オザワークスです。
SBI証券の証券口座開設数が600万口座に達したそうです。
それを記念していくつかキャンペーンを実施していますが、どれも正直言ってショボい。
中でも「SBIハイブリッド預金 受取利息100倍キャンペーン」にガクッと来ちゃったのでこれを特集します。
もくじ
600万口座達成、怒涛のキャンペーン祭りがゴミクズ
SBI証券が合計600万口座を越えたそうです。
それを記念して「怒涛のキャンペーン祭り!」と称していくつかのキャンペーンを実施中です。
がしかし、どのキャンペーンも全体的にショボく、米国株投資家であるぼくには関係のない内容だったのでがっかりです。
これがそれなりに意味のあるキャンペーンだったら、さすがSBI証券と褒め称えてアフィリエイトに積極的に誘導したものを。残念です。
⇒SBI証券公式「600万口座達成! 特設サイト」
キャンペーンその1、クイズに正解&フォロー&リツイートでAmazonギフト券200円分がその場で当たる。
抽選で5000名にAmazonギフト券が200円分その場で当たるそうです。期間は4/20~5/31まで。
200円、欲しいか?
キャンペーンその2、SBI証券で投資信託を1万円以上購入すると、抽選で5000名に現金1000円が当たる。期間は4/20~6/30まで。
上の200円よりかはましだが、それでもたったの1000円かよ。
キャンペーンその3、新規に口座開設から3ヶ月の間、日本株の取引手数料を全額キャッシュバック。口座開設対象期間は4/20~6/30まで。
新規に口座開設して日本株に投資する人はいいけど、ぼくは米国株投資家だからなあ。
キャンペーンその4、未成年口座(20歳未満)での日本株の取引手数料を全額キャッシュバック。
ただし、手数料のキャッシュバックは毎月1万円を上限とする。期間は4/20~永続。
これは思い切ったことをすると思ったけど、米国株投資とは関係ないのだ。
キャンペーンその5、20~25歳日本株の取引手数料を全額キャッシュバック。4/20~。
これはその4からの続きですね。25歳未満の若い投資家からは取引手数料は取らない。
けれど日本株限定というのが盛大に明後日の方向。若い投資家を囲い込む一定の効果はあるか。
キャンペーンその6、SBIハイブリッド預金の受取利息100倍!
これが問題のやつね。どう問題なのかは後述します。
総じてこのキャンペーン群、ショボい。200円とか1000円とか。
それから、日本株投資家に軸足を置き過ぎ。そのおかげで米国株投資家には何の恩恵もない。
無意味なキャンペーンですね。
SBIハイブリッド預金の受取利息100倍!は無意味
さて、ここからが本題。
上のキャンペーンのその6、SBIハイブリッド預金の受取利息100倍! というやつ。
⇒住信SBIネット銀行公式「SBIハイブリッド預金 受取利息100倍キャンペーン」
これがまた無意味なんですよね。
でもその説明の前にSBIハイブリッド預金が何かを知っておかないといけないので、先にこちらの記事を読んでくださいな。
簡単に言いますとSBIハイブリッド預金とは、住信SBIネット銀行とSBI証券の間に設定される、証券口座と銀行口座を連結させるための専用口座です。
住信SBIネット銀行内のSBIハイブリッド預金口座に入金するだけで、SBI証券の取引余力に残高が反映されます。
類似するサービスに楽天銀行と楽天証券の連携サービスであるマネーブリッジがあります。
その専用口座であるSBIハイブリッド預金は、そもそも住信SBIネット銀行の普通預金口座の預金金利0.001%の10倍である0.01%が設定されています。
そのSBIハイブリッド預金の預金金利を一気に100倍にしてしまおう、というのが今回のキャンペーンなのです。
0.01%の100倍ですから、1%。
利率が年1%の銀行預金です。
この低金利の時代に利率1%の銀行預金、とそれだけ聞くとなかなか良いように思えますよね?
ところが話はそう甘くないのです。
年利1%の期間が半年だったら、実際の年利は?
