オザワークスです。
米国株や海外ETFに配当狙いの長期投資をしています。
ぼくは何種類もの銘柄を保有しているのですが、つい先日、【JNK】SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券というETFが株式併合を実施しました。
3株を1株にまとめる。これが株式併合です。
ぼくはJNKをSBI証券とマネックス証券の2証券で分けて保有しており、保有株数も同じでした。
SBI証券とマネックス証券、同じ銘柄を同じ数だけ株式併合するんだから、結果も同じだと思うでしょ?
ところが違うんですねえ~。
どう違うのか説明します。
株式併合って何よ?
まず、そもそも株式併合とは何なのか、そこから行きましょう。
株式併合とは、複数の株式を一つにまとめる、コーポレートアクションの1つです。
例えば、今回の例だとJNKを30株保有していれば、3株が1株になる株式併合なので、最終的に10株の保有になります。株式併合では保有株数は減ります。
え、それじゃあ資産が減っちゃうんじゃないの?
いえいえ、そうはなりません。保有株数は減りますが、減った分だけ株価は上昇します。
例えば、1株50ドルの株を30株保有していたとします。資産額は1500ドルです。
この銘柄が、3株が1株になる株式併合を行ったとすると、保有数は3分の1の10株になりますが、株価は3倍の150ドルになります。資産額は株式併合前と変わらず1500ドルです。
とまあ、こういう理屈がありますので、株式併合が行われても株主の資産が目減りするというようなことは、理論的には起こりませんからご安心を。
株式併合する目的って?
では、企業は何故わざわざ株式併合などということをするのでしょう?
動機はいくつもあって、日本株だと100株を取引の単元にするために株式併合をよく行うようです。他にも、あまりにも低くなりすぎた株価を底上げするために発行株数を減らすとか。
でもJNKは米国市場に上場する海外ETFです。個別企業というわけではありませんし、株価も30ドル台半ばと特に株価が低すぎるデメリットもないように思えます。
正直、JNKが株式併合を実施する明確な理由は、ぼくにはわかりません。
株式併合はすべての株主に対して平等であるはずだが……
で、ここからが本題。
株式併合は、当たり前の話ですけど、その銘柄を保有するすべての株主に対して平等に行われます。平等に行われなければなりません。
だって、そうでしょう? ある株主は3株が1株に株式併合なのに、同じ銘柄でも別の株主は4株が1株に合わさったりしたら、損しちゃうでしょう。
だから、株式併合の比率は、すべての株主が一緒です。
また、株式併合が実施される日付も一緒。平等です。
株式併合後の株価も当然、全株主で同じ。
そしてもちろん、株式を併合する際に手続き上一度手放して再度取得する処理がなされるのですが、再取得する際の株価もすべての株主で同じ。
……じゃないといけないはずなのに、そこが違う!
という問題が発覚しました。
あのマネックス証券が株式併合でもまたやらかす
今回株式併合したJNKをぼくは、SBI証券とマネックス証券の2つの証券会社でそれぞれ同数保有していました。SBIはNISA口座で、マネックスでは特定口座で、です。
それで両証券会社で株式併合の処理が行われたわけですが、JNKの再取得価格が両社で全然違う数字になりました。
SBI証券 | $99.69 |
マネックス証券 | $108.99 |
ね、全然違う株価でしょ。これでは、マネックス証券のJNKは、SBI証券と比べて不当に高い値段で買わされたJNKという感じに見えてしまいます。
株式併合したら証券会社で取得単価に差が出るなんて。こんなんだったら全部SBIで保有したほうがいいわ。
やれやれ、あのマネックスがまたやらかしたのかよ~。
ぼくはPCの画面前でがっくりと項垂れました。マネックス証券には、以前からカナダ銘柄の外国税率などでしょっぱい思いばかりさせられています。
株式併合の意外な真実
と、こ、ろ、が、です。
再取得した株価を見ていて気が付きました。
SBI証券 | $99.69 |
マネックス証券 | $108.99 |
JNKは3株を1株に株式併合したので、併合後の株価はもとの3倍となるはずです。
それだったらもしかして、併合前の取得株価の3倍が再度取得する株価になるってことない?
もしかして、もしかしてない?
そして調べてみると、併合前に両証券会社で取得したJNKの株価は以下の通りでした。
SBI証券 | $33.23 |
マネックス証券 | $36.33 |
ちょうど3倍になってる~! ピッタシ!
ゴメンね、マネックス
と、いうわけで、訂正です。
株式併合をすると、併合後の株価は併合の比率によって等倍に高まります。
それと同時に、株式の取得価格も併合の比率によって等倍に高まります。つまり、株式併合で以前の取得価格がリセットされるようなことはなく、正確に引き継ぎます。
ぼくはこの事に気が付いたとき、そこまで精密なことをやっているのか、と感嘆しました。もっといい加減なもんだと勝手に思っていました。
ちゃんと数字が合うように上手いこと仕組みができているんですね。ちょっと感動すら覚えたのは内緒です。
そういうことなので、これをお読みの投資家の皆さんも、安心してこれからの株式併合に望んでくださいね。
あと……疑ってゴメンね、マネックス。
早とちりなオザワークスでした。
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