オザワークスです。
「無配転落」という言葉があります。それまで株主に配当金を支払っていた企業が、その支払いを止めることです。
配当を出さない状態に、転落したのです。
では、その無配状態からの配当復活はあるのでしょうか? あるとしたらそれはいつ?
無配転落した銘柄のその後を考えてみました。
利益がなければ配当は支払えない
企業は株主に対して定期的に配当金を支払うものですが、それができるのも企業が儲かっているから。
もしも儲からなくなったら?
普通は配当金を減らし(減配)、もっと儲からなくなったら配当金の支払いそのものを止めます(無配転落)。
利益があるからこそ、配当金を支払えるのですね。
しかし、幾千万の企業がある中で儲からなくなる企業など星の数ほどあり、無配になる企業もたくさんあります。
無配転落となると株主は落胆し、株価もガタ落ち。いいことなしです。
何十年と配当金を支払い続けていた企業が無配に転落したときなどは、それ自体がニュースになるほどです。
さてでは、そうやって無配に転落してしまった企業のその後を皆さんは気にしたことがありますか?
無配になった企業の配当金はその後、どうなってるの?
オザワークスの無配転落履歴
自慢にもなりゃしませんが、ぼくは何十銘柄と米国株を保有していて、ほとんど毎年のように無配転落を食らっています。
2020年などは新型コロナの影響で特にひどく、何社もの配当金が飛びました。南無。
無配に転落した銘柄を列挙してみましょう。
シンボル | 銘柄 | 無配転落の時期 |
SDRL | シードリル | 2014年12月 |
MAT | マテル | 2017年12月 |
VAL | ヴァラリス | 2019年6月 |
SSL | サソール | 2019年9月 |
HSBC | HSBCホールディングス | 2020年4月 |
SAN | バンコ・サンタンデール | 2020年5月 |
KSS | コールズ | 2020年6月 |
GM | ゼネラル・モーターズ | 2020年6月 |
NOV | ナショナル・オイルウェル・バーコ | 2020年6月 |
TPR | タペストリー | 2020年7月 |
F | フォード・モーター | 2020年7月 |
LVS | ラスベガス・サンズ | 2020年7月 |
ていうか、意外と毎年食らっていなかった。ほとんど2020年だけじゃん。
ま、とにかく無配転落をたくさん食らっているわけです。
企業は必ず「配当を一時停止する」と言う 一時停止?
米国企業が無配を決定してそれを発表する場合、決まった言い方があります。
「残念ながら、配当をsuspendedすることになりました、ごめんね」こんな感じです。
さて、このsuspendedとは何でしょう?
suspendedとは、「一時停止」の意味です。
米国企業は、配当の支払いをやめるとき、一時的に停止すると必ず言います。
一時停止。
一回止めよう。
なら、そのうちまた配当を再開するのかな。
一時停止という言葉にはなんだかそんなニュアンスがあるような気がします。
が、それは株主の側の甘~い願望であると言わざるを得ません。
無配になった企業の復活は難しい
無配に転落した企業は、そう簡単に配当を再開できるとは思わないほうが良いでしょう。
というのも、上で書いたように儲からないから配当を出せないのです。
儲からない事業を何とか工夫して儲かるようにするのはとても大変です。時間もかかる。
それプラス、特に米国企業はがんばって配当を出してしまう傾向があります。
ちょっと事業の雲行きが怪しいけれど、がんばってがんばって配当金はしっかり支払う。
けれど事業はだんだん傾いてきて……。
ある日、バタリと倒れてしまう。唐突な無配転落です。
このパターンの場合、直前まで無理して配当を出していましたから企業の体力も残り少なく、未来の配当再開に向けての企業の再建も、より時間が必要になります。
つまり、配当を一時停止せざるを得ない段階で既に結構追い込まれている場合が多く、そこからの復活は難しいのです。
無配転落銘柄からは一度離れたほうが良い
はっきり言いますと、いつ復活してくるかどうかもわからない無配転落銘柄をいつまでも大事に持っていても時間の無駄でしょう。
とっとと売り払って他の銘柄に乗り換えるべきですね。ぼくはそうしています。
ぼくの保有していたおもちゃメーカーの【MAT】マテルは、2017年に無配転落してからずっと3年経った今でも配当は一時停止状態のままです。
一時、停止? って感じです。
2020年は新型コロナで様々な企業が無配に追い込まれました。
12月に入ってもコロナウイルスはまだ世界中で猛威を振るっています。
世界経済が元通りになるのはまだ先の話でしょう。
2020年に無配転落した企業の苦境もまだ当分は続きそうです。
投資家の皆さんに置かれましてはそれぞれ愛着のある銘柄などもありましょうが、そこは頭を切り替えていったん離れることも大事かなと思います。
人類がコロナを乗り越えた暁には、それらの企業もまた復活してきます。
それからまたお気に入りの企業に投資すれば良いのです。それでも遅くないでしょう。
投資は焦らずじっくりと。
オザワークスでした。
追記。
配当再開はそんなに優しくない、などと書いたら2020年に無配になった【GM】ゼネラル・モーターズから、2021年中ごろの配当再開を検討中、との一報が入ってきました。
ぼくの予想は外れましたが、企業の復活は喜ばしいことです。記事も書いていますのでこちらもよろしくです。
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