配当7/26 PayPay証券の証券システム、手数料、為替、すんごい細かい話

オザワークスです。

One Tap BUY(ワンタップバイ)に口座を作ってみたよ、後編になります。

今回は細っかい話、しますよ~。

まずは配当ね。

配当7/26入金分
【BBD】バンコ・ブラデスコ(マネックス・特定) $7.55
配当金合計
7月合計 $328.20   2017年7月合計 $331.17

2018年合計 $2454.46   今まで全部合計 $13948.13

2018年CFD配当 ¥4976   今まで全部CFD配当 ¥6303

ブラデスコ
どうも、また来ました。
7/11,13,24,26と君は今月よく来るなあ。

もくじ

ワンタップバイはスマホに特化した新しい証券会社。S&P500を1000円から取引できるのがデカイ!

まずは前回のおさらいですね。前回の記事ではワンタップバイの主に良い部分を紹介しました。

中でも取扱銘柄。米国のETFである【SPY】SPDR S&P500 ETFを取引できるようになっているのが、デカイです。

しかも、SPYを1株ずつ買うのではなく、金額指定で1000円から買っていけるのです。少額投資家にはこれ、喉から手が出るほど欲しかった銘柄ではないかと思うわけです。

たった1000円で米国を代表する500社に分散投資が可能。この点だけでワンタップバイは、無茶苦茶価値のある証券会社です。

ウソだと思ったらほれ、ワンタップバイの公式サイトを見てみそ?

ワンタップバイのバックには孫正義とみずほ銀行がいる

ワンタップバイは、新規参入としては10年ぶりのネット証券だそうです。その出資企業を見ると、ソフトバンク、ヤフージャパン!、みずほ証券、みずほキャピタルと続きます。

ああ、なるほど。バックには孫正義とみずほ銀行がいるわけね。両名の後押しで誕生した証券会社、それがワンタップバイです。

イロハのイ、証券口座への入金がどんくさい。即時入金サービスがないのだ!

え~、ここからワンタップバイの証券システムへ斬り込んでいくのですが、その前に自分でもまず株を買ってみようと口座へ入金を試みたら、これが上手くない。

いまどきどこのネット証券でも当たり前にある、「即時入金サービス」みたいなやつがないですね。楽天証券だと「リアルタイム入金」ですか。無料で、即時に、何回でもネット銀行から証券口座へ入金できる、きっと皆さんもお世話になっているであろう、アレです。アレがありません。

なので、ぼくは律儀に銀行振込です。今どき、ですよ?

パッとやらせてくれよ、パッと!

結局入金ごときに1日掛かりますね。これは明らかに劣る点でしょう。新人としてこれではいけない。要改善です。

みずほ銀行と証券口座を連結させる「置いたまま買付」はある。でもいまいち

一応、「置いたまま買付」なるサービスがありまして、みずほ銀行とワンタップバイの両口座を連結すると、送金しないでもそのまんま買付余力に反映されるようです。

SBI証券&銀行の「ハイブリッド預金」、楽天証券&銀行の「マネーブリッジ」、GMOクリック証券&GMOあおぞらネット銀行の「証券コネクト口座」と類似するサービスですね。

当然みずほ銀行の口座が必要です。地方在住者のぼくは持っていません。別に必要とも思いません。作りません。

みずほ銀行ユーザーは「置いたまま買付」を利用してもいいとは思いますが、その場合の買付けは、1万円以上からになります。ここもなんかいまいちな点です。

いいから即時入金サービスの導入を!

