オザワークスです。
投資用語解説。今回は、経済学者のトマ・ピケティ先生と彼の著書である『21世紀の資本』についてです。
トマ・ピケティはフランスの経済学者
トマ・ピケティ先生は、1971年生まれのフランスの経済学者です。意外と若いっすね。
彼の経済学者としての学説やその主張については、説明を省きます。というか、ぼくには難しすぎて全然わかりません。無理です。
代わりにピケティ先生を一躍世界的な有名人にした著作である『21世紀の資本』について簡単に解説します。
こちらもさすがに経済学の真面目な学術本だけあってきっと難しいはずです。難しいはず、というのはぼくは21世紀の資本も読んだことがないからです。
多分、まともに読むことはできないと思われます。なので、その内容を雰囲気だけ簡単に。
『21世紀の資本』で語られていること
トマ・ピケティ著『21世紀の資本』は、2013年にフランスで刊行され、翌2014年頃世界中でベストセラーになった経済学の本です。
ページ数はフランス語の原版で900ページ、厚さは4.4センチにもなるこの大著は、お堅い学術書には珍しくベストセラーになりました。日本でも一時期話題になっています。
して、その内容は、世界各地の国と地域の過去200年間の経済状況を細かく調査して、資本収益率(r)が経済成長率(g)を常に上回る、ということを証明したことです。
なんのこっちゃ?
投資の儲け>経済成長率
こういうこっちゃ。
資本収益率、これは投資による儲けのことです。経済成長率、これは文字通り経済が成長する速度です。
ピケティ先生は世界中の過去200年間の経済史を徹底的に調べ上げ、経済の成長よりも投資による儲けのほうが常に大きいぞ、ということを証明したわけです。
数式もある。
r>g
↑これ。
(r)は資本収益率(Return on capital)で、(g)は経済成長率(economic Growth rate)です。(r)が(g)よりも大きい、という意味の式ですね。
うーん、まだ難しい?
もっと簡単に。働くより株買ったほうが儲かるぜ!
ならば、もっと簡単に。
経済成長率は、つまるところ我々労働者の賃金の上昇率のことです。対して、資本収益率は、ぶっちゃけ株価の上がり方です。
つまり、労働者の昇給のスピードよりも株価の上がり方のほうが早いぜ、ということをピケティ先生は証明したのです。
それも、ヨーロッパとか米国とかだけではありません。世界中のどの国どの地域でも、そして、この200年間を通して見ればいつの時代でも、働くよりも株のほうが儲かる、という研究結果が出てしまったのです。
日本ももちろんそうです。この30年くらいを見ると日本の株価なんて全然上がっていないような感じですけど、過去200年まで遡れば、こんな日本でも当然伸びているんですね。
これが『21世紀の資本』の内容です。
ピケティ自身は経済格差を否定している
面白いのが、働くよりも株のほうが儲かる、という資本主義の残酷な実態を当のピケティ先生自身は否定的にとらえていることです。
彼自身は、これでは経済格差が際限なく広がってしまう、何とかしなければ、という考えの人です。
でーも、我々投資家から見たらどうでしょう?
真面目に働くよりも株に投資したほうが儲かる、という学術的な結論が出てしまったと聞けば、そりゃあ、ねえ……。
投資しちゃうでしょう。
儲けちゃうでしょう。
お金持ちになっちゃうでしょう!
と、いうわけで、ピケティ先生の気持ちとは裏腹にピケティ先生の理論は世界中の投資家たちから好意を持って受け入れられています。
皮肉だけど、当然だね。
といったところで投資用語解説を終わります。
オザワークスでした。
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