株価が生まれた日。株取引の発生と進化の歴史

オザワークスです。

株式投資の歴史は最初、配当金目的で始まりました。

株とは保有するものであり、取引するものではなかったのです。

取引しないから株の値段(株価)も存在しないし、取引所も当然ありません。

投資家の誰もが株価を気にする現在とはだいぶ趣が異なります。

ではどうして株価というものが生まれ、配当金より株取引がむしろ株式投資のメインイメージを獲得するまでになったのでしょうか?

今回はそこを考えていきます。

世界で初めての株取引

今から100年も200年も昔、株は買ったら配当金をもらいながらずっと持っているのが当たり前でした。

投資家は気に入った会社に投資する。会社は株主に利益の一部を配当金として半永久的に支払い続ける。

これが当時の株式投資でした。

そんな時代、ある投資家が友人の投資家に自分の持っている株を買わないか? と持ち掛けます。これが株取引の始まりです。

話を持ち掛けた投資家は、きっと急に要り様にでもなったのでしょう。とにかく現金が必要なので、きっとお酒の席かなんかで友人の投資家に話を持ち掛けてみたのでした。

もちろんこの時代はまだ誰も株の売買なんてやっていません。取引所なんてありません。

株価が生まれた日。それは人類が株取引で儲けることを覚えた日

面白いのは、株取引を持ち掛けた投資家が、元々は1000円で買った株を1500円で買わないか? と友人に持ち掛けたことです。

もちろん友人をだますようなつもりはありません。額面1000円で会社から直接買ったその株は、事業も手堅く、配当金も良く支払ってくれました。

投資家はむしろ「1000円じゃ安すぎる」と考えて1500円の値段で友人に相談してみたのでした。

友人は友人で何か良い投資先はないものかと探していたのでその話に乗り、1500円で投資家から株を買うことにしました。商談成立です。

こうして世界で初めての投資家同士の株取引が行われました。と、同時に、額面の1000円で買った株に1500円という株価が付いた最初でもありました。

最初に話を持ち掛けた投資家は目的の現金を手に入れて喜びました。が、それとは別に、「1000円で買った株が1500円で売れたぞ」と今までにない感覚を覚えたに違いありません。

株を売買することで儲けることの発見です。

活発化する株取引

株取引は儲かる!

その後、保有株を投資家同士で直接的に売り買いする事例は増えていきました。需要と供給があったのです。

投資家たちは夜な夜な酒場に集っては、株談義と取引に花を咲かせたことでしょう。

やがて株取引を行う投資家が増えてくると、誰がどの株を売りたいのか、目的の株をいくらなら買えそうなのか、そういった取引の情報が多様になりすぎて、投資家たちが把握しきれなくなっていきます。

株取引で儲けるための要は情報です。他の投資家は知らない情報を自分は握っている。その状況を投資家は作る必要がありました。

そこで登場したのが、投資家の代わりに取引の情報を集めてまとめる情報屋です。株の情報は彼らに聞けばいい。情報屋が大活躍します。

さらに時代が進むと、情報屋が投資家から株や代金を預かって、取引までを代行するようになります。ブローカーですね。

投資ブローカーの登場で株取引はますます活発になっていきました。

進化する株取引。取引所の登場

投資ブローカーは上手い仕組みでしたが、そのブローカーも何十人、何百人と増えてくると、株取引のマッチングが上手くいかなくなっていきます。

マッチングとは、株を売りたい投資家と株を買いたい投資家を引き合わせることです。同じ会社の株でも、いくらで何株売りたいか、買いたいかはそれぞれの投資家で違います。

条件の合う投資家同士をマッチングさせるには、取引に参加している投資家の条件を多く把握している必要があります。

個々のブローカーが把握できる条件には限界があります。株取引のマーケットがそこまで大きくなっていたということです。

そこで考え出されたのが、株取引の情報を一か所に集めよう、というアイディアです。誰がどの株を取引したいのかを1つの場所に全部集約して、マッチングを一斉に行う。

それまでブローカーが投資家の間を飛び回っていましたが、それをまず1つの場所にまとめたのです。

これがのちに証券取引所となり、株取引はその場所で主に行われるようになります。

ブローカーは投資家から取引の注文を預かってそれを取引所まで運ぶ役割になりました。のちの証券会社です。

株取引はインターネットの時代へ

その後も、法整備なども並行して進められながら、株取引はより効率的に進歩していきます。

特に情報通信技術の発達と株取引の効率化、合理化は大いにリンクしています。

手紙で株取引の注文を出していたのが、電信になり、電話になり、より多くの情報が集められ、整理されるようになっていきました。

極めつけはインターネットの登場です。

インターネットによって、世界中の株式が世界中の投資家たちによって瞬時に取引できる環境が整いました。しかも、わずかな取引手数料で、です。

現在、1日に何億回という株取引が全世界で行われています。

より早く、より効率的に株取引を行う。それはとにもかくにも儲けるためです。そのための情報もまたすさまじい勢いで世界中を駆け巡ります。すべては他人よりも儲けるためです。

スピードと効率を求めて進化した株式投資

世界で初めて「株価」が生まれたのは、ひとりの投資家の気まぐれからでしたが、株取引は儲かる、という事実が投資家たちを熱狂させ、株取引を進化させていきました。

スピードと効率。株取引で求められるそれは配当金が一番苦手とする要素です。株式投資が「配当金」から始まり「株価」へと傾いていった背景には、そういった事情があったのです。

さて、ここまでまるで見てきたように説明してきましたが、この記事に書かれている株取引の歴史は、すべてぼくの想像の産物です。

何一つ調べて書いていません! 多分こういう風だったんじゃないのかなあ、と想像しているだけです。

以上、想像だけは一人前のオザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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ABOUT US
オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。