追記。2018年秋からみずほ銀行に加えて三井住友銀行も「おいたまま買付」に対応しました。しかし、未だに即時入金サービスは始まらないままです。残念。

ワンタップバイの証券革命。ワンタップバイは円貨決済のみ

はい、入金についての不満はそのくらいですね。では入金が済んだとして、いよいよ株を買ってみましょう。

買うのはもちろん米国株ETFの大御所、【SPY】SPDR S&P500 ETFです。

ではいよいよ、入っていきましょうかね、取引の話に。

まず、ワンタップバイではすべての取引が円貨決済です。米国株でもそうです。日本円で米国株を買い、受け取る配当まで日本円です。徹底してます。

米国株の買い付けで円貨決済というのはSBI証券などでも聞いた話ですが、受け取る配当金まで日本円というのは、初耳です。これも初心者向けの「親切」なんですかね?

その「親切」、実は問題です。後述します。

ワンタップバイの証券革命。米国株が24時間取引可能!

ワンタップバイでは、米国株に限り24時間いつでも取引が可能です。公式サイト上では明記されていませんが、ワンタップバイのシステム上、多分曜日関係なく365日24時間可能だと思います。

これはすごいことになりました。他の証券会社では、確か米国株の取引時間って米国市場の開いている月~金の23:30~6:00(夏時間22:30~5:00ともに日本時間)の間しか売買してくれませんよね。それが24時間取引可能ですもん。これは革命です。

すごいけど、でもこんなこと、いったいどうやって実現しているんだ? それは後ほど。

ちなみに日本株は、市場が開いている時間帯しか取引できません。

ワンタップバイの証券革命。ワンタップバイには「注文方法」がない!

ワンタップバイで米国株を買う。「指値」で買おうか「成行」で注文しようか。

そんな「注文方法」ワンタップバイではありません。存在しないのです。

とにかく米国株は24時間365日いつでも取引できます。投資家がすることは、買いたい銘柄を選んで、その銘柄を◯◯円分「今すぐ」買う、と注文するだけです。

明日買う、とか、株価が◯◯ドルまで下がったら買う、とかそんな面倒なものはありません。今すぐ、そこに表示されている値段で買うしかないのです。それがワンタップバイ。

ちなみに日本株では、東京市場が閉じている時間帯だけ予約注文を受け付けています。もちろん指値なんて使えません。買いたい金額だけ指定して、市場が開いた瞬間に約定です。

24時間取引できる米国株では、そんな予約注文すら必要ない……。

ワンタップバイの証券革命。ワンタップバイには「株数」という概念がない!

ぼくが思うにこれが一番画期的、というかイカれているところだと思うのですが、ワンタップバイでは「株数」という概念がありません。他の証券会社では取引時に普通「◯◯を100株買った」とか言いますでしょう? あの「100株」とかって数字がまるごと存在しないんです。

ではどういうふうに取引やポートフォリオなんかを把握するのかというと、「◯◯を1000円買う」とか「3000円で買った◯◯が5000円まで上がった」なんていうふうに、すべて日本円でのみ表示されるのです。

投資から「株数」という概念だけがポロッと取れて無くなっています。

スマホ世代「◯◯を1万円分買って、配当は500円もらっています」

おじさん「むむむ?」

正直、違和感があります。株数のない世界は、なんか変です。でも、不思議と成立しています。おじさんは、むむむと首をひねってしまいます。

1株あたりの配当額、ってどう説明するんだろう? ていうかそもそも、それだと株数だけじゃなく、株価というものまで有名無実というか、あまり意味のないものになって来ないだろうか?

スマホ世代「◯◯を1000円分買いました!」

ほらもう株価すら出てこない。実際、ワンタップバイという証券会社では、銘柄の情報はほんのちょこっと、チャートに至ってはまったく出てきません。

これが、投資初心者用ということなのだろうか?

