労働者を守る? 資本主義の世の中で理想だけではやっていけない左翼的組織の現実

オザワークスです。

たまには投資にあまり関係ないことを。

ぼくの勤める生活協同組合(コープ)は、労働者を大事にすることを標榜する左翼的な組織なのですが、資本主義のこの世の中で所詮それは理想にすぎません。

理想と現実がねじれているコープの実態をぼくがお話ししましょう。

世の中というのは、どのみち力とお金が支配する世界なのですな。

生活協同組合(コープ)は株式会社じゃない

ぼくは現在仕事を2つやっておりまして、その内の1つがまあ、言ってしまえば生活協同組合(コープ)なんです。

コープが何かってことを説明するのは面倒なんですが、株主の利益を最大化することを目的とした株式会社とは違い、非営利で利用者(顧客)の利益を最大化することを目的とした組織、でしょうか。

簡単に言うと、儲けを求めない代わりに商品やサービスの価格を下げて利用しやすくした、消費者に寄り添った団体かな。

まあ、わかる人はわかるでしょうけど、左翼的な団体ですよ。資本主義の逆を行くっていうね。

そんなコープへアルバイトとしてもう8年も務めているぼくです。

株式会社じゃないから、利益を求めない

そんなコープに勤めていて面白いのが、コープみたいな左翼的な組織の自己矛盾を見つけたときです。

コープは利益を求めないんです。

株式会社みたいに利益至上主義になると、働く人の給料を削ってまで利益を出して株主へ還元するようになる。

それは労働者に対する搾取だ!

これがコープの論理です。

まあ一理あるっちゃあ一理あるんですよ。ブラック企業の問題とかね。労働者と雇用主や資本家との関係が一方的になりやすいという欠点が、資本主義には確かにあります。

なので、反資本主義的なコープは、基本的にはホワイトな職場です。ヌルイっす。

それから、利益を出すことを放棄する代わりに利用者のためにその分価格を抑える、というコープの理念はそれ自体は間違っているとは思わないし、そういう考えの人や組織が世の中にあっても全然構わないとぼくは思う。

資本主義の世界で利益を求めない姿勢が成立するのか

だけど、その素晴らしいコープの理念をどうやって実現するのか。そこにすごい矛盾がある。

コープの理念は素晴らしいんだけど、残念ながらこの社会は資本主義という腐った仕組みで動いています。

資本主義の世の中では、儲からないビジネスは基本的に存在できません。

だから、どんな会社も儲けを出すために必死になってがんばるわけです。それこそ従業員の給料を削ってでもね。

でも、そんな世の中でコープは利益を求めないことを掲げているわけです。

ここからしてすでにおかしい。

それでも今までコープが潰れることもなくやってこられたのは、それなりのカラクリがあるからなんです。

協力会社は地獄。完全なるブラック

コープには、いくつもの協力会社があります。

例えば、コープの商品の配達を請け負う会社とか。下請けですね。

配達の人もコープの制服を着ていたりしますが、別の会社の人間だったりします。

協力会社の配達ドライバーたちの勤務姿を見ていると、鬼気迫るものがあります。

山ほどの商品ととてつもない数の配達先を抱えて、朝から晩まで彼らの毎日は戦争のようです。

仕事はかなりきついのでしょう。3カ月持てばまだ良いほうで、1ヶ月と持たずに次々辞めていきます。

そして給料は低い。

完全なるブラック。

そうです。コープの協力会社は、利益を追求する株式会社なんです。

コープ本体はぬるま湯。完全なるホワイト

対して、協力会社ではなくコープ本体に雇われているアルバイトのぼくは、完全なるホワイトです。

ぼくは配達用のトラックへの商品積み込みの手伝いをしています。

これが、楽です。

単純に1人当たりの仕事量が少ないのですね。

まあ、時給も低いのですが、気楽に勤めています。

ぼくだけでなく、他のコープの正規雇用の方たちも何となくみんなのどかで楽し気です。

さすが、労働者の味方コープさんですね。

企業努力を協力会社に肩代わりさせているだけだった

お気楽なコープ本体に雇われている人と脂汗まで絞り取られている協力会社の人。

両者が同じ職場で仕事をしている光景は、考えさせられるものがあります。

おそらく、コープが協力会社へ仕事を委託するその単価はかなり絞ったものなのでしょう。

協力会社は、その絞られた単価の中でさらに利益を出すためにギュウギュウにコストカットをしています。

これが、コープが崇高な理念を掲げながら資本主義の世の中で潰れない理由です。

つまり、コープには労働者をいじめないという崇高な理念があるため、きついコストカットはできません。

けれどそれでは、資本主義の世の中で同業他社に対して競争力がまるっきり働かずに潰れてしまいます。

だから、協力会社という便利なものを使ってその会社に資本主義の汚いことを全部代わりにやってもらう。

結果、コープは理念を曲げずにホワイトのまま。やったぜ!

これです。

世の中いろんな組織がある。おもしれえや

でもこれって、無茶苦茶な矛盾を抱えていますよね。

コープの理念? 笑っちゃいますよ。

でもこれが左翼的な組織コープの資本主義での現実なのです。

左翼的な思想がただのお花畑というのは言うまでもないことだけど、いや~、面白いっすね。

理想と現実のそりが合わずに悲鳴にも似た軋みを上げているんだけど、とりあえずそれはないことになっているという。

いや~、世の中って面白いですね。

似たようなケース他にもたくさんあるのでしょうね。

まあ、ぼくはそんなコープをも利用して米国株投資でお金持ちになって見せるぜ!

資本主義は食うか食われるかだ!

オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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ABOUT US
オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。