オザワークスです。
債券タイプのETFを保有していると、配当入金の際に支払った外国税の一部が勝手に還付される現象が発生します。
その現象の原因等のまとめです。
毎年ある小銭の還付
債券タイプのETF特有の現象として、配当入金の際米国で取られてしまう外国税の一部が時間をおいて自動的に還付される、というものがあります。
債券ETFを保有していて、なんかわけわからんタイミングでわけわからん剣幕で小銭が入金しまくることありませんか? あれがそれです。
こういうやつ。
原因は米国の税制
この外国税の還付現象は、米国の税制に原因があります。
米国では、利息・金利に対する課税はしないという決まりがあります。
日本で言うと、銀行預金で利息をいくらもらってもそこには税金が発生しないのです。当然、日本では課税されています。
ではなんで米国は、利息・金利に課税をしないのか?
それは、海外から米国に対しての投資を呼び込むためです。課税されませんからお得ですよ~ってね。
一方で債券ETFの中には、米国内での金利収入が配当金の一部になっているものがあります。
そこに利息・金利に対しては課税しないという決まりを重ねると、配当金の一部からは税金は取れないという具合になってくるのです。
ですが、ETFから株主に配当金が支払われたとき、外国税はすでに取られてしまっています。
なので、後々から支払われた配当金のうちのどのくらいの割合が金利によるもので、そこから発生したであろう税金がいくらなのかを計算して、もうすでに取ってしまった税金を返還しているのです。
税金の徴収と返還にタイムラグがあるのですね。
還付されるのは米国で発行された債券ETFだけ
これが外国税の返還現象の仕組みですが、いくつか注意点があります。
まず、この現象が起こるETFは、基本的には債券タイプのETFです。債券が組み込まれているETFですね。
中身が株式タイプのETFにこの現象は起こりません。
ただし、【PFF】iシェアーズ米国優先株式&インカム証券ETFのように、面と向かって債券タイプと名乗っていないのにこの現象が起こるETFもあります。
だから債券ぽいETFも含まれます。
そして、債券ETFでも米国内で発行された債券が含まれていないと返還現象の対象にはなりません。米国での金利収入が非課税になるわけですから。
これは、債券が米ドル建てかどうかではありません。たとえ米ドル建てであろうと米国外で発行された債券に関しては返還現象は起こりません。
例えば、【EMB】iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETFなどは米ドル建ての債券の集合体ですが、エマージングマーケットつまり新興国で発行された債券であるため税金の還付はありません。
還付されるのは支払った外国税の一部だけ
次に還付される税金ですが、上でもちょっと書きましたけど、ETFの配当金に対する外国税(米国は税率10%)のすべてが還付されるわけではありません。
株主に支払われた債券ETFの配当金の「一部」が金利収入によるものであり、その「一部」に対してだけ課税が免除されるということです。
その「一部」がどの程度の割合の「一部」であるのかを後から計算して、そして還付しているのです。
その「一部」の計算方法や計算結果?
そんなの知らん。
一般の投資家が知り得る情報じゃないです、それ。
ただ、還付された金額を見るに、まあ、少ないですね。
債券ETFを1億円分とか持っていたら還付金もそれなりの金額になるでしょうけど。
証券会社によって対応が全然違う
最後に、この税金還付の手順というかやり方は証券会社によって結構違います。
ぼくは現在のところ、マネックス証券、SBI証券、そしてPayPay証券で債券ETFを所有しています。
SBI証券とPayPay証券では、ETFから配当金が出たらまずそれは普通に入金されます。
その翌年、前年入金した配当金に関わる外国税の一部還付を行います。
時期としては、春から秋にかけて。債券ETFは毎月配当が多いですから、その時期に12回分の税金還付がダダダーっと行われます。ムッチャうざいです。
マネックス証券では、対象の債券ETFから配当金が出るたびに税金の還付も同時に行われます。
ただし、例の税金の計算には時間がかかるらしく、通常であれば米国現地での配当入金から2日程度の遅れであった日本での配当入金が、10日ほど遅れるようになっています。
このように、外国税の還付作業は証券会社によって対応方法から大きく違います。
あってもなくてもあまり関係ない現象だった
はい、外国税の一部還付についてつらつら書いてきましたが、まあ、結論から言うと特にあってもなくてもという程度のことです。
この還付が投資の成績に何か影響を与えるとかそういうことはまずありません。
金額が少ないですからね。
還付してくれるというなら勝手にやらせておきましょう。
というか、まず債券タイプのETFを保有する必要がまったくありません。
株価が全然上がりませんからね。
保有するならナヨナヨしたもやしっ子債券ETFよりも筋肉ムキムキの米国株式ETFで決まりですよ。
オザワークスでした。
コメントを残す