ああ、なんか頭痛くなってきた。

ともかく一度、買ってみる

頭痛をこらえて、ともかく一度買ってみましょう。

現在時刻は午後3時半頃です。これが取引画面。S&P500ETFです。

一応「買付株価」と「現在為替レート」とあってなんかそれらしい数字が並んでいますが、これは空想上の数字です。正しい「現在の株価」は$283.34ですし、「リアルタイム為替レート」は$1=¥111.09です。

では買います。

何株をいくらで買うか、ではなく、買いたい金額を直接ぶち込んでいくスタイルです。従来の注文スタイルに慣れたおじさんには勇気が要ります。

そして、

おじさん買っちゃった。ワンタップバイ、できました。タップはしていないけれども。

こうしてぼくはSPYの株主になりました。1000円でSPYが何株買えたかって? 画像にちっちゃく書いてある。

ぼくは、SPYを0.03143株持っている!

1株未満の株を買うって新鮮。他の証券会社じゃこんなことできないね。

で、いきなりの「含み損-19円」。ははーん、これが噂のアレね。この19円というのが、いわゆるアレなわけね。だから1000円買います、っていう注文を出しても実際には1000円以下しか買えません、と。

では、初めてワンタップバイで株も買ったことだし、そろそろこの変態証券会社の正体を暴きに行きますか。

常識破りの証券会社ワンタップバイの正体、相対取引とは?

米国株を365日24時間取引可能で、1株約3万円のSPYを1000円分買うことができる型破りな証券会社、ワンタップバイ。普通じゃない。コイツは一体何だ? FXみたいにCFDの一種か何かか?

ワンタップバイを一言でいえば、「相対取引」です。アイタイトリヒキ、と読みます。

相対取引とは、株式市場などを介さず、売り手と買い手が1対1で売買する取引のことです。

普通、株式は証券取引所という市場(イチバ)で、参加者があーでもないこーでもないと値段を言い合って価格が決まります。これが相対取引だと、売り手が値段を提示して、買い手が買うか買わないかでそれに応じるだけです。

街の本屋さんとか普通のお店でする買い物は、みんなこの相対取引です。高いな、と思ったら買わないだけ。

FXやCFDもほとんどは相対取引です。だって通貨の取引用に「東京為替取引所」なんてないですもんね。FX業者それぞれが、勝手にお客さん相手に取引しているだけです。

相対取引で米国株現物を取り扱う。ワンタップバイの特異さ

ワンタップバイがすごいのは、相対取引で米国株の現物を取り扱っていることです。GMOクリック証券の外国株CFDなどは、極端な話、差金決済なので所詮はバーチャルな株主です。しかし、ワンタップバイで買える株は紛れもない現物です。

つまり、ワンタップバイは米国株を予め自分自身で買ってストックしておき、それを細かくちぎって(1000円とか)我々投資家に売っているのです。

これ、街の本屋さんとやっていることは一緒です。街の株屋さんです。

株屋さんは、商品である株を仕入れます。どこから? もちろん米国市場から。どうやって? もちろん大きな額のお金を支払って。当然米ドルでね。

その仕入れた株を今度は店先に並べて、投資家相手に売っていきます。値札にはどんな値段を書きましょうか? どんな値段を書いても自由です。だって自分のお金で仕入れた株を売るわけですから。

ただ、10ドルで買ってきた株に「40ドル」と値札を付けても売れそうにないので、「10ドル+α」でしょうね、現実は。この「10ドル+α」というところに、ワンタップバイの手数料の秘密があります。

いくつか解き明かされたワンタップバイの秘密

ワンタップバイが相対取引で米国株の現物を取り扱っている、と知れば、同社のいくつかの不可解な点も理解できます。

まず、米国株が24時間いつでも取引可能である点。どうして米国市場が閉じている時間帯でも取引できるのか?

