オザワークスです。
米国株のカテゴリーの中でADRっちゅうもんがあります。
アタシ、ダッテ、リカクシタイ!
の略ではありません。
American Depositary Receipt、日本語で言うと「米国預託証券」のことです。
簡単に言えば、米国外の企業がお手軽に米国市場に上場する「簡易上場」みたいなものです。
このADR銘柄に我ら米国株投資家は投資すべきかどうか。
まあ、ぼくの答えは「その必要はない」なんですけどね。
その理由を2つほど挙げています。
もくじ
ADRのADR手数料がズレてめんどくさい問題
10月15日、マネックス証券の取引履歴を見てビックリしました。
英国のオイルメージャーの一角【BP】BPのADR手数料だけがババン! と引かれていたのです。
通常、ADR銘柄のADR手数料が口座から引かれるのは、ADR銘柄から配当金が入金するのと同時です。
BPの直近の配当入金は、さかのぼること9月30日。
なんと、配当入金から半月もずれ込んでから、忘れたころにADR手数料だけひょいと抜き取られたのでした。
こんなことは初めてです。
ぼくの配当計算では、ADRの配当金からADR手数料を引いた額を真の配当額として扱っているので、こんなに遅れて手数料だけ抜かれるのは計算のやり直しになるので非常に困るのです!
是非やめていただきたい!
ADRとは? 米国外企業のお手軽米国上場
はい、では説明編に移ります。
まず、「ADR」がわかんない人? 手挙げて。
ADRとは、米国籍でない企業が米国の株式市場で取引を可能にするための形態の1つです。
米国外の企業もニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQのような米国市場に普通に上場することは可能です。
ただ、結構コストがかかる。
そこで、預託銀行というものを通して「疑似的」に、そして「お手軽」に米国市場へと参入した銘柄が、ADRなのです。
ADR手数料とは、預託銀行に支払う手間賃のことです。
ADRについての詳しい説明は、こちら↓の記事にて。
経済最強は米国。ADRは米国外企業。キミは何故「最強」に投資しない?
皆さんの知りたいところを語りましょう。
ズバリ、ADRへの投資ってどうなのか?
ぼくの個人的な意見ですけど、別にADRの銘柄に投資する必要はないと思います。
理由は主に2つ。
まず、ADRは米国「外」の銘柄です。米国の外です。
でも世界最強の経済国は米国です。米国籍の企業たちが偉大なる米国経済を支えています。
何でわざわざ、世界で一番経済の強い国を避けて投資するのでしょうか?
ADRへ投資するとはそういうことです。
わざわざADRなんぞに投資しなくても、世界最強の米国株で十分。
ダウ平均にも、S&P500にも、ADRは1銘柄たりとも入っておらず、100%米国籍企業です。
入れる必要がないからです。(ナスダック100には多少ADRが入っている)
それでもどうしても欧州株に投資したいとかであれば、ADRを直接的に買いに行くよりも例えば【VGK】バンガード・FTSE・ヨーロッパETFなどのETFが良いでしょう。
ADR企業、気分次第でADRを辞めてしまうのでは?
理由その2。
上で説明したように、ADRはあくまで「疑似的」に「お手軽」に米国市場になんちゃって上場したような存在です。
もし、米国外の企業が本気で「米国市場、占めたるわ!」と思っているのだとすれば、コストをかけてでも普通に米国市場に上場するはず。
そうではなく、低コストでお手軽なADRを選ぶということは、奴らは所詮本気じゃないんです。
だから、ADRはちょっと何かあれば、やーめた! 米国市場やーめた! がありえます。
そうなると、そのやーめたADRに投資してしまった投資家は困ってしまうわけですよ。
えらい迷惑です。
実際、何年か前、英国のBTという電話会社がADRから撤退していたはずです。やーめちゃったんですね。
1つの企業が何故2つのADRを上場する? 警戒せよ!
現在でも、危険と思われるADRはいくつかあります。
例えば、オーストラリアの世界的資源採掘会社である、
- 【BHP】BHPグループ
- 【BBL】BHPグループ
それから、英国とオランダに拠点を持つ生活用品メーカー、
- 【UL】ユニリーバ・ピーエルシー
- 【UN】ユニリーバN.V.
などは、1つの会社が米国市場に2つのADRで上場しているわけで、意味がよくわかりません。
とても合理性があるとは思えない。どちらかに統合、みたいなイベントが近い将来に待っているかもしれませんね。
まあ、この2社は共に二元上場会社なので、その辺の関係もあるかもわかりませんけども。
いつもの結論
こんな具合でどうもADRには不安定さを感じる次第ですので、わざわざ投資する必要はないとぼくは思います。
よくわからないあやふやなものには近づかない。
やっぱり安定安泰のS&P500ETFが一番だっちゃ。
結局いつもの結論にたどり着くオザワークスでした。
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