オザワークスです。
米国株を取引できる時間は日本での夜間にあたります。そして個人的なことですが、ぼくの本業は深夜勤務です。
時間帯が合わないのです。当然取引は予約注文によって行うのですが、多少の不便は感じます。
ぼくと同じように米国株取引の時間帯に不便を感じる投資家さんが他にもいるかもしれないので、証券会社各社の注文方法や注文受付時間をまとめてみました。
もくじ
夜勤者と米国株
オザワークスも皆さんと同じく兼業投資家であり、夜勤者です。本業は深夜勤務なのです。
仕事は深夜0時開始の朝5時半まで。基本的に昼夜逆転の生活です。
しかしながら米国株式市場の開いている時間帯は、午後10時半から翌朝5時(夏時間3月上旬~11月上旬まで)。
大体労働時間と被るのです。
でも今夜は待ちに待った公休日。たまにはゆっくり値動きでも見ながら株取引としゃれこもうと思っていたら、
「ぴりりりり!」
職場からの電話です。嫌な予感しかしない。
で、予感の通りに休日出勤をお願いされました。では仕方なく、今夜も労働にいそしむとしますか。未来の投資資金のために。
日本の昼間は米国の夜間
米国株を取引できるのは、日本時間の夜中です。これは当たり前で、向こうの昼間がこっちの夜だからです。
そのため、米国株投資に対してちょっと抵抗感を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
取引しづらいなあ、と。
上で述べたように夜勤であるぼくも、ちょっとそういう不便さは感じます。日中自由に取引できる日本株には投資しないため、余計にそうです。
でもご安心を。
日本人投資家にとって米国株の取引が夜中に行われていても、必ずしも夜中眠い目をこすりながら起きている必要はありません。
各証券会社が米国株取引の様々な注文方法を用意してくれています。今回は、米国株の注文方法の各証券会社ごとの特徴を紹介します。
ただし、あんまり高度な注文方法には触れません。あくまで初心者向けの基本的なものの紹介です。
というか、難しい注文方法はぼく自身がよくわからない……。
株取引は予約注文できるので深夜まで起きている必要はなし
米国の株式市場が開いている時間帯、すなわち米国株を取引できる時間帯は、日本時間で言うと22時半~翌朝5時です。
深夜から早朝という感じですね。時差の関係でどうしてもそうなります。
じゃあ、米国株に投資するためには夜中起きていなければならないのかと言うと、そうではありません。
株取引には、予約注文があるからです。
予約注文とは、株式市場がまだ開いていない時間帯から取引の注文をあらかじめ出しておくサービスです。字の通り、注文の予約です。
どの銘柄を、どのくらいの数、株価はいくらで買うなり売るなりという注文内容まで指定して予約できます。
事前に予約注文をして、取引時間中に注文内容に合致すれば、取引が自動的に実行されます。
投資家が起きて取引を見ている必要はありません。
この予約注文があるので、夜勤者は仕事に行き、眠い人はぐっすり眠ることができるのです。
ただし、米国株を取り扱う証券会社のすべてでこの予約注文ができるかと言うと、そうでもありません。
ほとんどの証券会社は対応していますが、ただ1社、One Tap BUY(ワンタップバイ)だけは予約注文ができないので注意です。
指値注文と成行注文
注文の内容まで指定できると書きました。その内容をもう少し見てみましょう。
指値……指値注文、「さしね」と読みます。一番オーソドックスな注文方法です。
株を買う場合は「◯◯ドル以下なら買う」、売る場合は「◯◯ドル以上なら売る」と取引を実行する株価を指定する注文方法です。
指値注文はぼくも良く使います。というか、これ以外はそもそもあんまり使いません。
成行……成行注文、「なりゆき」と読みます。これも基本的な注文方法です。
指値が株価を指定するなら、成行は指定しない注文方法です。とにかく取引価格がいくらになってもいいから、売る場合も買う場合も取引をしてくれ。
取引の成立を最優先にする注文方法ですね。ぼくはあんまり使いません。損出しで売るときぐらいかな。
逆指値注文は損切りに役立つ
逆指値……逆指値注文、「ぎゃくさしね」と読みます。ちょっと特殊で便利な注文方法。
逆指値という名前の通り、指値の逆の行く注文方法です。
指値が「◯◯ドル以下なら買う」、または「◯◯ドル以上なら売る」だったのに対し、逆指値は「◯◯ドル以上なら買う」、「◯◯ドル以下なら売る」となります。