それは、ワンタップバイが事前に仕入れていた株を売っている、というだけです。投資家は米国の株式市場相手ではなく、ワンタップバイを相手に株を買っているだけです。

ですから我々投資家があまりにもたくさん株を注文しすぎると、売り切れが発生します。ワンタップバイの公式サイトにもそのように書かれています。小さな文字で、ですが。

1株3万円のSPYを1000円分だけ買えるのも、それが株式市場での売買ではなく、ワンタップバイの私的な資産の一部を投資家に譲渡している形だからです。ワンタップバイの持ち物であれば、それをどのような単位や大きさで売ろうとも同社の自由です。

ワンタップバイのビジネスモデルとそのリスク

ワンタップバイが事前に米国株を買い集めなければならない点を知ると、取扱銘柄数の少なさにも納得がいきます。

NY市場とナスダック、上場している銘柄は合わせて4000銘柄くらいありましたっけ? そんなの全部買い揃えていたら資金がいくらあっても足りません。故に、30銘柄に絞って絞って絞りまくる必要があったわけです。

いや、その30銘柄揃えるのだって相当大変なはずです。しょっちゅう「品切れ」が起こっていてはお客が逃げちゃいますから、10億とか100億とか、わかりませんけれども、余裕を持って「仕入れ」ているはず。

もしかしたら、米国市場が開いている時間はストックする分量は減らして、リアルタイムに近いタイミングで市場からも株を補充しているのかも知れませんね。

いずれにせよ、かなりの資金力が要ります。リスクもあります。だって、自己資金使って仕入れた株が全然売れなくてただの「在庫」になってしまったら……。ワンタップバイ以外の証券会社が、同じことをしないのがよくわかります。

そういえば、ワンタップバイの約款・規定集に面白いことが書いてありました。もし、株の在庫がだぶついてどうにもならなくなったときは、セールするかも、ってね。つまり、株の安売りをする可能性の言及です。

とてもユニーク。自社で買った株だからこそ、そんな売り方もできるのですね。逆に、人気で品切れ気味の銘柄に関しては値上げするかも、とも書いてありましたがね。

このような大きな資金の要るビジネスも、ソフトバンクとみずほ銀行の後押しによるところでしょう。

ワンタップバイと他証券会社の違い。投資家にとっての証券会社の役割とは

小難しい話をもう一度だけおさらい。ワンタップバイと他の証券会社の役割の違いについて。

まず他の証券会社で株を買う場合、証券会社は単なる小間使いです。投資家からお金と注文を預かり、小走りに株式市場へ行き、投資家の注文を代行します。実は、ただのパシリです。まあ、ちょっとお駄賃(手数料)くらいはもらうけど。

ワンタップバイではこれがまったく異なります。ワンタップバイは、「ワンタップバイ株商店」の店主です。そのお店へ投資家が自分で行き、

投資家「おっちゃん、株おくれ」

ワンタップバイ「あいよ、いくら欲しいんだい?」

こんな感じで株を買います。ね、ぜんぜん違うでしょう? ワンタップバイと他の証券会社ではその役割がガラリと異なります。これは良い例えだ。

ワンタップバイの手数料プランは2通りある

では、いよいよここからはワンタップバイの使い勝手に関係する話に入っていきたいと思います。特に手数料の話をする場合、ワンタップバイがどのような証券会社であるのか、がとても密接に絡みついてくるので、ここまで話が長くなりました。

んで、その手数料ですが、取引手数料に関してはまず2つのプランに分けられます。定額プランと、都度プランです。

定額プランは月額980円(税込み1058円)で何度でも取引し放題です。ただし、為替取引分の手数料は別に乗っかります。そして内緒ですけど、多分、こっちのプランはもう一つの都度プランよりも株価そのものがすこーしだけお安くなっているはずです。

都度プランは、名前のとおりに取引のたびに手数料を払うタイプのプランです。ぼくも月に何度も取引するわけでもないので当然こっちです。

以降は、すべて都度プランでの話になります。

ワンタップバイの取引手数料の仕組み

ワンタップバイの取引手数料は、一見すると画面等には出てきません。

他の証券会社に慣れた方は、1000円分の株を買う、と聞くと現金1000円と取引手数料をいくらか用意しなくっちゃ、と考えがちです。ぼくもそうです。だって普通の株取引って全部そうですもんね。500ドルの米国株を買って、5.4ドルの手数料を支払う。これが普通です。

