オザワークスです。
最近競馬にハマっているので、ふと思い立って競馬の税制を調べてみました。
そしたら競馬の税金て結構ひどいの。
投資のほうが圧倒的に税金に関しては整備されていて効率的ですね。
もくじ
競馬は儲かるとエグイ
最近競馬にハマっています。
競馬って実はギャンブルで、当たるととんでもない儲かり方をしたりします。
例えばついこの間行われたG1レースのチャンピオンズカップなどは、レースの1位、2位、3位をすべて当てる3連単という馬券の買い方で当たった場合のオッズが526倍でした。
100円賭けて当たると、5万2600円になって返ってくるということです(馬券は最低100円から買えます)。
1000円賭けていたら52万6000円、もしも1万円それに賭けていたら、一瞬で526万円ですよ。エグくないですか?
まあ当たればの話で、それがなかなか当たらんのですがね。
しかし儲かるときはエグイほど儲かるのが競馬です。
ふと、競馬で儲かった場合の税金ってどうなっているのだろうと思って調べてみました。
競馬の利益は一時所得
馬券が当たった場合の所得は、一時所得という種類の所得になります。宝くじなんかと一緒ですね。
あくまで定期的ではない、継続的ではない、一時的な所得なんですね。
この一時所得は、年間50万円までは課税されず、確定申告も必要ありません。
つまり、50万円までの利益は知らんぷりしててもいいってことです。
ぼくは調べるまで「雑所得」だと思っていたので、これは勉強になりました。
注意! 外れ馬券が経費にならない
ただし注意が必要なのが、その一時所得の計算方法です。
普通の感覚だと、例えば年間100万円分の馬券を買って、当たったり外れたりしながらそこから180万円分の当たり馬券が出て、差し引き80万円の利益。だから課税対象となる一時所得は80万円になる。
と思うでしょ?
それが違うんです。
1年間トータルの損益を計算した上で残った利益(80万円)に課税とかではなくて、的中させた金額の合計180万円から的中した馬券の購入金額のみを差し引いた額が課税対象となります。
つまり、外れ馬券を計算に組み込めないんです。
外れ馬券が経費にならない。
そういう税制になっています。
競馬で儲けてないのに税金発生?
すると面白いことに1年間トータルで競馬で損をしていても納税の義務が発生してしまう場合もあります。
年間100万円分の馬券を買って、1年間で80万円分的中させた。
普通の感覚だとトータルで20万円の損をしたなあって感じなんですが、外れ馬券が経費にならないため、当たった80万円に税金が発生します。
損してるのに税金を払わなければいけなくなるのです。
納得できないんですが、そういうルールになっています。
競馬の税金の計算方法
ちなみに、一時所得の税金の計算方法は以下の通りです。
(課税所得金額 x 税率 - 控除額) x 1.021(復興特別所得税)=所得税額
ですから一概に競馬の利益の何%を税金で持って行かれる、ということは言えません。
ただまあ、どれほど総所得額が大きい人でも半分以上を税金で取られるということはありません。
競馬の「事業化」の高いハードル
上で書いたように外れ馬券が経費にならないため、実質的には損をしているのに税金を支払わなければならなくなることに対して「それはおかしい!」と裁判になった例もあります。
いくつかの事例で訴えが認められ、損しているのに税金、が回避される場合もありました。
その場合とは、競馬を「事業」として高頻度で継続的に行っている場合です。
例えば、毎回毎レース、必ず同じ賭け方で誰がどう見ても競馬を事業として行っていると判断されれば、一時所得ではなく雑所得として利益と損失を計上できるようになります。
たまに趣味で馬券を買っているだけではダメなのです。
それが確固たるビジネスだと税務署に認められる必要があります(証明する必要がある)。
これがハードル高いですね。普通の人は難しいでしょう。
投資と競馬、優れているのは投資の税金
さて、実はここからが本題です。
ぼくは米国株投資家です。
その投資家の目線で「競馬の税金」と「投資の税金」を比べてみるとどうなのか。
結論から言いましょう。
競馬よりも投資のほうがすごく税金的には楽ですね。税率的にも優遇されていますし、税制の整備もきちっとなされています。
投資の税率は、誰でも一律20%
ご存じの通り、投資でも利益が出るとその利益に対して税金が課せられます。
税率は一律に約20%です。所得が多い人も少ない人も誰でも20%で同じです。給与所得などとは別計算で行われる「申告分離課税」だからです。
投資の税金は、他と一緒にせずに投資の税金だけで計算をするのです。
しかも、税金の計算や納税まで自動で行ってくれる特定口座などの便利なツールもあって、投資に関しては税金のわずらわしさはほとんどありません。
損益の通算が可能
そして投資では、損益の通算というものができます。
これも簡単で、その年の投資の利益と損失を合算して、それでも利益が残った場合にのみ残った利益に対して課税されるというものです。
年間トータルの投資で損をしていたら、その年は税金はないのです。
しかも、ある年の損失を最長3年先の利益と合算して税金を減らすことまでできます。
この損益通算も当年に関しては特定口座が自動的にやってくれます。
競馬の税制は原始時代か?
対して競馬のほうは、競馬の利益が給与所得などと合わせて計算されるため、儲かれば儲かるほど税率も上がっていきます。
加えて、どれだけ馬券を外したとしてもそれが経費になりません。
年間で1000万円馬券を買って500万円しか当たっていないとしても、その当たった500万円に税金が発生してしまいます。
投資における損益通算という概念は競馬ではないのです。
さらに、それら利益や税金の計算はすべて自分でやらなければいけません。
投資における特定口座のような便利なものは競馬にはないのです。
不便で、不親切で、不平等で、不条理な仕組みだと思ってしまいますね。投資を知っている身からすると。
投資の税制整備が進んだ理由
以上のように投資と競馬を比べると、こと税金に関しては投資のほうが圧倒的に効率的で、また損益通算も含めて税率の面でも有利だとぼくは思いました。
だから競馬なんか辞めて投資しろよと言いたいわけではないんですけど、ちょっとこの差には言葉を失います。
多分その原因は、投資をする人間のほうが競馬をする人間よりもお金をいっぱい持っていて、故に世の中に対する影響力が大きいからでしょうね。
だから、投資をよりやりやすいように色々な仕組みや税制などもよく整備されているのですね。
税制改革で競馬はもっと魅力的になる
でも個人的な意見を言わせてもらえれば、競馬だってやっている人はかなり多いんだから、いい加減にちゃんとした競馬を含む賭博関連税制を整えてもらいたいと思う。
こんなにひどいと思わなかった。
現状だと抜け道も色々あるし、とにかくやりにくい。
もっときちんとした仕組みを作ってあげれば、税収の面でも増えると思うし、また競馬を気軽に楽しみやすくなるから競馬人口も今より増えると思う。
是非そこは改善してほしい。
ていうか議員仕事しろよ。
以上、とにかく競馬場へ行ってみたいオザワークスでした。
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