オザワークスです。
GMOクリック証券のCFDで米国株に配当投資をしています。配当投資ってのは、配当金狙いの投資って意味ね。
実はかねてから疑問だったのが、CFDの配当金に関係する税金って一体どうなっているんだろう? ということでした。
現物の米国株だと、配当金から外国税と日本の国内税の2つが引かれていて、それが2重課税だから確定申告のときに外国税額控除を使ってどうたらこうたらって話をよく聞きます。
では、CFDの米国株の税金は?
今回は、知られざるCFDの配当金の税金についてです。中身を少しだけ言いますと、CFDの配当金はかなり税金的にも有利です。
もくじ
CFDでも外国税はしっかり取られていた
CFDで米国株を持っていると配当金をもらえます。しかし、米国株の配当金につきもの外国源泉徴収税。これはどうでしょうか?
答え、しっかり徴収されております。GMOクリック証券のウェブサイトでは、企業から配当情報が出ると権利調整額としてこんな風に張り出されます。
画像は【PFE】ファイザーのもので、ファイザーを「買い」で持っていると、2019年1/30に1株あたり0.324ドルの配当が支払われます、と書いてあります。
この0.324ドルという細かい数字、実は外国税を差し引いたあとの数字です。ファイザーの本来の配当額は、0.36ドル。米国籍の企業は外国税率が10%ですから、税引き後には0.36が0.324になりますね。
CFDでは、この0.324ドルをさらにそのときの為替レートで日本円に替えて、入金されます。
こんな感じで、CFDにおいても外国税はバッチリ取られていることがわかりました。現物株ではないので、外国税額控除とかはできません。取られるのみです。
ちょっと余談ですけど、実はCFDで外国税を取り始めたのってつい最近で、2018年の1月1日からなんですよね。それまでなかったってのが、どうにもすごい話です。
では、国内税は?
外国税はわかった。では日本の国内税はどうなのでしょう?
現物の米国株では、外国税に加えて国内税も約20%ほど持っていかれます。これがどうなるのか。
正直、CFDの国内税の扱いはなかなか複雑です。とても一言では言えないので、段階を追って説明します。
CFDでの配当金はある種の含み益
現物の米国株の配当金は、各種税金を引いた後、投資家の証券口座へと入金されます。そうすると買付余力が増えまた株が買える、というような感じです。これがCFDだと全然違います。
CFDでの配当入金は、まず外国税が引かれて、その後はCFD口座へ入金されるのではなく、その配当を出した銘柄の含み益にプラスされます。
配当金が含み益? ちょっとまたわかりにくい話になってしまいますが、実際そうなのでしょうがない。
例えば、1000円で買った株が1100円に値上がりした。これは含み益が100円ですね。CFDの場合この銘柄に配当が出ると、株価に変化がなくても含み益が100円から130円にアップする、そんな感じです。30円分が、配当金なわけですね。
もちろん株価の変動で含み損状態の場合には、配当の入金で配当金の分だけ含み損が減ります。
現物の配当は証券口座に入金され、CFDの配当はそれぞれの銘柄の含み益が増える。配当の入金先が違う、ということです。
含み益扱いなので、売却(決済)しない限り課税されない
現物の配当金は、現金による証券口座への入金。これはいわば、投資家にとっては確定された利益にあたります。そして、確定された利益だからそこには税金が発生します。
対してCFDの配当金は含み益。含み益って、利益を含んでいるだけ。売却(決済)して確定させない限りは、仮の利益です。そして、仮の利益には税金が発生しません。
と、いうわけで、CFDの配当金には、国内税はありません。
ただし、株を売らなければ、という条件付きです。売却すると株価の評価損益と保有期間中の累計権利調整額(配当額)、そして累計の金利調整額がすべて合計され、それでも利益が出ていた場合は、課税対象になります。
含み益状態で配当をもらい続ける。意外と向いてるCFDの配当投資
CFDでの配当金は、売却せずに含み益状態をキープすれば、国内税に関しては非課税で配当金をもらい続けられます。
これって実は、株を一度買ったら売らずにすうっと配当をもらうだけの配当投資そのまんまです。しかも国内税を非課税にできるので、意外とCFDって配当投資に向いているのかも。
実際にぼくが保有している【T】AT&Tが今こんな状況です。
ぼくはAT&Tを16株保有しています。
株価の評価損益は、-6398円。
株の保有コストである金利調整額の累計が、-611円。
受け取った権利調整額(配当)の累計が、+2820円。
今売ったら合計してもマイナスのほうが多いので、嬉しいんだか悲しいんだか税金は発生しません。ただこれが、これからもずっと配当金をもらい続けていくとどうでしょう?