ところがワンタップバイの取引手数料は、普通の現物の株取引とは異なり、スプレッド制です。

スプレッドとは、FXやCFDではおなじみの買値と売値の差です。つまり、おんなじ銘柄でも買う場合と売る場合で株価が若干異なるのです。この辺がやっぱり相対取引感ありますね。

例を出しましょう。この記事を書いている7/28(土)現在、ぼくの買ったSPYの株価は、マネックスやSBI等の証券会社で確認するとどこでも1株$281.42です。これがもしバランバランだったらえらいことです。訴訟問題です。

ところが、同じ銘柄SPYでもワンタップバイ株商店では、買値が$283.29、売値が$279.35とバランバランです。ワンタップバイ株商店の店先に並んでいるSPYは、ワンタップバイの所有分ですから好きな値を付けていいのはわかるとして、どうしてこのような値段を付けているのでしょう?

SPYの価格

ワンタップ価格(買い) 市場価格 ワンタップ価格(売り)
$283.29 $281.42 $279.35

3つの株価をよく見てください。もしワンタップバイが市場価格$281.42でSPYを仕入れ、ワンタップ価格(買い)$283.29で投資家に買わせたら、あれ、1株あたり$1.87儲かっていませんか?

売るときも同様です。ワンタップ価格(売り)で市場価格よりも安く株を手に入れられるのなら、ワンタップにとってちょっとお得です。

投資家に対して、ちょっとだけ高く株を売って、買い取るときは安く買い取る。この差額スプレッドが、ワンタップバイの儲けであり取引手数料です。

ワンタップバイユーザーの皆さん、ワンタップバイの取引画面に手数料が出てこないからといって、取引手数料がないわけないじゃありませんから。

見えないところで投資家に株を高く売りつけて、ワンタップバイはしっかり稼いでいるのです。

で、その額ですが、米国市場が開いている時間帯では、市場価格に+0.5%上乗せした額がワンタップ価格(買い)として投資家に提示され、売るときは-0.5%のワンタップ価格(売り)になります。

市場が閉じているタイミングではそれぞれ0.7%に手数料が引き上げられます。

注意。文中では「市場価格」と書きましたが、これは正確ではありません。正しくは、市場価格を見てワンタップバイがそれと近しい「基準価格」を設定し、その基準価格に0.5%のスプレッドを課したものが実際の「取引価格」となります。

更に、手数料プランが定額プランの場合「基準価格」がそのまま「取引価格」である可能性が高いです。そうでないと、手数料の2重取りになってしまいますから。まあ、2重取りしても別に犯罪でもなんでもないわけですが……。

ぼくはSPYを日本時間の午後3時半頃に1000円分買いました。1000円分買え、と注文を出したのにもかかわらず、買い付けた瞬間に評価額は981円と19円も低いものでした。

日本の午後3時半は米国の取引時間外です。株価が動いていないのに評価額がいきなりマイナスなのは、そうか、スプレッドのせいだったんですね。

1000円の0.7%は7円。CFDと同じく保有銘柄は「売値」が基本的な表示になりますからさらに0.7%引かれて手数料は計14円。

あれ、-19円に届かないぞ? そうか、そう言えばまだ「別の」手数料がありましたね。

ワンタップバイにおける為替取引手数料

結局どこの証券会社を使っても、米国株を取引する限り為替手数料から逃げ切ることはできません。SBI証券やマネックス証券で米国株の円貨決済をしても、もちろん投資家自らが円を米ドルに替えても。

ワンタップバイでもそれは同じです。ワンタップバイでは米国株のすべての取引、また入金する配当に至るまですべて日本円ですが、結局元をたどれば全部米ドルなんです。

画面の表示はそりゃあ、日本円ですよ。でも、株を買ったら1ドルあたり35銭の為替手数料が密かに乗っかります。売るときももちろん35銭。投資家はより高く株を買わされ、より安く買い取られます。中古車販売みたいなもんです。

配当金も日本円になる、と書きました。当然もとの配当金は米ドルで払われています。それをワンタップバイでは、ご丁寧に35銭のコストを掛けて日本円にしてくれています。どうもありがとう。

まあ、米ドルで入金されてもワンタップバイでは使い道もないし、外貨の出金もできないけれど。

ワンタップバイは、手数料安いの? 高いの?

