オザワークスです。
久々の投資用語解説、今回は自社株買いです。
会社が自分の会社の株を買う
ぼくが松井証券で保有している米国株の【A】アジレント・テクノロジーズが、20億ドルのも自社株買いを発表しました。
2023年1月9日、分析機器メーカーのアジレント テクノロジーズ(NYSE:)の取締役会は、新たな自社株買いプログラムを承認した。この2023年のプログラムでは、20億ドルを上限として普通株式の買戻しが許可される。 本プログラムは3月1日に開始される予定で、エクイティ・プログラムによる株式の希薄化を抑制または排除するために株式の買い戻しを許可していた既存の自社株買いプログラムに取って代わることとなる。
自社株買いは、会社が自分の会社の株を買うことです。
この話だと、アジレント・テクノロジーズがアジレント・テクノロジーズの株式を我々一般の投資家と同じように株式市場で買います。
これが、自社株買いというものです。
自社株買いは株主還元の1つ
自分で自分の会社の株を買うのが自社株買い。
株式は、その会社が過去に発行して市場へ売りに出したものです。
その自分の株を今度は自分で買う。
これどういう目的があるのでしょうか?
ひと言で言うと、株価を上げるためです。
自社株買いを行うと、その会社の株価が上がる傾向になるんですよ。
株価が上がると株主は喜びますよね。
なので自社株買いは、配当金と並んで株主還元の手段なんですね。
自社株買いで、株式が消える!?
でも自分の株を買うとどうして株価が上がるの?
そのカラクリを解説しましょう。
まず、会社が自社株買いを行うと当然、自分の会社の株主が自分の会社、という状態が生まれます。
ただそれだとなんとも奇妙な状態になってしまうので、自社株買いをした株は自分の会社の倉庫には入っているものの、自分が自分の株主として登録をしたり、自分が自分に配当金を支払ったりということはありません。
そして自社株買いをした株式は、一定期間が経って会社の偉い人たちの会議で「消却」が決定されます。
そうすると自社株買いをした株式は、消えてしまうんです。
自社株買いをするとその会社がこれまで発行した株式の株が減ります。
言い方を変えると、発行株式数を減らす目的で自社株買いをするのです。
総株数が減るから株価が上がるのだ
1株の株価とは、その会社のすべての価値(時価総額)を発行した株数で割ったものです。
あなたが保有する1株1株をすべてかき集めると、その会社全部の価値になります。
ここで自社株買いです。
自社株買いをすると、株の総数が減ります。
株の総数が減っても、その会社の本質的な価値が変化するわけではありません。
会社の本質的な価値とは、売上とか、資産価値とか、市場シェアとか、実際の事業を行っている会社の価値のことです。
会社の本質的な価値はそのままで発行している株数だけが減る。
そうすると1株当たりの株価は、高まるんですね。
これが自社株買いで株価が上がるカラクリです。
難しいかな。
具体的な数字で考えてみよう
数字で考えてみよう。
例えば本質的な価値が1000ドルの会社があったとします。
その会社は、全部で1000株発行していました。
これだと株価は、1000ドル÷1000株で1ドルですね。
ここで自社株買いをして、自分で500株買って消却しました。
そうすると、会社の価値1000ドルは変わらず、株数だけが500株と半減します。
同じように1000ドル÷500株で、株価は今度2ドルになりました。
ほら、自社株買いで株価が上がりましたね。
こういうことです。
自社株買いを重視する企業も多い
自社株買いは、配当金と並んで経営者が重視する株主還元の手段です(経営者も自分とこの株を持っている場合も多い)。
配当金はどうしても税金を取られてしまいますが、自社株買いはただ自分の株を買って消すだけなので税金もかかりません。
それ故、近年では配当金を増やすよりも自社株買いを拡大する会社も増えてきています。
ただ、ぼく個人としては、自分が発行した株式を自分で買い戻して一生懸命消している株式会社、という図式にはどうにもモヤっとした感覚を覚えるのですが……。
まあ、旧い人間の感覚ですね。
というわけで、自社株買いでした。
オザワークスでした。
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