これどういう状況で使う注文方法かと言うと、主に損切りのときです。
例えばある株を保有していて、その株価が一晩で半分にまで下がってしまうとしましょう。寝て起きたら資産が半分です。失神しますね。
そこでこの逆指値注文を使います。保有株を「現在の株価より10%下がったら売る」と前日までに指定しておけば、朝には50%下がったとしても自分の損失は10%で済みます。
残り40%の損失を切ることができました。これが損切りです。
逆指値注文を上手く使えば、自動的に損切りしながら投資家はぐっすり眠ることができます。とても便利な注文方法です。
そんなとても便利な逆指値注文なんですが、ぼくは使ったことがありません。損切りというものをしないからです。そういう投資家もいます。
株取引の注文方法には、逆指値の他にもツイン指値や連続注文などいくつもありますが、なかなかややこしく、正直そういう難しい注文方法は必要ないんじゃないかとぼくは思います。
玄人向けですね。
証券会社各社注文方法まとめ
指値と成行はほとんどの証券会社で提供されていますが、逆指値になると証券会社によって多少ばらつきがあります。
表にしてまとめてみました。
証券会社 | 指値 | 成行 | 逆指値 |
SBI証券 | ◯ | ◯ | ◯ |
マネックス 証券 |
◯ | ◯ | ◯ |
楽天証券 | ◯ | ◯ | |
DMM.com 証券 |
◯ | ◯ | |
ワンタップ バイ |
◯ |
SBI証券は、2019年10月7日から米国株の逆指値注文に対応となります。
ワンタップバイは成行注文すら機能としてはないのですが、使ってみた感覚としては、あれは成行と考えてよいのかなと思うので丸を付けました。本当に変な証券会社です。
注文の受付可能時間は証券会社で違う
個人投資家にとって取引の予約注文は本当に頼もしい存在ですが、予約注文がいつでもできるかどうかはこれまた証券会社によって異なります。
SBI証券とマネックス証券は24時間予約注文を受け付けてくれます。
楽天証券は、月曜~金曜までは午後3時以降でないと注文を受け付けてすらくれません。門前払いです。
そして土曜日曜ももちろん注文できません。
画像がありました。楽天証券の注文受付時間はこんな感じです。
SBI、マネックスと比べると楽天は使いにくいったらありゃしない。
DMM.com証券も24時間対応ではありません。
こんな感じで土日も注文はできますが、基本的に午後4時以降に受け付けてくれるようです。使い勝手は、ぼくはDMMに証券口座をまだ持っていないのでわかりません。
予約注文の受付くらいは24時間いつでも受け付けてほしいものです。
ちなみにワンタップバイは24時間いつでも取引可能なので、予約注文を受け付けるという概念そのものがありません。
注文の有効期間の違い
株取引の予約注文を入れておいても、注文条件に合致しなくてその日は取引が成立しない場合もあります。
そうすると注文は失効してまた同じ予約注文を入れ直し、は面倒ですよね?
1度出した注文の有効期間も各証券会社で違います。
1番優秀なのはここでもSBI証券とマネックス証券、ついでに楽天証券で、90日間も有効です。
DMM.com証券は30日間。例によって表にまとめます。
証券会社 | 注文有効期間 |
SBI証券 | 90日間 |
マネックス証券 | 90日間 |
楽天証券 | 90日間 |
DMM.com証券 | 30日間 |
ワンタップバイ | ・・・・・ |
SBI証券は2019年10月7日より逆指値と同じく90日間に対応となります。
注文有効期限? ワンタップバイには関係ない話です。
米国株を365日24時間取引可能なワンタップバイの特異性
いよいよワンタップバイについて説明しましょう。
ワンタップバイの米国株サービスは、難しい言葉で言うと「相対取引」に相当します。
相対取引(あいたい取引)の詳しい説明はこちらの記事で。
相対取引であるがゆえに、ワンタップバイでは365日24時間休みなくいつでも米国株の取引が行えます。
しかし、指値など株価を指定する注文や、取引を予約すること自体ができません。常にリアルタイムで、ワンタップバイの提示する株価で取引することになります。
そういう我が道を行っちゃってる証券会社です。
ワンタップバイでは時間帯で取引手数料が異なる。注意せよ!
