オザワークスです。
PayPay証券でもできる米国株投資。PayPay証券で取り扱いのある米国個別株とETFの配当利回りランキング2020年7月号です。
先月(6月)ランキング圏外から急浮上した謎のETFが一人。配当利回り4%とあるが果たしてこやつの正体は……。
もくじ
PayPay証券で米国株、配当利回りランキング2020年7月
PayPay証券で投資できる米国個別株とETFを配当利回り順に並べました。利回り2%以下の銘柄は省略しています。
7月 | シンボル | 銘柄 | 7月 配当利回り |
6月 配当利回り |
1 | ARCC | エイリスキャピタル | 11.51% | 10.82% |
2 | MO | アルトリア・グループ | 8.15% | 8.59% |
3 | MAIN | メインストリート | 7.93% | 7.43% |
4 | XOM | エクソンモービル | 7.79% | 7.38% |
5 | T | AT&T | 6.87% | 6.82% |
6 | DOW | ダウ・ケミカル | 6.50% | 6.79% |
7 | XRX | ゼロックス | 5.93% | 5.82% |
8 | CVX | シェブロン | 5.64% | 5.59% |
9 | PFF | iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF | 5.57% | 5.27% |
10 | IBM | IBM | 5.17% | 5.35% |
11 | HYG | iシェアーズiBoxxドル建ハイイールド社債ETF | 5.05% | 5.23% |
12 | ABBV | アッヴィ | 4.84% | 5.10% |
13 | OIH | ヴァンエックベクトル石油サービス | 4.43% | 0.51% |
14 | VZ | ベライゾン・コミュニケーションズ | 4.40% | 4.35% |
15 | EMB | iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETF | 4.25% | 4.59% |
16 | PFE | ファイザー | 4.14% | 4.50% |
17 | HPQ | HP | 4.03% | 4.33% |
18 | MMM | スリーエム | 3.72% | 3.80% |
19 | JPM | JPモルガン・チェース | 3.62% | 3.60% |
20 | KO | コカコーラ | 3.47% | 3.60% |
21 | EWZ | iシェアーズMSCIブラジルETF | 3.15% | 3.97% |
22 | MRK | メルク | 3.09% | 3.20% |
23 | CSCO | シスコシステムズ | 3.06% | 3.20% |
24 | PEP | ペプシコ | 3.04% | 3.17% |
25 | CAT | キャタピラー | 3.03% | 3.35% |
25 | USIG | iシェアーズブロード米ドル建投資適格社債ETF | 3.03% | 3.00% |
27 | BMY | ブリストル・マイヤーズ・スクイブ | 3.01% | 3.20% |
27 | RTX | レイセオン・テクノロジーズ | 3.01% | 2.91% |
29 | TRV | トラベラーズ | 2.82% | 3.00% |
30 | JNJ | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 2.69% | 2.84% |
31 | MCD | マクドナルド | 2.59% | 2.64% |
32 | FXI | iシェアーズ 中国大型株ETF | 2.58% | 2.96% |
33 | PG | P&G | 2.52% | 2.74% |
34 | GS | ゴールドマン・サックス | 2.35% | 2.48% |
35 | HD | ホームデポ | 2.28% | 2.47% |
36 | INTC | インテル | 2.17% | 2.22% |
36 | SBUX | スターバックス | 2.17% | 2.15% |
38 | MDLZ | モンデリーズ・インターナショナル | 2.10% | 2.25% |
39 | EEM | iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF | 2.04% | 2.44% |
SPY | SPDR S&P500 ETF | 1.76% | 1.90% | |
QQQ | インベスコQQQ信託シリーズ1 | 0.61% | 0.69% |
米国株は、ザ・堅調
2020年の6月から7月にかけて米国株の株価は概ね横ばいということで、配当利回りのほうも全体的には大きな変化はありません。
ダウ平均は2万7000ドルを目指すんだけど、押し戻されの繰り返しですね。ハイテク株は伸びています。多分今後も伸びるでしょう。
米国株に関しては、安くなるのを待って~というのは悪手ですので、今後とも地道にコツコツ投資していきましょう。
もう何度も言っていますけど、オススメはETFの【SPY】SPDR S&P500ETFと【QQQ】インベスコQQQ信託シリーズ1です。
個別株は難しいので投資しないほうが賢明です。
SPYとQQQで米国全体に満遍なく投資して、配当金をちょこちょこもらいつつ、資産の増大を目指しましょう。
【OIH】ヴァンエックベクトル石油サービスの利回りが1ヶ月で9倍に
さて、ここから今回の本題です。
7月の配当利回りランキングで13位、配当利回り4.43%の【OIH】ヴァンエックベクトル石油サービスというETFがあります。ランキングの表では黄色く強調してあります。
このETF(以下、OIH)、6月の配当利回りはわずか0.51%でした。もちろんランキング圏外です。
それが7月には配当利回り4.43%。OIHに一体何が起こったのでしょうか?
