オザワークスです。
GMOクリック証券のCFDで米国株に投資しています。なかなか難しいっす。
で、最近ちょっと思ったのが、CFDのロスカットレートってどこまで下げることができるのでしょうか。または、上げたらどこまで上げられるものなのでしょうか。
それを今回、色々試してみます。
もくじ
まず基本、ロスカットとロスカットレートって?
CFDで株を買うと、買った株には必ずロスカットレートというものが設定されます。
ロスカットレートとは、ロスカットが実行される株価のことです。現在の株価がこれから下がっていったとして、ロスカットレートまで下がってしまうと株の強制的な売却、すなわちロスカットが実行されます。
もっとずっと株を長く保有したくても、ロスカットされてしまえばそれも終わりです。
ロスカットとロスカットレートについてはこちらの記事をご覧あれ。
ロスカットレートをむっちゃ下げたらどうなる?
一度株を買ったら後はのんべんだらりと配当金をもらい続けるんだ、という投資をしたいなら、保有する株がロスカットされるような事態は避けたいものです。
しかし、ロスカットレートはCFDであれば必ず設定されてしまうものです。逃れられない運命です。
ただし、ロスカットレートは投資家がある程度自由に操作することが可能です。
だったら、ロスカットレートを極限まで下げてしまえば、もしかしたらロスカットされることなんて実質的になくなるのではないか?
例えば、1株10ドルの株があるとして、その株のロスカットレートを0.1ドルに設定するとか。
10ドル⇒0.1ドルまで株価が落ちることは、もちろん可能性としてはあり得る話なんですが、そうそう起こることはないレベルの超暴落です。
そこまでやれば、もはや強制ロスカットの心配はないと考えていいでしょう。あるとすればその銘柄の倒産です。
でも、果たしてそんなことが可能なのか。実験してみます。
石油銘柄【HAL】ハリバートンを使って検証してみる
ここに一つの銘柄があります。
【HAL】ハリバートンという米国の石油関連の会社です。
ぼくは、これを書いている2020年4月の時点でハリバートンを1株だけCFDで買って保有しています。今回はこのハリバートンを使って色々検証してみましょう。
現在のハリバートンの状態はこんな感じ。
説明すると、ハリバートン1株を$7.74で買い、現在の株価が$7.84となっています。
ロスカットレートは右横の「2.00」という数字で、$2.00でロスカットされる設定です。
現在$7.84の株価が$2.00まで下落すると強制的に売却される状態で、かなりロスカットレートまで距離のある安全な状態です。この状態でもそう簡単にロスカットは起こりません。
が、現在$2.00のロスカットレートをもっと下げていくと、果たしてどうなるのか、またどこまで下げることが可能なのか、自分でもどうなるかわからないので非常に楽しみです。
ロスカットレートを下げてみる
では、まずロスカットレートを下げてみましょう。
保有するCFDのロスカットレートを下げるには、CFD口座に買い付け余力がないとそれができません。
この状態。CFDの買い付け余力は株価の変動によって変化しますが、余力がプラスであることがまず第一条件です。
続いてハリバートンのロスカットレート変更画面に向かうと、こうなっています。
ロスカットレートが$2.00になっていますね。これを下げていきます。
まず、半分の$1.00にしてみましょう。目標とするロスカットレートを入力してやると証券会社のほうで勝手に色々計算をしてくれて、変更したらこうなるよ、という結果を見せてくれます。
ロスカットレートを$2.00から$1.00に変更すると、取引余力が7632円から7531円に減ります。
ロスカットレートを下げてロスカットされにくくすると、その分取引余力のお金が減ります。なので、余力がプラスでないとロスカットレートを下げられないのです。マイナスだと、この操作自体ができません。
もっともっと下げてみ……ようとしたけれど?
もっと下げてみましょう。今度は、ロスカットレートを$1.00から$0.50へ。これでさらにさらにロスカットされなくなります。
がしかし、ロスカットレートを$0.50にすることはできませんでした。
画像の赤い文字列に注目。「拘束証拠金が約定金額(833円)を超えています。」と注意書きがあります。
これは一体なんでしょう?
