外国株CFDの配当金はどこに入金するのか。出金方法も合わせて紹介

オザワークスです。

GMOクリック証券の外国株CFDで米国株を買いました。初めての配当金も入ったらしい。ウキウキ気分で証券口座を見に行くも、あれれ? 配当金らしきものは見当たらない。入金したはずの配当金は一体どこへ?

このような経験ございませんか?

CFDは現物の株式と比べて色々ルールが異なりますが、配当金の入金に関してもまた独特の方式です。配当金がどこに入金するのか、どうやって取り出すのか、それを今回記事にしました。

まずは、配当金入金の確認方法

はじめに断っておきますが、これはGMOクリック証券のCFDでの事例です。他社のCFDで配当金がどう扱われているのかは、ぼくは知りません。

CFDで米国株を買って保有していると、現物株と同じように配当金をもらえます。配当金が入金したかどうかの確認は、マイページのトップメニュー>CFD>余力確認の画面でわかります。

余力確認画面の一番下、評価損益の中の「未決済権利調整額(I)」が受け取り配当額の累計です。ここの数字が増えていれば、配当金(正式名称が権利調整額)が入ったことになります。

「余力確認」は口座全体の話になるので、銘柄ごとの配当金が知りたければ、建玉一覧画面で確認できます。マイページ>CFD>建玉一覧です。

画像は建玉一覧画面からの抜粋です。画像の右端に「金利・価格調整額累計」「権利調整額累計」とあり、下の段の「+◯◯円」というのが権利調整額、つまりは配当金の数字です。この数字が増えていれば、配当金の入金です。

CFDの配当金は、証券口座にもCFD取引口座にも入金しない!

配当金が入金したことはわかりました。しかし、入金したはずの配当金は、この広いGMOクリック証券のどこへ収まったのでしょう?

配当金が入金する場所は、証券取引口座(または証券コネクト口座)ではありません。証券取引口座は一番基本となる口座ですね。そこには入金しません。

じゃあCFD取引口座かというと、それも違います。配当金が入金しても、CFDの取引余力が増えるということはありません。

画像はGMOクリック証券の取引口座間振替の画面ですが、ここで確認できる3つの口座(証券コネクト口座、証券取引口座、CFD取引口座)はいずれも配当金の入金場所ではありません。

CFDにおける配当金は、ロスカットレートの低下に現れる

ではどこかというと、それは「建玉一覧」にある各銘柄のロスカットレートです。配当金が入金すると、配当金を発生させた銘柄のロスカットレートが、配当金の入金分だけ下がります。ちょこっと下がる感じです。

そのロスカットレートのわずかな低下が、CFDにおける「配当金の入金」そのものです。

?それ、どうゆうこと?

当然疑問に思う方も多いでしょう。ぼくも最初は面食らいました。普通、証券口座とか取引余力とかに入金されると思いますもんね。でもそれは現物的な感覚で、CFDはやはり一筋縄ではいきません。

ま、とにかくCFDの配当金はロスカットレートの変動です。とりあえず見に行きましょう。

マイページのトップメニュー>CFD>建玉一覧と進んでください。

またこの画面です。

先程は右端の「権利調整額累計」を確認しましたが、その権利調整額累計の左隣に「ロスカットレート」という項目があります。配当金が発生した銘柄は、自分がいじっていないのにここの数字が変化します。

例えば、配当金が入金する前の【T】エーティー・アンド・ティーのロスカットレートが下の画像だとします。

この23.70ドルという数字は、AT&Tを買ったあと自分で設定した数字です。

その後保有していると、ある日配当金が入金します。入金後のロスカットレートが、下の画像です。

配当金が入金して、ロスカットレートがわずかに下がりました。

ロスカットレートが下がる、とはどういうことか

ほうほう、配当金が入金するとロスカットレートが勝手に下がるのは、わかった。でもそれは一体どういうことなんだ? 何のメリットがあるんだ?

はい、説明します。

ロスカットレートとは、ロスカットされる株価のことです。ロスカットとは日本語で「損切り」、損失の拡大を防ぐために証券会社が株を売り払うことです。意味を合わせると、ロスカットレートとは、保有する株が売られてしまう株価、になります。

株を保有し続けて配当金をもらう配当投資の場合、ロスカットされるということは、配当をもらうための株を証券会社に売られてしまうことです。つまり、ロスカットされるとそれ以上配当金をもらうことができなくなります。これは困りますよね?

しかしながら、CFDで株を買うということは、ロスカットとは無縁でいられません。必ずロスカットレートは設定され、株価が下がってロスカットレートへ触れれば、売却です。

配当金が入金すると、その生死の分岐点であるロスカットレートが少しだけ下がります。ということは、現在の株価とロスカットレートの間が拡がって、ロスカットされにくくなったと言えます。

ロスカットされにくいということは、強制的に株を売られてしまうこともなく、配当金をもらい続けられるということです。

ロスカットレートが下がるメリット、お分かりいただけたでしょうか。

補足。ここでは説明のために「ロスカット」を完全に悪い事として書きましたが、もし株価が下がり続けるような状況だったとして、あえて早めにロスカットさせた場合はどうでしょうか。

そのまま株を持っていたら、損失がどこまで膨らむかわかりません。下がり始めた初期段階でロスカットしてしまうことで大損を小損に抑えた、とも言えます。ロスカットの日本語「損切り」そのものですね。

ロスカットを上手く使う投資法も存在します。ロスカットは「良い者」「悪者」ではなく、見方によることは覚えておきましょう。

配当金とロスカットレートの関係を図でも説明

配当金の入金とロスカットレートの関係を具体的な数字で見てみます。株価が10ドルの銘柄をレバレッジ2倍(元手資金の2倍の額)で買った場合、ロスカットレートがこんな感じになる、というイメージが下の図です。(あくまで「こんな感じ」であって、理屈の数値です。実際はまたちょっと違う)

