでも違います。
ワンタップバイでは、そもそも新しくもらえる株というものが発生しませんから、特定口座で保有していたGEはそのままです。そして、口座のお金は少し増えています。
ちなみに、ワンタップバイという証券会社には、一般口座がありません。全部が全部、特定口座のみなのです。やっぱ変わってますね、ワンタップバイは。
2020年11月に【PFE】ファイザーがスピンオフしました。
ぼくはマネックス証券でファイザーを持っていましたが、ファイザーから独立した【VTRS】ビアトリスは一般口座に入庫したのに対して、ファイザー本体は特定口座に残ったままでした。
ファイザーが特定口座に残った理由は不明ですが、どうもそういうこともあるみたいです。
CFDでのスピンオフ
米国株はCFDでも買えるわけですが、スピンオフも当然起こります。
扱いはワンタップバイと同じで、GEを買って持っているCFD投資家は、新しい株がもらえない替わりに同じ額のお金を受け取ります。GMOクリック証券のCFDでは、WABの取扱はありません。
現物株ではないので、特定口座が云々という問題も一切ありません。
CFDのスピンオフの特徴としては、GEを買って持っていなければ新株分の代金も受け取れない、というのがあります。
CFDは株を「買ってから売る」以外にも「売ってから買う」ことも可能です。売りから入る、などと言います。
この「売りから入った」状態で今回のようなスピンオフイベントを迎えてしまうと、代金を受け取るどころか逆に支払うことになるので注意が必要です。
なお、その際支払った代金はどこへ行くのか? 答え、GEを「買って」持っているぼくのような投資家の懐へ入ります。CFDはよくできた仕組みです。
まとめ。スピンオフはめんどくせえ
まとめです。と言いつつそんなにまとめるようなこともないんですけどね。
まあ、あれですね。特定口座で保有する銘柄でスピンオフが起こると色々とめんどくせえことになるな、ってことです。あんまり頻繁に起こってほしくないイベントの1つです。
スピンオフが、配当のようにそれ自体が株主の利益になるのかと言われれば、ぶっちゃけないです。会社の将来を考えたりしたらきっと意味もあるんでしょうけど、今このときのスピンオフ自体にはメリットはないです。めんどくせえだけです。
じゃあデメリットが大きいのかと言えば、そこまででもないのがまためんどくせえところです。上にも書きましたけど、スピンオフがどうしても嫌なら株を手放せばいいだけですし。ただ、取引手数料はかかるけどね。
またスピンオフするのがあのGEというのも、どうにもイラッとさせます。クソほど減配して(配当は往時の24分の1)アホほど株価も下がった(3分の1)あのGEが、まだめんどくせえことを巻き起こすか。どういうつもりだ?
……まあ、経営再建の一環でしょう。せいぜいがんばってくれ。これで見事復活したらヒーローですね。
実は気長にそんな日を待っている、オザワークスでした。
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