ワンタップバイでは24時間株取引が可能なので、夜勤者のぼくも昼間っから米国株取引ができるのですが、そこはそう簡単ではありません。
先にワンタップバイの提示する株価は株式市場の株価とは違う、と書きました。実は、ワンタップバイの提示する株価は市場価格よりも少しだけ割高です。売る場合は、割安。
つまり、ワンタップバイで米国株を取引すると、市場価格よりも少しだけ高く買わされ、売る場合も少しだけ安く売ることになります。
投資家にとってはそれだけわずかであれ不利なわけですが、その市場価格との差額がワンタップバイの利益になる部分です。
その差額は、ワンタップバイでは「取引手数料相当額」と明示されています。いわゆる取引手数料という扱いなんですね。
市場価格とワンタップバイ価格の差額は、0.5%です。ただし、それは米国の株式市場が開いている時間帯での話です。
日本の昼間など株式市場が閉まっている時間帯では、取引は可能なのですが、差額は0.7%と拡大します。より高くより安く取引させられます。
たった0.2%の差ではありますが、投資家は基本ケチなので結局株式市場が開くのを待ってからワンタップバイで米国株を取引きします。ぼくもそうしています。
ワンタップバイでは24時間米国株を取引きできますが、時間帯によって株価が異なるというのが注意点ですね。
ラスボス、GMOクリック証券の米国株CFD
さて、ワンタップバイって変な証券会社だってそう思ったでしょう?
ところが、上には上がいるのです。真のラスボスはGMOクリック証券のCFDで取引する米国株です。
CFDというのはまた一言で言うのが難しいのですが、とにかく現物株とは違うそういう厄介なものがあるのです。
そのCFDという複雑なシステムで米国株に投資できるのが、GMOクリック証券です。
特徴をざっと挙げると、
- レバレッジあり(最大5倍)
- 買い持ちだと金利調整額を支払う必要あり
- 株価が下がりすぎると強制決済される
- 取引手数料は無料だが、買値と売値にスプレッドが存在する
という感じで、わからない人にはまったく意味不明な言葉の羅列だと思います。FXちっくな米国株投資といえばいいか。
CFDの大体のところはこちらの記事で。
不便すぎ! CFDでは予約注文が機能しない!
そのCFDの注文方法は、「指値」「成行」「逆指値」とそろっているのですが、ぶっちゃけどれも使い物になりません。もちろんぼくの個人的な感想ですが。
まず成行は、米国の株式市場が開いていないと注文として出せません。
そして指値も、前日の終値を上回る価格、つまり絶対に取引が成立する価格では指値注文が出せません。逆指値も同じ。
つまりねえ、その日の夜確実に株を買っておきたいぼく様な投資家には、まったく機能しない注文システムなのです。
で、結局夜勤が休みの公休日に市場が開くのを待ってポチポチ手動で取引しています。予約注文とは……? という感じです。
これはかなり不便を感じるんだけど、GMOクリック証券さん何とかならないかなあ。
取引環境は各証券会社で異なるので、自分に合うところを選ぼう!
という感じで見てきましたけど、一口に米国株取引と言っても、それぞれの証券会社で米国株投資を取り巻く環境は結構違います。ということが言いたかっただけです。
特にワンタップバイとGMOクリック証券のCFDではそれを顕著に感じます。普通の現物株の間隔で行くと「あれれ?」となるので、取引方法など事前に良く調べてくださいね。
安心安定の現物株にしたってサービスのレベルは証券会社で違います。特に予約注文の受付時間は隠れた鬼門です。
夜勤のために午後は丸々睡眠時間に充てたい人などには、楽天証券の午後3時以降でしか注文を受け付けてくれないのはどうにも不満に感じることでしょう。わかります。
そういった投資家個々の事情と証券会社が合わない事例があるので、各証券会社の特徴などをまとめてみました。証券会社選びに役立ててくださいな。
さて、あえなく休日出勤になってしまったぼくはこれから寝ます。もちろん、24時間注文を受け付けてくれるマネックス証券で予約注文してね。
オザワークスでした。
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