オザワークスです。
投資用語解説。今回は「株式配当」についてです。
株式配当とは?
株式配当とは、配当金と同じように企業から株主に配られるものです。配当金と違うのは、配られるものが現金ではなく株式そのものである点です。
株を保有しているともらえるのが配当金。
株式配当は、株を保有していると株をもらえます。
株式配当は、配当金と同じように企業から前もってアナウンスがあり、権利確定日を迎え、後日実行されます。
ある日、保有する株が増えます。
株式配当と配当金の違いは主に、税金面
配当金との違いは、主に税金面で現れます。
米国株の配当金は企業から支払われるとまず国外税を10%取られ、それから日本の国内税を約20%取られて残りが株主の元へとやって来ます。
株式配当では、まず国外税は取られません。ここは良い。しかし、国内税のほうは20%取られるんですが、その取られ方がちょっと難しくなります。
というのも、配当金と違って「株式」そのものが配当されてくるので、約20%の国内税をどこからどう取るのかが問題となります。
株式はお金ではありません。しかし株式配当は配当金同様投資家の「利益」とみなされるので、しっかり20%課税・徴収されます。
答えから言うと、投資家の証券口座の買い付け余力から税金分の金額が徴収されます。配当される新しい株はそのまま口座に残り、買い付け余力は税金分減るのです。
と、いうことは、株式配当が実施されるタイミングでは、税金分の現金を口座に入れておく必要があるわけです。
めんどくさいです。
ここで疑問になるのは、もし株式配当が実行された段階で税金分の現金が証券口座になかったらどうなるのか? ですが、これが一体どうなるのかぼくも知りません。
ちょっと試す勇気もないです。新しく口座にやって来る配当株の一部が、税金分として勝手に売却されるのかなあ、というのが予想ですけど。
いずれにせよ、ただもらっておけば良い配当金とは違って、株式配当は税金面で要注意です。
株式配当と株式分割は本質的に同じ
株式配当で企業から配当される新しい株は一体どこから生まれてくるのか? これはもちろん企業が株式配当のために新たに株を発行しています。
ここで思い出してもらいたいのが、株式分割というコーポレートアクションです。
株主は保有する株数は増えますが、株価はその分下がって損も得もない。というのが株式分割です。
そして、株式配当も企業は新たに株を刷って株主に配ります。つまり、企業にとって株式配当も株式分割もやっていることは同じです。
ということは……勘の良い方はこの辺でわかると思うのですが、株式分割と同じ仕組みということは、株式配当をいくらもらっても株価がその分下がるのだから損も得もしていないことになります。
ぶぶー! 不正解!
株式分割になくて株式配当にあるもの、それは税金です。
株式分割は、損も得もしていないので税金が発生しません。一方で株式配当は株式分割同様損も得もしていないのに、「配当」と名乗っているがために税金を支払わなければなりません。
なので、正解は、株式配当は税金分損をしている、です。
恐らくですが、実施する企業側が「株式分割である」とアナウンスすれば株式分割になり、「配当だよ」と言えば課税される株式配当になるのでしょう。なんだか納得いかない話です。
株式配当は正直デメリットが多い
以上の通り、保有する株数が何もしなくても勝手に増える株式配当は、一見すると「なんだか得した感じ」に思えるかもしれませんが、実は税金がらみで結構厄介なものだったりします。
その厄介な株式配当を毎年行う企業もあるのだから、世界は広いです。
以上で、株式配当の解説を終わります。
オザワークスでした。
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