そもそもOIHはどんなETFなのか?
何がOIHの配当利回りを押し上げたのか?
OIHは投資すべきETFなのでしょうか?
このあたりを考えます。
OIHは石油関連企業に投資するETF
【OIH】ヴァンエックベクトル石油サービスは一部の石油関連企業に投資するETFです。
一部の石油関連企業であって、【XOM】エクソン・モービルとかのいわゆるど真ん中石油会社には投資していません。
イメージとしては、そういった石油会社の周辺で活動する関連企業への投資、という感じです。
ETFに組み込まれた企業の上位3社は、
- 【SLB】シュルンベルジェ
- 【HAL】ハリバートン
- 【BKR】ベイカー・ヒューズ
となっており、まさにそんな感じです。
業種としては、エネルギーが100%です。
配当利回りが1ヶ月で9倍になった理由がわからない
OIHの配当ですが、年1回、毎年12月の末に配当金を支払っているようです。
で、6月の配当利回りが0.51%で7月にそれが4.43%と9倍近くまで跳ね上がっている理由ですが……
残念ですが、わかりません。
配当利回りは、支払われる配当額と株価によって算出されます。ここ1ヶ月にそのどちらかにでも大幅な変動があれば納得できるのですが、特にそういうわけでもない感じです。
OIHの6か月チャート
あと考えられるのは、OIHが2020年の4月頃に株式の併合を行っていることです。これが影響した可能性はあります。
でもまあよくわからんです。
OIHに投資する必要はなし
では配当利回り4.43%のOIHは買いか?
率直に言えば、止めとけ、となります。
まず、セクター(業種)に問題があります。石油関連企業100%というのはちょっと、いや、大分偏りがある。しかも、大石油会社は除いてです。
石油もいいときはいいんだけど、原油価格は平気で暴落します。
米国経済が好調だとしても、石油関連ETFは原油価格に忠実に上下します。
米国経済、あるいは世界経済全体のようにじわじわ着実に伸びていくような気配が、原油にはない。
配当回数が年1回や年2回の銘柄の配当利回りは信用ならない
次にOIHの配当金ですけれど、年1回……ぼくは好きじゃないですね。年1回とか年2回とかの配当回数は。
年1回、2回配当の銘柄の配当利回りは、あまり信用しないほうがいいとぼくは思っています。
この配当利回りランキングをぼくは楽天証券が提示する配当利回りを利用して作成しています。
そういう証券会社で表示される配当利回りでも、配当回数が年1回や2回の銘柄は、理由不明の変なブレを起こすことが多い印象です。
やっぱり配当回数が4回以上の銘柄と比べて配当支払いのデータが単純に少ないのが原因でしょうか。こちらもよくわかりません。
なので、年1回の銘柄で利回り4.43%と言われても、へ~ホントに? とまず疑ってしまいます。
今投資しても初めての配当金が半年後ですからね。答え合わせを半年待たされるのは正直キツイ。
それよりかは3ヶ月ごとにコンスタントに安定して入金してくれた方がいいですね。
理論的ではなく、どうにもぼく個人の印象の話ですみませんね。
そもそもすべての配当利回りが「水物」説
もうちょっと言わせて。
じゃあ、配当回数が年4回以上あれば安心かと言えば、実はそれもまた違うんです。
証券会社や投資の情報サイトなどに張り出されている配当利回りという数字のすべてが、所詮は水物だとぼくは思っています。
例えるなら、ろうそくの揺らめく小さな炎みたいなものです。
じっと見ていると、ゆらゆらと炎はそのときどきで色々な形に変化します。
配当額、株価、他のコーポレートアクション、配当利回りは様々な要因で日々変化しています。
配当情報の更新が遅れていて利回りが実態とズレていたり、ホントに理由もわからず単なるバグみたいなこともある。
その揺らめく配当利回りという数字をじっと見ていてぼくはあるとき思いました。
こんなものに血眼になっても馬鹿みたいじゃないか、と。
そんな幻のような数字を自分の投資の中心に置くことは、よした方が良いと思います。
配当金なんて、適当にある程度出ていればいい。
ろうそくの炎は、消えてさえいなければそれでいいのです。
よって、OIHの炎はフッと吹き消して、エネルギー産業を含む米国全体に投資できるSPYとQQQに火をともしましょう。
それこそが永遠に消えないろうそくです。
オザワークスでした。
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