オザワークスです。
投資用語解説。今回は、時価総額です。
よく聞く単語、時価総額って何だろう?
それと関連して、米国の新興自動車メーカー【TSLA】テスラが日本のトヨタ自動車を時価総額で超えました。こちらについても解説します。
時価総額とは?
時価総額は、ある企業が発行した株式すべてを集めて足した金額のことです。
企業は株式を発行して、その株式は市場で売買されます。
株式についている値段が株価で、株価はそのときどきで額を変動させます。
その企業の株をすべて買い占めることができたとしましょう。
株価 × その企業がこれまで発行したすべての株数 = 時価総額になります。
読んで字のごとく、時価の総額なんですね。
時価総額は、企業規模を測る物差しの一つ
ではこの時価総額というものにどんな意味があるのか。
時価総額は、企業の規模を測る物差しの一つとして使われます。
時価総額の巨額な企業は、大企業というわけです。
ただし、あくまで時価総額は企業の規模を測る物差しの一つというだけです。
企業規模を見るには、他にも売上高や総資産や従業員の人数などからでも企業規模がわかります。色々と物差しの種類があるのです。
株価を含むので時価総額は大きく動く
時価総額は、それを計算する上で株価というものを組み込む必要があります。
この株価というものは、建前上はその企業の価値を表したものです。
が、皆さんご存じのように株価というものは毎日上がったり下がったりします。
1日のうちで10%も上がったり20%も下がったりすることもある株価。
実際の企業の価値が、そんな1日のうちで10%も20%も変化しているはずがありません。
株価は確かに企業価値を表してはいますが、それと同等かそれ以上に投資家たちの期待や不安やその他様々な思いを受け止めて、今の株価があるのです。
そうやってブレてしまう株価というものを組み込んだ時価総額が、企業の規模を本当に表しているのかどうか、といういい例題があります。
トヨタ自動車 vs 【TSLA】テスラ、時価総額勝負!
日本で一番時価総額の大きい企業は何でしょう?
トヨタ自動車です。
トヨタを知らない人は、いませんね?
トヨタ自動車の時価総額は、約23兆円。途方もない金額です。途方もない規模の自動車会社です。
これもわかりますね? 街を歩いてトヨタ車を見ない日はありません。それくらい売れている自動車会社です。ぼくはスバル乗りですが。
所変わって米国に、【TSLA】テスラという名前の自動車会社があります。
聞いたことありますか、テスラ?
米国株投資家には結構有名な銘柄かもしれませんが、テスラなんて聞いたこともない人だってまだまだたくさんいるでしょう。
自動車メーカーのテスラを知っていても、実際のテスラ製の自動車を直に見たことのある人は、かなり少ないはずです。ぼくも一度もないです。フェラーリより見ないです。
そんなテスラですけど、実は時価総額ではあのトヨタ自動車を軽く抜き去っています。
テスラの時価総額は、約3800億ドル。
1ドル=100円で見たとしても、約38兆円になります。
あの、日本一の時価総額を誇るトヨタ自動車の軽く1.5倍です。
でも、日本でテスラの車なんてほとんど見ることはできません。
ああ、じゃあ、本国の米国ではテスラ車がジャンジャン走っているんだね?
いいえ、全然走っていません。逆にトヨタ車は米国でもジャカジャカ走っています。
トヨタの自動車の年間生産台数は、約1000万台。世界でも有数です。
対してテスラは、年間約50万台程度の生産台数です。トヨタどころかスバルの半分程度でしかありません。
企業の規模なんて、トヨタのほうが桁違いに大きいに決まっているんです。
でも、時価総額で見ればテスラはトヨタの1.5倍。
これ何で?
株価は投資家のドリームを織り込む
ここが株価の面白いところで、株価というものは企業の価値、それも未来の企業の価値を織り込みます。
テスラは、電気自動車専門の自動車会社です。エンジンというものを一切作っていません。
これからは電気自動車、いえ、EVの時代だと言われています。近く、エンジン車が姿を消すとも。
そこで、このテスラの登場です。
今はまだ知名度も低いテスラですが、いずれトヨタをも超える自動車企業に成長すると世界中の投資家が期待しています。
世界中の投資他たちが今のうちにテスラを買っておこうとこぞって投資するため、テスラの株価は急上昇。
ついには時価総額であのトヨタを超えてしまいました。
でも、2020年現在でも実際の企業規模、事業規模で言えばテスラがトヨタ自動車を上回る点は一つもありません。
このように投資家たちのドリームが、非常に大きく作用するのが時価総額の特徴です。
面白いもんですね。
以上で、時価総額の解説を終わります。
オザワークスでした。
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