2820円が、3000円、4000円、まだまだ。1万、2万と配当金の累計が降り積もっていったとき、結構な確率でコレ、プラスになりませんかねえ?
そうなった場合には、売ると税金発生。税金発生というか、CFDは特定口座に対応していないため、自分で確定申告して自分で納税する必要が出てきちゃう、という話。
でも売らずに含み益のままにしておけば、まだまだ配当金を積み上げることが可能です。それも非課税で。
配当の入金のたびに課税されてしまう現物の配当とは、ここがやはり大きく性質の異なるポイントですね。かなり違う。
でも、疑問に思いませんか? 含み益のままなら非課税と言ったって、含み益のままでは配当金で新たな株を買う「配当金の再投資」はできないし、米やミソも買えない。つまり、含みじゃあお金として使えないじゃん、と。
含み益のまま、非課税で配当金を出金する方法が、ある!
ところがですね、これができるんですよ。何がって、株を売却せずに配当金だけを取り出すことがです。
キーワードは、ロスカットレートです。CFDは、証券会社から一部お金を借りて行う投資です。なので、お金の貸し手である証券会社の力は強く、買った株がある一定以上下がると、強制的に株を売却されてしまうことがあります。これがロスカットです。
ロスカットレートというのは、これ以上下がったら問答無用でロスカットされてしまう株価のことです。ロスカットされてしまうと配当をもらうどころではないので、ロスカットレートは生死の分岐点ですね。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。
CFDで配当金をもらうと、受け取った配当金の分だけロスカットレートが下がります。配当金自体小さな額のものなので、下がり幅はちょこっとです。でも、何回も何回も配当をもらっていくと、確実にロスカットレートが下がって、ロスカットされにくくなります。
そしてロスカットレートは、ある限られた範囲でなら投資家が操作することが可能です。投資家自らが、ロスカットレートを上げたり下げたりできるのです。
ロスカットレートを上げて現在の株価に近づけていくと、その分ロスカットはされやすくなりますが、CFD口座の買付余力がレートを上げた分だけ増えます。逆にロスカットレートを下げると、余力を食います。シーソーの関係ですね。
今日、CFDの何かの銘柄に配当金が入ったとして、試しにその銘柄のロスカットレートを上げてみましょう。配当入金でレートは少しだけ下がりましたから、その配当入金で下がった分だけ上げてみる。
するとどうなるでしょうか。配当の入金でその銘柄に含み益としてプラスされた金額が、そのままCFD口座の買付余力として反映されるではありませんか!
そして、CFD口座の買付余力はGMOクリック証券の総合証券口座へと振替できます。そこまで行けばあとはもう、どうとでも。ネット銀行なりなんなりに出金するだけです。
つまり、CFDの配当金は、株を売らなくても入金した配当金だけを出金することが可能です。もちろん含み益のままですから、税金を払う必要はありません。
出金したらもちろんそれはただのお金ですから、米国株の現物を買うでもなんでも好きにできますし、CFD口座内の買付余力に反映した時点でCFDの米国株がそれで買えます。つまり、配当金の再投資もできるのです。
ただし、注意が一点。CFD口座の買付余力は、株価の状況次第では余力がマイナスに落ち込んでいる場合もありえます。
こんな感じに。
こういうときは、配当金を余力に反映しても出金はできません。ただ、繰り返しますが、何度も何度も何度も配当金をもらい続けると、こういったマイナスを飲み込んだ上でプラスになるものです。時間が味方します。
まとめ。CFDの米国株で配当狙いの投資は、いくつも利点があるよ
まとめです。
CFDで米国株に投資して配当金をもらう。その配当金に関わる税金の話です。
まず、外国源泉税は否応なしに10%引かれています。これはどうしようもありません。
ただ、国内税の20%は、現物株と比べて大きくお得です。CFDでの配当金は保有銘柄の含み益扱いであるため、売却(決済)しない限り課税対象とはなりません。じゃあ、外国税のほうは何でだよって話にもなりますが、まあそれは置いておいて。
含み益状態のままなら国内税の20%を無いことにして、効率よくずっと配当金をもらいまくる配当投資が捗りそうです。CFDは意外と配当狙いに向いています。
さらに、CFDは特殊でして、株を売却せずに含み益を含み益のまま口座の外に出すことができます。配当金の再投資も十分可能であるということです。
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オザワークスでした。
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