投資用語解説:特定口座とは?

オザワークスです。

投資用語解説、今回は証券口座を作るなら合わせて絶対作っておきたい、「特定口座」についてです。

特定口座ってなんですか?

証券会社に口座を作るときに必ず聞かれるのが、特定口座を開きますか? という質問です。しかし、投資未経験者がそんなことを突然聞かれても、「は?」と固まってしまうのが普通です。その突然出て来た「トクテイコウザ」なるものがまずわからない。固まって当然です。

しかも証券会社の聞き方も悪く、なにやら今作っている証券口座とは別に「特定口座」というやつも作るの? と誤解されてしまう恐れのある聞き方です。この辺りは、ぼくももうちょっと親切設計にするべきだと思います。

特定口座とは、税金関係を簡単にする「制度」である

特定口座とは、投資にまつわる税金の関係を簡単に済ませることのできる「制度」です。「口座」という名前ではありますが、実際には証券口座を「特定口座という名前の制度」に適応させて運用していきます。証券口座とはまた別の口座を開設するわけではありません。呼び方がややこしいだけです。

では、この特定口座(制度)の性質をもっと詳しく見てみましょう。

多くの証券会社では口座開設時、特定口座に関して次の3つの選択肢の中から選んでくれ、と聞いてきます。

  • 特定口座を開設する(源泉徴収あり)
  • 特定口座を開設する(源泉徴収なし)
  • 特定口座を開設しない(一般口座として口座開設する)

順番に解説します。

意外と知らない!? 投資の利益には約20%の税金がかかる

と、その前に、投資で得た利益に課せられる税金の話を少ししないと。

意外と知らない人もいらっしゃると思うので書いておきます。投資で利益を出した、〇〇万円儲かった、その〇〇万円の利益には、悲しいことに課税されます。そうです、丸儲けではないんですよ。なんか投資家って楽して儲けてそうですけど、普通の投資家はちゃんと税金払っているんです。

投資の利益とは、主に売買による利益と受け取った配当金です。配当金も利益と判断されます。でその利益に対する税率ですが、約20%です。正確には、20.315%。この税率はどれほど儲けても、またあまり儲けなくても変わりません。固定です。

さてその20%の税金、どう払います? いや、去年1年間で売ったり買ったり何回も取引して、いったい自分がいくら儲けていくら納税すればいいのか、正確に把握しています? 税務署に対して証明できます?

……はい、ぼく把握していません。大体のところはわかるんですが、税務署に証明しろと言われても……。

しかし、事は税金ですから、証明して納税しないわけにはいかないんですよ。だから自分で計算します。◯月×日いくら儲かって、△月◇日はいくらで……って年間何十回と取引してる、これ全部計算すんの? ヒーッ! しかも米国株投資家だと為替の変動も絡んできます。

こんなの自分じゃやってらんねー!

で、特定口座です(ようやくここへ繋げられた)。特定口座は、投資家にとって面倒極まりない税金の計算から納税まで全自動で済ませてくれる、とてもとてもありがたい制度なのです。

特定口座を開設する(源泉徴収あり)の特徴

特定口座を開設するとしても、そこからさらに2つに分かれます。「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」かです。

まず特定口座ですが、特定口座を開設すると証券会社が1年間のすべての取引をまとめて計算してくれます。いくら儲かっていくら損した、とかの計算ですね。これを証券会社がやってくれます。

それだけではなく、「年間取引報告書」という書類にデータと計算を記録してくれます。投資家は証券会社から送られてきた年間取引報告書を見るだけで、1年間の取引が簡単に把握できるというわけです。

そして「源泉徴収あり」の設定をしてある場合、納税の必要があれば納税も証券会社が投資家に代わって行ってくれます。投資家がすることは何もありません。

初心者は、特定口座開設(源泉徴収あり)がおすすめ

特定口座を開設(源泉徴収あり)は、開いておけば税金に関して何もする必要がなくなるので、まず初心者は間違いなくこれですね。いや、初心者だけでなく、すべての投資家が基本的に特定口座(源泉徴収あり)で何も問題ないはずです。ぼくも持っている口座はすべてこれです。

証券会社が税金の計算をして納税までしてくれるので、確定申告の必要もありません。とにかく税金関係大っ嫌いな方は、その点でもこれで決まり。ただ、確定申告は不要なだけで、やればできるということは書いておきます。

特定口座を開設する(源泉徴収なし)の特徴

特定口座共通の特徴は同じです。証券会社が年間の取引をまとめて、税金の計算まではしてくれます。年間取引報告書も作成してくれます。

しかし、納税までしてくれるか否かが「源泉徴収あり」との決定的な違いです。「源泉徴収なし」では納税までは行ってくれません。なので、こちらでは投資家自らが税務署へ申告(確定申告)し、自分で納税します。そのとき、年間取引報告書が役立つはずです。

「源泉徴収なし」をわざわざ選ぶ利点は……ぼくには見えません。何もないように思えます。

特定口座を開設しない(一般口座にする)の特徴

では、そもそも特定口座を開設しないとどうなるのでしょう。この場合、「一般口座」と呼ばれます。

一般口座の場合は、証券会社は何もしてくれません。放ったらかしで何の面倒も見てくれません。取引と税の計算は自分でやらざるを得ず、もちろん自分で申告して納税もします。考えただけですごい手間です。絶対にやりたくない。

おっと、本音が出ました。ですが、そうです、やりたくないです。今の時代米国株も特定口座対応が当たり前です。やらずに済ませられるなら、そのほうがいいに決まってます。

まとめ

特定口座と源泉徴収のあるなしを簡単な表にしてみました。

特定口座

源泉徴収あり

特定口座

源泉徴収なし

一般口座
税金の計算 証券会社 証券会社 自分で
年間取引報告書 あり あり なし
確定申告 不要 必要 必要
納税 証券会社 自分で 自分で
手間 何もなし あり 激あり

どう考えても特定口座を開設する(源泉徴収あり)を選ぶしかありません。

ちなみに確定申告や納税は、利益が出ている場合は必要、ですが、利益を損失が上回る場合はその限りではありません。課税対象がありませんので。もしくは取引が1回もない、とかも。

しかし、損が出ているなら出ているで損益通算をしたほうが良いのは言うまでもなく、そうなると結局確定申告は必要になります。

特定口座ではその損益通算まで自動でしてくれるので、やはりわざわざ一般口座を選ぶ必要はないかと思います。

あ、あと、配当金に関しては、特定口座一般口座関係なくどちらでも源泉徴収された額が手元に来るだけです。

特定口座に関してはこんなところでしょうか。オザワークスでした。

"share"とは株式を意味する英単語でもある

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オザワークス
なまえ:オザワークス 生まれ:1980年 投資は2013年から開始。長野県在住。 投資初心者、またははじめてアメリカ株に興味を持たれた方向けに「米国株の長期配当投資」を紹介しています。 自分自身も米国株投資家でして、配当金を再投資して株を買い続け、不労所得のさらなる増大を目指します。 また、分散投資を重視し、毎日配当金が入金するようなポートフォリオを作っていきます。 外国株CFDでも米国株に投資し、CFDを舞台に長期配当投資へ挑戦しています。 証券会社選びから税金関係まで、初心者向けの米国株情報ブログを目指します。