オザワークスです。
ドルコスト平均法という誰でもできる投資法、株の買い方があります。ただ定期的に株を買うだけです。
このドルコスト平均法、実は全然儲かりません。
株の売買で利益を出すのは、やっぱり特殊な才能や知識のあるごく一部の投資家だけです。
でも配当金に着目してみると、ただ定期的に株を買うドルコスト平均法の特徴が上手く生きてきます。
コツコツ株を買って、コツコツ配当金を増やす。凡人にできる投資がこれです。
もくじ
ドルコスト平均法は構造的に儲からない
ドルコスト平均法という株の買い方があります。定期的に一定の金額で株を買っていく、というのがその中身です。
定期的に買い付けるので、株の買い付けタイミングを考える必要がなく、投資の初心者さんでも続けやすいのがメリットです。
ドルコスト平均法の詳しい説明はこちらで。
構造的に儲からないようになっているのです。
買い付け単価が高くなってしまうのが原因
株を安いときに買って値上がりしたら売る。それが株で儲けるための基本です。
ですが、ドルコスト平均法だと定期的に株を買うわけですから、株価が安かろうと高かろうと関係なく買うわけです。
株価が安いときだけ買えれば良いのですが、高いときにもわざわざ買ってしまうので、儲けを出しにくくなってしまうのです。
コイツを見てください。
これは米国を代表する株価指数であるダウ平均の過去10年分のチャートです。
株価指数というのは、簡単に言えば株式市場全体の流れを表したもののこと。日経平均株価なども同じです。
画像で示した通り、ダウ平均がこの10年間概ね上昇を続けてきたということは、米国株全体がここ10年上がりっぱなしということです。
で、その上がりっぱなしの米国株を定期的に買い続けてしまうドルコスト平均法は、毎度毎度高くなっていく株を買っていくわけですから、儲けなど永久に出せない、とこうなるわけです。
買った株の平均値が高くなってしまう恐怖
もちろん、最初に買い始めたときと最近の株価を比べれば明らかに株価が上昇していますから、「最初に買った株」について見れば大きな利益は出ています。
ですが、「最近買った株」はもともと高くて利益など出ていません。「最初」と「最近」を平均化して考えると、結局大した利益は含んでいないことになります。
しかも、これから先も高い株を定期的に買い続けなければいけないので、株を買った平均値はここからさらに上昇していくことが予想されます。
ますます、儲けから遠ざかる。
株価が下がるのを待ってから買うのはアリか?
では、定期的な買い付けを一旦停止してみたらどうでしょうか。待っていれば株価が上がるのであれば、これなら儲かるはずです。
確かに以前に買った株は利益を含んでそのまま成長していきそうです。
でも、株の買い付けをやめたので手元にはお金が余ります。そのお金をどうしよう?
株を買うにしても、今は株価が高い。株価が下がるときを待ってみたらどうか?
でもでも、暴落を待ってみると株価ってなかなか都合よく下がらないものです。
なんと言っても米国株はこれですから。
基本、上がってる。
そのまま株が下がるのを待って10年も経ってしまったら、きっとあのとき株の買い付けをやめたことを激しく後悔するでしょう。
続けてりゃあよかったー、って。
結局株価が読めないから、消去法でドルコスト平均法
いつ上がるのか、いつ下がるのか。株価ってものは、先が読めません。
安いときに買って高いときに売ると言っても、今の株価が安いか高いかさえも、後になってみなければわからないものなのです。
ぼくだって未来の株価がわかれば、毎日株取引で大儲けできる自信があります。もしくは、明日どの株が上がるかを誰かに教えてもらえれば……。
でもそれは誰にもわからないことです。誰にも株価は読めないから、ドルコスト平均法のような誰にでもできる単純な買い付け法が生まれたのです。
確かにドルコスト平均法は機械的に株を買っていくだけなので、儲けの効率は悪いです。もっといい取引の方法があるんですよ、未来の株価さえわかれば。
でもその未来の株価が結局わからないから、我々凡人投資家にはドルコスト平均法みたいなものがちょうどよいわけですね。
つまりは、消去法。
バット1本で億をたたき出すプロ野球選手になりたかったけれどなれないから、毎日会社に通うサラリーマンを選ぶようなものです。
これまで買った株の平均値と現在の株価が常に同じ
じゃあ、我々ドルコスト投資家には、「儲け」なんていう概念は一生縁のないものなのか。
ドルコスト平均法でもちょっとは利益にあずかれます。ゼロではない。
だが、大儲けは間違いなく無理です。
ぼくはワンタップバイというふざけた名前の証券会社で、毎月1000円ずつS&P500に投資しています。
S&P500というのは、まあ、ダウ平均の親戚みたいなものです。
毎月1000円株を買っているので、まさにド直球のドルコスト平均法投資です。
それを1年以上続けているのですが、いつ見ても「これまで買い付けた株の平均値」と「現在の株価」が、ほぼ一緒なんですよね。
つまり、儲けほぼゼロです。それが1年続いています。
もちろんこれから先の展開はわかりませんけどね。
株価で利益を出しにくいからこそ、配当金が輝き出す
株の取引で儲けを出すのは凡人がプロ野球選手になるようなもので、かと言って淡々と株を買っていくドルコスト平均法ではあんまり儲けを出せない。
そこで脚光を浴びるのが、配当金だとぼくは思うのですよ。
配当金とは、企業が株主に支払う投資をしてくれたお礼です。
配当金は、その企業が存続して利益を出し続ける限り、無期限で株主が受け取れるものです。株価は関係なし。
ドルコスト平均法で株を買い続けて持っている株の数を増やせば、受け取れる配当金も増えてゆきます。
配当金についての詳しい記事はこちら。
配当金「だけ」を追いかける投資はするな!