手数料についてまとめます。

ワンタップバイの取引手数料は、株を買って絶対に売らないのなら、買付け金額の0.5%か0.7%。売ろうとすると、これが往復で1%、1.2%、1.4%のどれかになります。これが安いのかどうか。

米国株取扱3証券(SBI証券、マネックス証券、楽天証券のことです)では、取引手数料は約定代金の0.486%です。とはいえ、最低手数料が設定されていて、それが税込み5.4ドル。10万円分くらいの取引をしてワンタップバイの水準と同じです。これをどう見るか。

ちなみに手数料の上限もあって、それは税込み21.6ドル。ワンタップバイは下限も上限もない。

ぼくの結論を出しちゃうと、10万円以下、特に5万円以下の取引ではワンタップバイに分がありますね。マネックスやSBIで1000円やら1万円やらの取引は、手数料がバカバカしくてまったくおすすめできません。

逆に40万円以上の取引となると、今度はワンタップバイのほうが取引手数料が高くなります。手数料の上限がないからですね。

以上のことを考えると、ワンタップバイは数千円数万円単位の「少額投資」に向いた証券会社であることがわかります。

次、為替取引の手数料についてですが、ワンタップバイはこちらではお話になりません。

ワンタップバイの為替手数料1ドルあたり35銭に対して、3証券は25銭と勝負は明らかです。しかもSBI証券に限っては、住信SBIネット銀行との間で「外貨即時入金サービス」を使えば、なんと4銭にまでコストを圧縮できます。これはマジでおすすめです。

さらに、ワンタップバイでは配当金も米ドルではなく日本円に替えて入金してくれます。これも為替的には明らかなマイナスです。3証券はドルのまま入金するのでコストゼロ。

取引手数料に限れば、ワンタップバイもなかなかいい味出している、と言えますが、為替が弱いですね。よって総合的に見た場合、手数料は結構微妙です。決して「安い!」と胸を張って言い切れる内容ではないですね。

ただ、5万円以下の取引であるならば、全然イケルと思います。やっぱり、少額投資家向けです。5万円以下でコツコツ株を買っていくには、便利に使える証券会社です。

ワンタップバイの特徴、まとめ

この記事もいよいよ終わりです。ムダに長くてすみません。

まとめとして、ワンタップバイの特徴を書き出してみましょう。

  • 「スマホ証券」と言いつつ、意外とスマホは必須ではない。PCでも使える。
  • 日本株と米国株、計66銘柄に絞った取扱銘柄。
  • S&P500ETFが1000円から買える!
  • ソフトバンクとみずほ銀行のバックアップで誕生した証券会社。
  • 即時入金サービスがない。入金がネック。
  • ワンタップバイ版「ハイブリッド預金」はある。けど結局イマイチ。
  • 米国株も含めてすべての取引が日本円のみ。配当金まで日本円。
  • 米国株は、24時間365日取引可能。
  • 「指値」「逆指値」等の注文ができない。実質「成行」のみ。
  • 取引は株数ではなく、取引金額を直に入力して行う。新鮮。
  • というか、株数という概念がこの証券会社には存在しない。
  • チャートも一切存在しない。銘柄情報もゴミ。
  • 米国株の現物で相対取引をやってのける、ある意味イカれた証券会社。
  • 手数料はスプレッド制。注文金額に含まれてしまう。消費税みたい。
  • 取引手数料は売買代金の0.5%が基本。5万円以下の少額取引なら他証券に勝つる!
  • 為替手数料は、1ドルあたり35銭とまったくのゴミ。

