オザワークスです。
スペインの銀行【SAN】サンタンデール銀行が、配当の支払い回数を年4回から年2回へと変更しました。
それだけならなんてことない話なんですが、あろうことかサンタンデールは配当回数の変更に合わせて配当の額自体も減らしてきたのです。しかも黙って。
これをぼくは「サイレント減配」と名付けました。このサイレント減配が昨今横行しているようなので、皆さんどうかお気を付けを。
もくじ
スペインの大銀行、【SAN】サンタンデール銀行
スペインの銀行に【SAN】サンタンデール銀行というのがあります。これがまた大きい銀行で、スペインのみならずヨーロッパ中にその根っこを張り巡らせています。
サンタンデールの配当支払い月は長らく、2月、5月、8月、11月でした。それを2019年後半から、5月と11月の年2回に変更するという運びになりました。
ふむ、そうか。ぼくとしては年4回払いのほうが好きなのですが、本人が2回にしたいというのなら仕方がないか。ぼくはそう思っていました。
そして実際11月になってサンタンデールの配当金が入金すると、事件が起こりました。
1株当たりの配当額が減っている
配当金が妙に少ない……。
配当の支払い回数だけを変えるなら、2回だろうが4回だろうが年額は一緒です。一緒のはずです。一緒でなければいけません。
それが、妙に額が少ない。
調べてみると、1株当たりの配当額が、5月にもらった分では$0.04だったのに、11月分は$0.06と……増えている?
いやいや、8月は配当をもらっていないんで11月は2回分の額がなけりゃおかしいんです。明らかに減っています。
サンタンデールは、配当の回数は減らさせてくださいとは言いましたが、配当の額を減らすとは一言も言っていません。
これは一体どういうことなんだい、サンちゃん?
静かに減配するから「サイレント減配」
配当の回数を減らすと言いつつ、裏でこっそり配当の額も減らしてしまう。最近こういう手口が増えています。
名前を付けるなら、「サイレント減配」ですね。
「減配しまーす!」「わたし配当を減らしますよー!」と大きな声で宣言するのはやっぱり気が引けますからね。気持ちはわかるよ。
でもね、投資家に黙って隠れて減配してしまうのはどうだろう?
情熱のスパニッシュとしてそれはちょっと陰湿なんじゃない?
スペイン人なら、サングリア片手に「減配オ、レッ!」ぐらい言ってほしいよね?
いや、明るく言ったって怒るもんは怒るんだけど。
むしろ、ふざけんなって怒るけど。
なんか、配当回数の変更にかこつけて、みたいなのが萎えるんだよなあ。
2016年、カナダでもサイレント減配事件が起きていた
3年前にもあったんですよ「サイレント減配」。
カナダの金採掘会社の【GG】ゴールドコープというのがありましてね当時。
そこは個別株には大変珍しい毎月配当だったんですよ。それを毎月はめんどくさいから3か月ごとの四半期配当に変えたいんですよ、と言うわけです。
ふーん、別にいいよ、と思って見ていたら、毎月配当のときと1株当たりの配当額は変わらないと言いだしましてね。それで、えっ、となりました。
つまり、毎月300円のお小遣いをくれてたのを3か月ごとに300円にするってわけです。
それは単純に減配じゃねーかよ!
ぼくは机をバンバン叩きましたよ、そのときも。でも、当のゴールドコープは「知りませ~ん」とそっぽを向いています。
これがコイツらのやり口です。その後ゴールドコープは同業の【NEM】ニューモント・マイニングという会社に買収され、今では【NEM】ニューモント・ゴールドコープと名乗っています。
ぼくの投資ルールでは、本当ならこの【NEM】ニューモント・ゴールドコープを買い増ししなけりゃいかんのですけど、なかなかその気になれないのはやっぱりあのサイレント減配事件があるからですね。
新手の減配の手口「サイレント減配」に気を付けよう
皆さんも、配当の回数を変えたいのですけどぉ、という銘柄にはどうぞ気を付けてください。そのときはしおらしい態度であっても、裏ではついでに配当額も減らそうと考えているかもしれません。
関わらないのが吉、です。
このオザワークス、絶対に減配するな、とは言いません。長い人生、調子の悪いときもあるでしょう。配当を減らさざるを得ないこともある。
ただ、サイレントはいけない。隠れて黙って、そういう減配はダメよ。
男なら頭を丸めて「減配します!」と相手の目を見てはっきり言いましょう。
そういう態度なら、まあ、許……さないんだなあ、これが!
結局許さないオザワークスでした。
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