ちょいムズ、必要証拠金・任意証拠金・拘束証拠金の話
CFDは証拠金取引ですので、実は絶対にレバレッジを使って取引しています。レバレッジ1倍ちょっきりということはあり得ません。
今回のハリバートンを例に取ると、ハリバートン1株が833円。これが約定金額です。
このハリバートン1株をCFDで買うのに最低限必要な証拠金「必要証拠金」が168円。これがCFD外国株のフルレバレッジ5倍で買える金額です。
その必要証拠金にプラスして任意で「任意証拠金」を加えることによって、レバレッジは最大の5倍から下がっていきます。と同時にそれは、ロスカットレートを下げることでもあります。
必要証拠金と任意証拠金を足したのが「拘束証拠金」で、これが証券会社に差し出している証拠金の総額になります。
上の画像で言うと、ロスカットレートが$2.00のとき、必要証拠金と任意証拠金を足した拘束証拠金が712円。
ハリバートン1株が833円ですから、833円の株を712円で買ったことになります。レバレッジは1.16倍。
そこからロスカットレートをさらに下げていくということは、任意証拠金を増やしていく、ということになります。
ロスカットレートを一定以上下げられない理由
実際には成立しないのでここからは計算上の話になりますが、ロスカットレートを$2.00から$0.50に下げるなら、恐らく任意証拠金が150円ほど増えることになります。
そうすると、任意証拠金が694円となって、必要証拠金の168円を足して拘束証拠金が862円になります。
思い出してください。ハリバートン1株は833円でした。ロスカットレートを$0.50まで下げた場合、833円の株を買うのに862円証券会社に支払っていることになります。
もう一度言います。833円の株を買うのに862円払っている。
これ、なんか変じゃないですか?
だって、CFDではなく現物株でハリバートンを買う場合、取引手数料は抜きにして833円の株は833円で買えるんですよ。
それがレバレッジ1倍の世界。
ところが、ロスカットレートを下げまくったCFDだとレバレッジは0.96倍。1倍以下になってしまいます。
CFDのうま味というのは、用意した資金でそれ以上の額の取引を行えるところにあります。
レバレッジ1倍か1倍以下の取引をするなら意味ないよ。それだったら現物株を買ったほうがいいよ。
ロスカットレートを$0.50に下げようとしたときに現れる注意書き「拘束証拠金が約定金額(833円)を超えています。」には、証券会社のそんな気持ちが込められています。
ロスカットレートの下限は安全地帯
ちょっと難しかったかしら。
理屈はともかく、いくら取引余力に余裕があったとしても、ロスカットレートを下げられる下限が存在するということです。どれほど下げてもゼロにはできません。
まあ、実際の投資の場面では、そこまでして下げる必要もないと思いますけどね。今回ハリバートンのロスカットレートを下げていって、設定できる最低が$0.82でした。これでもはっきり言って下げ過ぎです。
これがロスカットされる可能性は……ほぼない。
反対にロスカットレートを限界まで上げてみたら?
では反対にロスカットレートを極限まで上げていくとどうなるでしょう?
これは簡単で、任意証拠金がゼロに近づいていき、必要証拠金と拘束証拠金がイコールになる高レバレッジの世界の出来上がりです。
もっとも引き上げた場合のロスカットレートは$6.99。レバレッジは5倍弱です。833円の株を168円で買えている計算になります。
ただし、現在の株価$7.84が$6.99まで下がれば即ロスカットですから、下手をすれば一晩でいかれる可能性もあり得ます。難しいところです。
新たな疑問、ロスカットレート下限で配当金が入るとどうなる?
と、いうわけで、今回はハリバートンを使ってロスカットレートの下限と上限を調べてみました。
上限は比較的わかりやすいですが、下限も意外ととことん下げられるわけではないんですね。
限界がある、と。
しかしここでもう一つ新たな疑問が。
配当金のことです。
CFDで配当金をもらうと、もらった配当金の額だけロスカットレートが下がります。これはつまり、配当金が任意証拠金に加算されているということ。
でも、ロスカットレートを下げられるのには限界があり、増やせる任意証拠金の額にもまた限界がある。
レバレッジ1倍の壁です。
もしもロスカットレートを限界まで下げた銘柄に配当金が入金したら……一体どうなってしまうのでしょう?
うーん、恐らくロスカットレートはそれ以上は下がらずに(システム上、下げられずに)、入った配当金が直接買い付け余力のほうへ反映される?
いや、わかりません。また機会があったら調査してみたいと思います。
というわけで、今回はこの辺で終わります。
では最後に宣伝。わたくしオザワークスも使っているGMOクリック証券のCFDの米国株投資。
技良し、キレ良し、取引手数料もなし!
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オザワークスでした。
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