オザワークスです。
いよいよ米国が利上げを発表しましたね。
その発表の何日か前から為替は1ドル=118円と6年振りの円安ドル高水準に達しています。
どうして米国が利上げすると円安ドル高になったり株価が下がったりするのでしょう?
円安ドル高で米国株投資家は泣き笑い
2022年3月17日現在、米ドル=日本円の為替相場は1ドル=118円76銭となっており、約6年ぶりの円安ドル高水準となっています。
ドル=円の10年チャート
この円安への流れで輸入物価の上昇など、我々日本国民の生活にも影響が出てくるでしょう。
加えて一時よりは落ち着いたと言えど、原油価格もまだまだ高い。
米国株投資家目線では、円安ドル高になることによって日本円表記での自資産が増加する反面、日本円で給料をもらって米ドル建ての資産を買うことへの逆風でもあるので泣き笑いです。
円安ドル高の理由は、米国の利上げ
そんな、今回の円安ドル高になる理由って何でしょう?
答えは、米国の利上げです。
米国の中央銀行は3月16日、約2年間続けたゼロ金利政策を変更して政策金利を0.25%引き上げることを発表しました。
政策金利というのは、政府が下々の金融機関に対して「お金を貸し出すときはこの金利を目安にしなさいよ」という一種のモデルとなる金利です(すこぶる乱暴な説明)。
なので、政策金利が引き上げられると各地の銀行などから融資を受ける際の金利なども一様に引き上げられます。
では利上げするとどうして円安ドル高になるの?
では、政策金利の引き上げ=利上げが行われると何故為替相場が動くのでしょうか?
それは、利上げされると銀行預金の利息も利率が上がるからです。
今回利上げをしたのが米国で、それに対して日本は金融政策を特に何も変えていません。
日本の銀行預金ってほとんど利息が付きませんよね。
それは、日本が低金利政策を取っているためです。
対して、米国は今回利上げをしたので、米ドルの預金につく利息は利率が上がります。
日本円で持っていてもほぼ利息は付かず、だけど米ドルなら利息が付く。
だから、世の中の人たちが持っている日本円を売って米ドルに換えるから、円安ドル高になるのです。
たったこれだけの理由です。
簡単でしょ?
利上げすると株も下がるのどうして?
また、3月16日の米国の中央銀行の発表では、2022年中にさらに7回もの利上げを予定しているとありました。
7回も。
かなり急いだ利上げのスピードです。
それを見てぼくは、ああ米国株がまた下がりそうだ、と思いました。
何故、利上げされると株価が下がるのでしょうか?
これも、為替と同じ理由です。
一部の投資家は、米国株の成長に期待しているものの、株価が日々上がったり下がったりすることに不安を感じています。
特に、下がるのが嫌。
でも今回米国が利上げしたことによって、米ドル預金の利息が上がりました。
だったら、下がる可能性のある米国株なんて売って、米ドルの預金を増やして高い利息を安全に受け取りたい。
そういう投資家が一部いるのです。
だから、利上げすると株が売られて株価が下がるのです。
結局は銀行預金の利息がポイントなんですね。
投資家たちにイベント化される利上げ
これが、利上げによって巻き起こる為替の動きと株価の動きのカラクリです。
加えて、取引環境の発達した現代では、「利上げした通貨は値上がりする」「利上げすると株価は下がる」ことが投資家の間でもはや常識になりました。
当局から利上げの発表が出された瞬間から世界中の投資家が、きっと「利上げした通貨は値上がりする」「利上げすると株価は下がる」からと即時に膨大な取引を行います。
それによって、政策金利の変更幅は0.25%と大きくないのにそれ以上に片方の通貨が異様に売られたり、株がとんでもなく下がったりします。
政策金利の変更は実体経済への政府の介入なのですが、その実体経済への影響が出始める前に投資家が、というかトレーダーが、先回りして取引することによって金融方面への影響が無茶苦茶に出る。
利上げの影響が経済に出て、その経済を見て株価が動くのではなく、利上げしたから株価は下がるものなんだという投資界隈の常識がまずあって、それに従って投資家たちが株を売る。
だからほんの少しの利上げでも余計に株が下がる。
これもまた、情報技術の発達した現代金融の風景だと思います。
まあ、最後ちょっと難しい話になりましたが、利上げと為替と株価の関係は、実は米ドル預金の利息の変化によるものだったというお話でした。
オザワークスでした。
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