レバレッジ2倍で株を買った場合、買値の半分以下にロスカットレートを設定することはできません。投資家は10ドル~5ドルの間、オレンジの部分でのみ自由にロスカットレートを変更できます。

言い方を変えると、オレンジの部分がなくなったらロスカット。オレンジの部分が、安全地帯です。

10ドルで買った株が悲しいことに6ドルまで下がりました。

現在の株価がロスカットレートに接近し、ロスカットが近づいています。オレンジの安全地帯も縮小。危険な状態です。

ここで配当金が入金すると。

配当金が入金することによってロスカットレートが、5ドルから4ドルへと幾分下がりました。それによって、現在の株価とロスカットレートの距離も離れ、オレンジの部分も広がりました。今後株価が5ドルを割り込んでも、ロスカットレートが下がりましたからロスカットされません。

配当金がロスカットレートに与える影響の説明は以上です。

金利調整額は、ロスカットレートを押し上げる

ロスカットレート周辺の話として、金利調整額のことも言わせてください。

株の保有コストとみなしていい金利調整額ですが、これは毎日徴収される、あるいは支払うものです。しかし具体的には、CFD取引口座の取引余力が減るわけではなく、金利調整額も配当金と同じようにロスカットレートの上下で「支払って」います。

金利調整額が発生してしまうと、ロスカットレートがわずかに上がります。ロスカットレートがわずかにでも上がるということは、ロスカットがそれだけ近付くということです。まさにロスカットレートを下げる効果のある配当金の逆ですね。

1日分の金利調整額がもたらすロスカットレートの上昇は、配当金と比べても本当にごくわずかなものです。しかしそれが積もり積もると無視できない存在となります。気をつけましょう。

配当金を出金するのもまた、ロスカットレート

配当金がロスカットレートとやらを押し下げて、安全域を拡げてくれるのはわかった。だけどよ? 配当金をわんさかもらって、配当生活をしたいんだぜ? ロスカットレートをいっくら下げたって、それを口座の外へ出金できなきゃ、何の意味もないだろーがよ?

おっしゃる通りです。もし株価が大して下がることもなく、配当金だけがチャリンチャリンと入金し続けていけば、ロスカットレートも下がり続けて、その銘柄の喪失は限りなく遠退きます。安全になります。

しかし、そのままではいつまでたっても投資家の手には、現金が舞い込んできません。これは問題です。

やっぱり、今でなくてもいつかは出金したいですよね。

簡単です。

出金もまた、ロスカットレートです。

ロスカットレートを配当入金分だけ上げれば、出金できる

配当金が入金すると、入金した銘柄のロスカットレートが、配当金の分だけ下がります。配当金を出金するには、入金して下がった分だけロスカットレートを上げてやれば、簡単にできます。

実は、オレンジの範囲内でロスカットレートを上げ下げするたび、CFD取引口座の取引余力の金額も連動して上下します。

取引余力は、ここの数字ね。

ロスカットレートを上げるとロスカットされやすくなりますが取引余力は増え、レートを下げるとロスカットは遠退きますがその分取引余力を使います。シーソーの関係です。

CFD取引口座の取引余力がプラスの場合、そこにある金額は、GMOクリック証券の証券取引口座または証券コネクト口座へと振替できます。そこまで行ければ、あとは登録してあるネット銀行なりなんなりに自由にお金を移せます。

注意なのが、取引余力がマイナスの場合です。

このようになってしまっているとき。

取引余力がマイナスになるのは、株を買ってロスカットレートを限界まで下げ、その後株価が下がるとよくなります。この場合は、ロスカットレートを上げても取引余力のマイナス分をまず消化しないと、プラスに転じません。余計に上げる必要があるのです。

ロスカットレートの具体的な変更方法はこの記事を参考にしてください。

すぐに配当金を出金する必要はない。配当金も込みで投資を続けよう

外国株CFDで少額投資をして、配当金をもらっている。そのような投資を始めたばかりでは、1回にもらう配当金の額などたかだか数百円だと思います。その数百円の配当金をいちいち出金する意味は、無いですね。今は少しずつでもいいので、入ってくる配当金にはロスカットレートを下げてもらいましょう。

そうして投資を続け、入ってくる配当金も多くなり、もうこれ以上ロスカットレートを下げる必要すらなくなった段階で初めて配当金をどうするのか、そこで考えればいいとぼくは思います。

CFDの配当金は、貯金箱にお金が貯まるような感じの現物の配当金とは違います。そういったわかりやすい感じではなく、なんて言えばいいんでしょう、保有銘柄の筋肉のようなものですね。少しずつ少しずつ入金するたびに保有銘柄を足元から支え、強くする。そんな感じです。

なんか地味ですが、さにあらず。我らが【F】フォード・モーターのレバレッジ2倍での配当利回りは、13%です。投資し始めて8年で、受け取る配当金が元本を超えます。

フォードのようなまともな会社の株価が頻繁に大きく崩れる、または大きく崩れたまま、というのもちょっと考えづらく、上記の「配当金の入金がロスカットレートを下げる必要すらなくなる段階」への到達も、案外早いかもしれません。まあ、皮算用ですけど。

とはいえ、何が起こるかわからないのが投資です。油断せずに、かと言って悲観もし過ぎずに続けていきましょう。

最後に宣伝。オザワークスは、GMOクリック証券のCFDで配当利回り13%のフォード・モーターに投資しています。

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CFDはホント、独特のルールが多すぎる。説明がいちいち大変。

オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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ABOUT US
オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。