ただし、配当金狙いの投資は、配当金「だけ」を狙いすぎてしまうといろいろと問題も出てきます。
例えば、一定の投資額でいくらの配当金がもらえるのかを数値化した「配当利回り」という概念があります。
100円投資したとして、1年間で3円の配当金をもらえれば、配当利回りは3%となります。
この配当利回りが高いほど効率よく配当金がもらえるわけですが、そういう「高配当」な企業の株価は得てして停滞気味だったり、下落傾向だったりします。
また、利益以上の配当金を株主に支払っている企業は、無理をして配当を出しているので、あるとき突然大幅な配当金の減額(減配)が待っているかもしれません。
上記のようなことがあるため、配当金そのものが必要ない、と判断する投資家さんもいらっしゃいます。
ぼくは配当金が好きなのでさすがに「なし」は寂しいですけど、配当金「だけ」を追いかける投資は問題ありと考えています。
高すぎず、低すぎず、バランスの良い配当金が良いですね。
まとめ。凡人はコツコツとドルコスト平均法で配当をもらおう
まとめです。
本当なら株の売買でギンギンに利益をたたき出したいところだけれども、凡人にはそれは無理。
凡人にできることは、ただコツコツ株を買っていくことだけ。例えばドルコスト平均法とかで。
でもそれだと儲けがあんまりない。でもでも配当金に着目してみれば、コツコツ株を買うのも捨てたもんじゃない。
だからコツコツ買おう。買えばわかるさ。
でも配当金ばかりに見とれるのはダメダメね。
こんなところです。ドルコスト平均法は大儲けはできないけれど、有用ではあります。うまく活用して投資の華、咲かせましょう。
オザワークスでした。
薔薇の艦隊のエディです。
興味深く読ませていただきました。
現物株であれば、株価上昇と増配の両方を狙うのが理想です。
しかし、CFDの場合はどうなのでしょうか。
長期間、配当が安定的に受け取れるのがもちろん良い状態なわけですが。
これまで拝見しました記事によると、
「一定水準以上の株価上昇になると、かえって損をする。
だから、フォード【F】あたりの低位株が現実的にベスト。」
といった趣旨と理解しております。
そのあたりの塩梅が難しく感じられますので、なかなかCFDに踏み出せずにいます。
株価下落による強制決済も怖いです。
しかし、少額の資金で大きな成果を求めるなら、
CFDは、非常に魅力的な運用方法と考えています。
悩ましいです。
オザワークスです。
CFDは本来、短期の売買を想定して仕組みが作られています。ですので、長期で配当をもらおうとしたり、長期で値上がり益を得ようとする長期投資そのものと相性が非常に悪いです。本来からして無理筋と言えます。
確かにいくつかのテクニックを使って配当をもらい続けるということをやってはいますが、おっしゃる通り「一定水準以上の株価上昇になると、かえって損をする。
だから、フォード【F】あたりの低位株が現実的にベスト。」などという上にも下にも行けないおかしな投資です。
レバレッジを使ってフォードの配当利回りが10%強というのは事実としても、フォードやGMの配当なんていつどうなるかわかったもんじゃありません。自動車業界の未来は厳しい。
では他の銘柄は? GMOクリック証券のCFDの取り扱い銘柄はごくごく限られます。増えるような気配もない。CFD自体が日本では不人気ですからサービス自体が終わる可能性もある。楽天証券のCFDのように。
正直、現物の米国株に勝る点がほとんどないと、ぼくは考えています。取引手数料が無料で少額から米国株に手を出せるのが最大の魅力でしたが、それもついこの間まで。
現物の米国株の最低手数料がなくなった今、複雑なシステムのCFDで投資をする意味は……うーむ。
投資はシンプルイズベスト。難しい仕組みを持つ投資は、やはりその道のプロ向けでしょう。
ということを踏まえてエディ王子、いえ、殿下。
私めが思うに、もしもフリーの投資資金が1000万、あるいはすでに現物の米国株で1000万円くらい運用しているのであれば、CFDなぞおやりになる必要はありません。そのまま現物をがんばるべきです。
仮に1億円の資産があるならば、そのうちの100万円くらい「遊び」でCFDという名のスロットマシンに入れてみるのは、アリです。
逆に投資資金が10万円とかしかないなら、多少レバレッジをかけてCFDの米国株に打って出る、というのもギリギリアリです。リスク大ですが。
つまり、CFDというのはそういうものなのです。
以上が、CFDで約2年米国株を運用してみてのぼくの雑感です。
ぼくとて修業中の身、悩ましいことだらけです。ここに書いたのは、あくまで現時点でのぼくの意見であるのでそこのところはよろしくね。
オザワークス