オザワークスです。
ぼくは一般NISAを使って投資しています。NISAで投資する理由は、売却益や配当金が非課税になる、からではありません。
その辺の詳しい理由は、「デキる投資家はNISAをこう使う。非課税だから投資するなんて時代遅れ」に詳しく書きましたのでそちらをご参照を。
税金の優遇措置があるからと言って興味もない投資信託を買おうとしているそこのアナタ!
その投資を実行に移すかどうか、もう一度考えたほうがいいかもしれませんよ。
今回は、一般NISAやつみたてNISA、それからiDeCo(イデコ)などの「ちょっと特殊な税制度を持ったフクザツな投資サービス」とどう付き合うべきかについて語ります。
もくじ
税金優遇の投資制度には是非がある
一般NISAやつみたてNISA、あるいはイデコなど、税金面で優遇があったり投資先を限定される制度を「投資につまらぬ小細工は要らない」と否定的に捉える投資家が一定程度存在します。
ぼくもその気持ち、実はわかります。
「やりたい投資があって制度がある」のではなく、「制度があって、その制度に自分の投資を合わせる」のは間違っている、とする考え方ですね。
投資家にはそれぞれ性格やキャラクターがあって、それにフィットする投資しか継続できない、とするぼくの考えともある程度重なります。
妥当な考え方だと思います。
まず制度ありき、で投資をしてしまった悲劇。最近起こったその実例をご紹介しましょう。
楽天証券のつみたてNISAで起きた悲劇
つみたてNISAでの話なんですが、楽天証券でつみたてNISAをする場合に楽天銀行を絡めて投資信託の買い付けを行うと、なんと楽天ポイントが異様にザクザクもらえてしまう仕様だったようです。
ようです、というのはぼく自身はつみたてNISAをやっていませんし、そのサービスも仕組みの抜け穴をついた裏ワザ的なものだったようで、6月末で廃止(改悪?)されます。
つまり、もう楽天ポイントザクザクはできません。
もう少しその裏ワザのやり方を詳しく見てみましょう。
楽天証券のつみたてNISAで投資信託を買い付けるのですが、毎日買い付ける設定にして、15種類の投資信託を積み立てるようにします。
1回の買い付けにつき楽天ポイントを3ポイント得られるので、1日45ポイント。毎営業日に買い付けて、1ヶ月で900ポイント。1年では1万ポイントを超えますね。
1回の買い付けは100円から設定できるので、1ヶ月に積み立てる金額は3万円ほど。1年で36万円。
36万円で10800円分の楽天ポイントをゲットできるわけですから、還元率は驚異の3%となります。
まさにポイントザクザク。
でも、6月末で終わりです。制度が変わり7月以降に得られるポイントは、なんと100分の1にまで減少するようです。もう意味がないですね。
個人投資家に不必要な15種類もの投資信託
このお話のポイントは、あ、いや、楽天ポイントではなくて、話の要点は、楽天ポイントを最大限に得るためには15種類もの投資信託を買い付けなければいけない、という点です。
ぼくは投資信託のことはよく知りません。
しかし、個人投資家が15種類もの投資信託を積み立てなければならない理由は、楽天ポイント的にはあっても、まっとうな投資的にはないんじゃないかと思うわけです。
いや、ぼくのように保有100銘柄目指すぞ、とか言ってるアホならともかく、普通の、一般の個人投資家には、15種類の投資信託は数が多すぎる気がします。
つまり、別に要らないもの、投資しなくても良い投資信託を、15種類必要という楽天ポイント的な理由から手を付けてしまっている。
そのことに問題があると思います。
投資制度に振り回された末路
楽天証券のつみたてNISAで15種類の投資信託を積み立てれば楽天ポイントザクザク、という制度があり、ポイントを得るために欲しくもない投資信託を積み立てた結果……。
制度改悪。
手元に残ったのは、別に興味もない投資信託だけ……。
制度の細かい良し悪しに入り込み、制度に振り回されて投資をした結果です。
このような「制度の罠」とでも言うような事案は、今回の楽天証券のことだけではなく、NISAやイデコ等の界隈では比較的よく目にするものです。
証券会社も、ここぞとばかりにやれ「NISA口座ならETFの取引手数料が無料!」とかなんとか制度に制度を付け加えてきます。
なんかそう言われると、NISAで投資しないといけないような気分になってくるんですよね。
これが危ない。
だから、こういう投資家を惑わせるつまらない制度なんてそもそも要らないんだよ! と言いたくなる中堅投資家の気持ちもわかります。ぼくもある程度は理解します。
ただ、まるっきりそっぽを向いてしまうのは、それはそれでまたもったいないことだという意見があることもわかります。実際に税金面や取引手数料等で有利な制度なわけですからね。
どちらが正しいのかわからない。そういうときは原点に立ち返りましょう。
投資する目的は常に意識しよう
自分が何のために投資をしているのか。そして、その目的を達するためにはどのように投資するのが適切なのか。これはいつでも考えましょう。
例えばぼくなら、投資する目的は配当金をより多くもらうためです。単純です。
そのためには、なるべく減配しなさそうで、かつなるべく毎年増配してくれそうで、かつなるべく高い配当利回りの銘柄に長期投資する、となります。
受け取る配当金が減るリスクをさらに減らすため分散投資をする、も付け加えましょう。
以上が「自分好みの投資」であり、この「自分好みの投資」を出来るか否かが、制度を使うかどうかに直結します。
自分の投資に合う制度だけを使えば良い
新しい投資のサービスは、毎年生まれては廃れていきます。そのたびに付き合っていたのでは、投資家の懐が保ちません。
新しいサービス、気になる制度があったらば、まず頭の中で「自分好みの投資」とその気になる制度を重ね合わせてみる。
ピタリとそれが合えば、実際にやってみる価値もあるでしょう。
合わなければ、遠ざけておくのが無難です。
はっきり言ってしまうと、自分の好みに合わない投資は続きません。自分に嘘を付いているので、株価の下落等の苦しい局面には特に弱いです。投資を辞めてしまいます。
特別な制度ではない特定口座ですらそうなので、投資法が限定されたりする特殊な制度下ではその傾向がより強まります。
投資は続けてナンボです。いくら良い制度があっても、それが自分に合わなければ価値はありません。
制度に振り回されないように。制度に使われないように。
賢く自分に合うものだけをチョイスして、便利に使ってくださいね。
オザワークスでした。
追記。その「自分好みの投資」ってのがわかんねーんだよ! って人は、とりあえず勉強だと思って手当たり次第にやってみてください。
そのうちに、見えてくるようになります。投資家としての自分というものが。
これは自分で経験して見つける他ありません。
あなたがどんな投資家なのかは、ぼくが教えたり決めたりはできないのです。
では。
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