オザワークスです。
One Tap BUY(ワンタップバイ)という名の証券会社をご存知ですか? 取引手数料が安いので少額からでも米国株に投資できる、ぼくもお気に入りの面白い証券会社です。
でも、最近思うんです。「取引手数料が安い」と評判のワンタップバイだけど、もしかしたらそもそも取引手数料なんて無いんじゃないのかって。
いや、突然の暴論ですみません。なんとなく、そういう見方も可能なのかなあ、って思ってしまったのです。
以下、ワンタップバイでの取引手数料が存在しない(かもしれない)理由を語ります。
もくじ
ワンタップバイの取引手数料まとめ
本題に入る前に、ワンタップバイの取引手数料がいくらくらいでどういう感じなのか少し説明します。
まず普通の、ワンタップバイ以外の証券会社の取引手数料は、買いたい株の代金をまず用意して、それプラス所定の取引手数料も必要ですよ、という感じです。これが普通です。
それがワンタップバイでは、投資家は市場価格よりもわずかに割高な株を買うことになります。リアルタイムの市場価格が1株100.00ドルの株だとすれば、ワンタップバイで買うなら100.50ドルになる、とか。
売る場合は、逆に市場価格よりも安い株価で売ることになります。そして、その市場価格との差額が、ワンタップバイでの投資における取引手数料なのです。
ああ、何度説明してもややこしい。
ワンタップバイの取引手数料は、取引する株の代金の0.5%が基本となっています。1株100.00ドルの株は100.50ドルで買うことになり、99.50ドルで売ることになります。
ワンタップバイに取引手数料に関しては、過去に記事を書いています。
ワンタップバイの取引手数料、公式ではこう言っている
ぼくはこれから、「ワンタップバイの取引手数料、実は存在しない説」を唱えるわけですが、当のワンタップバイ本人は取引手数料についてどう述べているのか、これを書かなければいけませんね。
ともにワンタップバイ公式サイトからの画像です。スプレッドというのは、取引価格の差のことです。
重要なのは、ワンタップ公式は取引手数料(コスト)がある、と言っていることです。ない、というのはどこにも書いてないですね。
ワンタップバイの取引手数料は存在しない説
ところが、ワンタップバイって取引手数料、実は無いんじゃないの? とぼくは思うわけです。
その理由は、ワンタップバイへの取引手数料の支払い方、つまりは、市場価格よりも割高な株を買う、または割安に売る、ことにあります。
ワンタップバイで株を買うと、例えば1株100.00ドルの株をちょっとお高めの100.50ドルとかで買うハメになるんですが、でもこれって考えようによっては、別に市場価格と変わらない値段で買っていると考えても無理はない気がするんですよね。
だって100.00ドルの株が100.50ドルに動くのなんて、1日のうちに何度も起こったりするでしょ? たった0.5%の変動幅だもの。
さっきまで100.00だった株をたまたま100.50で買っただけ、と考えれば、そんなことはワンタップバイ以外の証券会社でも普通に起こることですし、その程度のことに目くじらを立てる投資家なんて多くないと思います。ぼくは全然気にしない。
ワンタップバイでの割高な株価が100ドル⇒150ドルとかになっていたら、そりゃ論外ですけど、たかだか100.00ドルが100.50ドルでしょ? 1セントでも安く買わないと気がすまない、みたいな考えもわかりますけど、ぼくからしたら誤差の範囲です。
そう考えると、ワンタップバイには取引手数料が存在しない、という暴論もあながち暴論ではなくなってくるような気がしませんか?
すべては相対取引が原因
すべては、ワンタップバイの取引システムが相対取引(アイタイトリヒキ)で、ワンタップバイでの取引では株価が市場価格ではなく、それよりもわずかに割高な「ワンタップバイ価格」だからです。
そしてその割高である部分を取引手数料と呼んでいるからです。
でも、それって果たして本当に取引手数料なのか? ということをぼくは言いたいだけです。
ワンタップバイ以外の証券会社で、米国株取引をしたときにしっかり払って感じるあの「取引手数料感」みたいなものが、ワンタップバイではあまりにも希薄です。
配当狙いで株を保有すると、取引手数料は更に希薄に
取引の価格差、スプレッドを取引手数料と呼ぶとすれば、株を売らない配当狙いの投資では、取引手数料感はさらに希薄になります。
何故なら、株を割高に買わせて割安に売らせることでワンタップバイは利益を得ています。でも売ってくれないと、当然片手落ちです。そして、配当大好き投資家たちは、ちょっとやそっとでは売りません。
株を買うときは仕方なくちょっとだけ割高で買ったけど、売らないで配当をもらうだけであれば「割安にしか売れない」という事実も関係ない。よってワンタップバイの手数料収入は半分。涙目です。
ていうかそもそも、配当狙いで株を買うのであれば当然長期保有が前提ですから、株の買値はあまり気にしても仕方のない要素です。100.00ドルが100.50ドルになっても、何も変わらないに等しいです。
あれ!? 取引手数料どこ行った!? ってなりませんか?
同じ相対取引のCFDは取引手数料無料を謳う
まあ、ひとつの考え方、ということで。
本記事中は、ワンタップバイとそれ以外の普通の証券会社という言い方をして、ワンタップバイだけが特別変な証券会社であるかのように書いていますが、実はもう一つワンタップバイと同じように相対取引で米国株に投資できる証券会社があります。
GMOクリック証券のCFDがそれです。
世のCFDはそのほとんどが相対取引です。GMOクリック証券のCFDももちろんそうで、そして、取引手数料無料を高らかに謳っています。
ワンタップバイとGMOクリック証券のCFD。仕組みは共通点も多く、しかし一方は取引手数料があると自ら言い、もう一方は公式でも「無い!」と宣言されている。
GMOクリック証券のCFDの取引手数料が本当に無いのかどうか、いずれその辺もほじくり返してみたいと思います。
うーん、なんだか取引手数料とはそもそも何なのかというような哲学的な問いになってしまいそうだ。取引手数料のゲシュタルト崩壊が起こるのか否か。興味深い問題だなあ。
オザワークスでした。
CFDの取引手数料無料についても書きました。けれど、切込みが甘い。
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