こんなところでしょうか。ずいぶん多い。それだけ個性的な証券会社ということでしょう。

人にすすめるかと聞かれれば、一応「うん」とは答えます。特に少額の投資と相性が良く、使えば使える証券会社です。取扱銘柄のS&P500ETFが強烈で、これを1000円とか1万円とかから積み立てていけるのが、ワンタップバイの魅力の9割ほどを占めます。

でも、投資の経験がない人にワンタップバイをどうか、と言われると、正直微妙です。以下、最後の章でその理由を話します。

ワンタップバイで投資家デビューすることの危険性

ワンタップバイは投資の初心者向けだと言われています。確かに証券会社にしてはシンプルで見やすい画面、絞り込まれた取扱銘柄の少なさ、少額投資向けの手数料体系。

ぼくはこのワンタップバイを少額投資家におすすめします。しかし、少額投資家は投資初心者であることも多い。そこでぼくは悩んでしまいます。

少額投資家にはおすすめしたいけど、投資初心者にはおすすめできないからです。

ぼくの投資歴は5年くらいです。若造です。それでも色々なネット証券を見てきました。

ワンタップバイは、そんなぼくから見て、なんか変な証券会社です。

米国株が24時間取引できたり、株の注文するのに「株数」を入れる必要がないとか、色々と変わり種です。

そんなことはいいんですが、1つ気になるのが、諸々の手数料が売買代金に内包されていて、見えづらいという点。

上で散々書きましたけど、ワンタップバイの手数料はスプレッドという形で取引金額にコミコミですから、取引画面等で手数料の文字や数字が一切ありません。実際取引しても手数料が掛かっているような感覚は、とても乏しいです。

一見、手数料なんてないみたい。でも、影でしっかり取られている。

これって、投資初心者向けとしてどうでしょう?

ぼくのような従来の証券会社で育ってきた人間は、投資において取引手数料や為替の手数料がいかに重要なものか、身にしみてわかっています。多分、他の投資家もそうでしょう。投資ブロガーの皆さん、熱心に手数料について書かれていますもん。

ぼくが危惧するのは、ワンタップバイで投資家デビューした人が、果たして手数料にどこまで敏感になれるのか、そこが疑問だからです。

一見手数料なんてないように見えるから、ワンタップバイ以外の証券会社を使い始めて初めて、株式投資に手数料が掛かることを知った、なんてことにならなければいいなと思います。それまでの間がもったいなさすぎる。

また、商売とはいえ、そのように手数料を隠すワンタップバイ側の姿勢にも疑問を感じます。もちろん隠されてはいなくて、探せば小さい文字で書いてありますよ。しかし、だったら利用者の7割が初心者とか言うなよ。あえてきつい言葉を使うけど、悪徳じゃないですか?

まあ、そんなことを思いまして、本当の初心者にはワンタップバイはどうもなあ、となっております。

もちろんこれはぼくの個人的な意見ですよ。われこそは! という方はどうぞワンタップバイでもなんでも投資をじゃんじゃん始めちゃってください。投資しないよりは、100倍も1000倍もいいですから。

ぶっちゃけ、ワンタップバイのあまりのぶっ飛びぶりに従来の証券会社で慣れた自分が、感覚的に付いていけない、というのも事実でしょう。要はオジンなんです。

でもスマホ世代用じゃなくてオジン用の証券会社もいいもんだぜ。そっちも使ってみてね。

というわけで、長い長いこの記事も終わりです。とうとう1万文字を超えてしまいました。自分的には書きたいことは全部盛り付けられたのでとりあえずは満足です。

とはいえワンタップバイ研究はまだ始まったばかりですから、今回書いたことも含めて、また上手くまとめた記事は作りたいです、はい。

全部読んでくれた方、ありがとう。部分的にでも読んでくれた方も、ありがとう。

お疲れ様。オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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ABOUT US
オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。