キャンペーン金利である年1%の対象期間を見ると、
2021年4月20日(火)~10月16日(土)
とあります。
これの何が問題か。
キャンペーン金利は、年1%です。
これは、1年間預金すると元本の1%の利息が受け取れるということ(税金はこの際度外視)。
例えば、100万円を1年預けたとして、1年間で1万円の利息。これが利率年1%の世界です。
しかしですね、キャンペーン金利の対象期間が4/20~10/16と約半年です。それが終われば通常金利の0.001%に戻ります。
つまり、利率年1%のキャンペーン特別金利だよと言ったって、その1%の期間はたった半年しか続かないのです。
そしてキャンペーン期間が終われば、ほぼゼロ金利に戻ります。
てことは、キャンペーンの期間をフルに活用したとしても実質的な年利は、0.5%が関の山なんですよ。だって、1%の金利が付くのは半年しかないから。
その0.5%もそこから税金が引かれてもう少し減ります。
つまりね、大したことがないんです。
預金の受取利息が100倍! とか言ったって、よく考えて見れば実に大したことがない。
小さな文字で上限1万円と書いてある、しょっぱさ
しかも、キャンペーン金利の期間が短いだけでなく、他にもこのSBIハイブリッド預金のキャンペーンはいくつもの問題を抱えていました。
まず、このキャンペーンによる特典金利には金額的な上限が設定されています。上限、1万円です。
例えば、300万円をキャンペーン期間中預金していたとしましょう。
300万円の1%が3万円で、キャンペーン期間が半年間だから、大体その半分の1万5000円。
この1万5000円がキャンペーンによる受取利息になるかと思いきや、そうはならずにここで上限1万円のルールが発動します。
その結果、5000円は切り捨てられて残りの1万円が金利として受け取れます。
つまり、どれだけ大きな金額を預けたとしても、このキャンペーンで受け取れる利息は1万円を超えることはないんですね。
しょっぱい。あまりにもしょっぱいぞ、住信SBIネット銀行!
裏を返せば、ネット銀行という商売もかなり薄利なことがうかがえます。
対象は新規口座開設者だけ。既存の利用者は完全無視
さらに、このキャンペーンの対象になれるのは、そもそもキャンペーンの期間中にSBI証券の証券口座を開設した人に限られます(SBIハイブリッド預金口座の開設には、SBI証券の証券口座開設が必須条件)。
新規の人だけなのです。
ぼくのように以前からSBI証券もSBIハイブリッド預金も利用していた既存のお客は、そもそも完全無視のキャンペーンだったのです。
完全無視かあ……。
既存のお客を完全無視した「600万口座到達キャンペーン」というのは、果たしてどうだろう?
キャンペーン中だけ高金利は銀行がよくやる手。気を付けよう
以上がSBIハイブリッド預金の金利100倍キャンペーンに対するぼくの憎まれ口ですが、実はこういうような「優遇金利」とかのキャンペーンを住信SBIネット銀行に限らず銀行はちょくちょく行います。
そういう場合、看板にはデカデカと「利率◯◯%!」とか「受取金利◯◯倍!」とかって派手な文言が踊っているんですが、ほぼ100%期間限定です。
半年とか、3ヶ月とか、その短い期間だけ利率が高いことがほぼ100%です。
で、計算してみるとほとんどやる意味ないですから。うま味はほぼゼロ。
利率300%! とか、受取金利5億倍! とかだったら期間限定でもかなりのリターンを見込めますが、それはしてくれない。
じゃあ、利率1%で無期限に利息を付けてくれよと思うけど、それをやると多分銀行は赤字になってしまうんですね。低金利時代には儲からない商売が銀行です。
上でも書いたように、銀行はこの手の利用者にとって無意味なキャンペーンを定期的に実施してきます。
年間の利回りと短期間の適用期間のマジックです。
よく目につく大きな数字、耳障りの良い文言にはよくよく気を付けましょう。
ネット証券王者の座は近々交代だろうな
まとめると、SBI証券の口座開設総数600万口座到達キャンペーンは、ショボい、となります。
なんか、あまりにショボくてしょっぱいなあ、というのがぼくがまず思ったことです。
それがなんか、残念。
ネット証券2位の楽天証券の口座数が、この間500万口座を突破したとかどこかで見た気がします。
あっちはなんか元気ですね。
ネット証券の王者と言えば間違いなくSBI証券。
だったのが、どうも風向きが変わりつつあるんじゃないのか。
そんな雰囲気を感じてしまいますねえ。今回のキャンペーンの無残さを見ると。
オザワークスでした。
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