オザワークスです。
前回の記事、楽天ポイントの利息の話を書いていてふと思いました。
もしも銀行預金が元本保証でなくなったら一体どうなってしまうのだろう? って。
今回は、銀行預金が元本保証を辞めてしまった世界のお話。
前回の記事。楽天ポイントを預けて利息が付く。
もくじ
楽天ポイント利息サービスはまるで銀行預金
前回の記事、楽天ポイントを楽天に預けるとポイントの利息が付くサービスが登場は、まるで楽天がポイントを使って銀行のようなことを始めたことを書いた記事でした。
楽天のポイント利息サービスは、利用者が預けたポイントは元本保証の上毎月利息が付くそうです。
なんか銀行預金みたいですね。
銀行預金も1000万円までは元本が保証されています。
でもそもそもどうして銀行預金は元本が保証されているのでしょう?
銀行預金が元本保証じゃないと色々不便だ
ぼくは専門家じゃないので正解を知っているわけじゃないですが、銀行が預金額を保証している理由は、やっぱり元本が変動してしまうとお金の置き場所として不便すぎるからなんじゃないでしょうか。
100万円を銀行に預けていても日によって90万円になったり110万円になったりしては、支払い等々色々と面倒なことが増えそうです。ていうか困る。
銀行預金をただの金庫と考えれば、入れた物をちゃんと入れたまま保存しておいてくれるから役に立っているんですね。
銀行のもう1つの役割
しかし一方で、銀行は預かったお金を貸したり投資したりで運用するという役割もあります。
というかそれをしないとお金をただ預かるだけでは利益を生むわけでもなく、会社として立ちゆきません。
銀行預金にわずかばかりですが利息が付くのも、預かったお金を運用して利益を出しているからです。
このように、銀行には金庫の側面と投資をする側面、主に2つの役割があることがわかります。
金庫と投資の矛盾
でもこれって結構矛盾していませんか?
だって、我々投資家は知っていますけど、株に投資したら元本は毎日変わりますよね。株価動きますから。
そしてそのことに対して特に驚くこともない。まあ上がったり下がったりするよねって。
反面、銀行預金の元本は保証しなくちゃいけない。日々上下があっちゃいけないんですよ。
これってきつくないですか?
矛盾してますよね?
実際、銀行もこれがきついんですよ。
銀行の運用は失敗できない
銀行は、預金者から預かったお金を人や企業に貸したり投資したりするのが仕事です。
でも失敗できないんですよ。
何故なら、銀行預金が元本保証だから。
我々個人投資家だったら、投資で失敗してもまあこういうこともあるよねで済みますけれど、銀行の場合は貸したお金が帰ってこなかったり投資で失敗した、では済まされません。
法律で預金を守らないといけないから。
そんなわけで、銀行の運用はめちゃくちゃ堅くなります。とにかく失敗しないように損をしないようにとならざるを得ないんです。
銀行からお金を借りるとき、とにかく担保、担保、担保でしょう。
あれも、失敗できないからなんですよ。もしも貸したお金が返ってこないようなことがあれば、保証しなきゃいけない預金に穴が開きます。
銀行の運用は手堅い(いや、「旧い」か?)。そして手堅い運用というものは、儲からないものなんです。
銀行は、預金の元本保証があるから儲からない運用しかできないんです。
銀行預金が元本保証を辞めたら投資信託になる?
じゃあ、そんなメンドクサイ元本保証なんて辞めちゃえば?
辞めたらどうなるんでしょう?
まず預金額が変化しますね、日々。
銀行の運用が上手くいっていれば我々の預金額は増えて、運用で下手をこくと預金額が減ります。
利息もそう。運用が上手くいけば増える。失敗するとゼロが下手すりゃマイナス。
これ良く似ているものがあります。いわゆる投資信託ですね。
銀行預金の元本保証がなくなると、体感的には銀行預金という名の投資信託に近くなるのではないでしょうか。
我々は、銀行にお金を渡して銀行がそれをある程度自由に運用するカタチ。
元本保証の檻から解き放たれた銀行は自由だ
元本保証の撤廃は、銀行の経営には良い影響をもたらすと思います。
今はとにかく失敗しないことを最優先にした運用をしているため、同時に儲けがあまりにも少ない。
それでも利息はゼロにできないし、優秀な銀行員の皆さんにも高い給料を支払わなきゃいけない。
これでは銀行はきついですよ。
それでも世の中が好景気に沸いていればお金が回りますから、勝手にいくらでも儲かりますが、残念ながらそういうわけでもない。
バブル崩壊以降失われた30年が40年になりそうな雰囲気を岸田政権からビシビシ感じますし、少子高齢化、日本の貧困化、地方の衰退。いいことは何もない。
特に地方の衰退はひどくて、地方銀行のほとんどはこのままでは潰れますね。
それもこれも元本保証のせいでリスクを取った運用と企業経営ができないからです。
だったら辞めりゃーいーじゃんて話。
銀行が銀行を辞めた結果、新たなタイプの銀行が生まれる
でも預けたお金がコロコロ毎日金額変わる銀行預金なんてそれはそれで困りますよね?
日常的な決済を行うにあたって不便で仕方がない。
そこで!
我がオザワークス銀行の立ち上げですよ。
我が銀行は預金に利息は付かないが、元本保証。
国債を中心とした手堅い運用と徹底したコストカットによってお客様の預金を守ります。
なんと社員はワタクシたった1人!
実店舗ナシ、すべてネット上で決済する完全なるネットバンクです。紙代やインク代も一切なし!
これでぼくの銀行に資金が一気にガーッ! 集まりますよ。あとはそれを手堅く運用するだけ。
やっぱし資本主義はサイコーだね!
というような感じで、仮に現在の銀行が元本保証を辞めるのであれば、それに代わる新たなサービスが必ず現れることでしょう。
お金を儲けられそうな新しい商売があれば誰かがそれをやる。
資本主義のいいところですね。
ただ資本主義は欲望全開の主義ですから、それにそのまま任せていては社会は維持できません。
なので、何らかの規制をかけるわけです。
しかし1つ規制を作るとその規制をすり抜けたまた新たな商売が誕生する。
そうやって世の中進歩して回っているわけなんですな。
では、今回はここまで。
オザワークスでした。
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