オザワークスです。
PayPay証券で【HYG】iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETFや【PFF】iシェアーズ米国優先株式&インカム証券ETFなどの債券系のETFを保有していると、証券口座へ謎の入金があったりします。
つい先日もありませんでしたか?
答えから言うと、その入金は債券系のETFから配当金を受け取るときに米国で支払った外国税の一部還付金です。
支払った税金の一部が返って来ているのですね。
以下で詳しく解説します。
還付金は突然に
まずは、この画像を見てください。
これは、ぼくのPayPay証券の入出金履歴です。
2022年4月18日に細かい金額が何回も入金しています。
これは何か?
これは、ぼくの保有する【HYG】iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF絡みの入金です。
HYGは年12回配当を出す米国の債券ETFです。
米国の株式やETFが投資家に配当金を支払う場合、まず米国で10%分の税金が引かれ、その後で約20%分の税金が日本で引かれ、その残りがやっと投資家の手元にやって来ます。
米国で支払う税金を「外国税」、日本のを「国内税」と呼んだりします。
上の画像の細かい入金は、前年(2021年)にもらったHYGの配当金、から支払った外国税の一部がぼくの証券口座へ還付された入金です。
債券ETFから配当が出るたびに外国税も引かれるので、毎月配当のETFの場合、還付金の入金も12回行われます。
細かい入金が何回もあるのはそのためです。
税金還付は債券系ETFだけ
外国税の還付ですが、これは米国内で発行された債券に投資している債券ETFにしか発生しない事象です。
債券ETFでも【EMB】iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETFのように米ドル建てであっても米国以外で発行された債券に投資するETFでは、この現象は見られません。
PayPay証券で取り扱いのある債券系ETFの中でこの還付現象があるであろうETFは、
- 【HYG】iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF
- 【PFF】iシェアーズ米国優先株式&インカム証券ETF
- 【SHV】i シェアーズ 米国短期国債 ETF
- 【USIG】i シェアーズ ブロード米ドル建て投資適格社債 ETF
- 【TLT】iシェアーズ米国国債20年超ETF
- 【TIP】i シェアーズ 米国物価連動国債 ETF
この6銘柄だと思います。
思う、というのはぼくもすべての銘柄を保有して知っているわけではないからです。
【PFF】iシェアーズ米国優先株式&インカム証券ETFは名前に「優先株式」とありますが、性質は債券ETFそのもので今回の還付金もあります。
原因は米国の金融政策
では何故、米国発の債券ETFにだけこのような外国税の一部還付があるのかというと、それは米国の金融政策によります。
米国では海外からの投資をより多く呼び込むため、米国内での金利(利息)に対する課税を行っていません。
正確には、一度税を徴収して後からそれを返しています。
そういう仕組みであるため、我々日本の投資家にも税金の還付が起こるんですね。
ただし、外国税のすべてが返って来ているわけではありません。
あくまで「金利」に対する課税をしないだけです。
債券系ETFの配当金の元となる利益、これの内の金利による部分の利益の課税分だけを還付しています。
債券を売買して得た利益などは該当しないのですね。
なので、外国税すべてではなく、一部を還付となるのです。
現に同じような債券系ETFでも還付率は異なります。
HYGとPFFを比べた場合、配当利回りは両者同じようなものなんですが、還付される金額はHYGのほうが多いです。
これはETFの中身が、HYGのほうがPFFよりもより金利を重視したものであるためです。
投資家がすることは特になし
上の還付現象の発生理由については、少々難しいので無理に理解する必要はありません。
重要なのは、それが投資家にとって害があるのかどうかです。
ある日、入金履歴を見ると突然ずらずらずらっと細かい入金が続いていて、何だこれ!? と驚いた投資家さんもいることでしょう。
ただ、一度支払った税金が自動的に還付されているだけなので、これは特に問題はありません。
投資家が何かする必要もありません。
お金をくれるって言うんだから、黙ってもらっておきましょう。
今回はそれが言いたかっただけです。
還付金あれこれ
ちなみにSBI証券で債券系ETFを保有した場合もPayPay証券と同じように、翌年のある日に突然ずらずらと細かい入金をするスタイルで還付をしてきます。
マネックス証券は違って、毎回毎回ETFが配当金を出すたびに同時に還付もされています。
その理由は不明ですが、恐らく翌年の一斉還付だと還付のタイミングまでに証券口座を解約したりすると還付金の行き先がなくなってしまうから、とかかなあ?
楽天証券がどうなっているのかは不明です(ぼくが楽天で債券ETFを保有していないから)。
ただ、楽天も恐らくSBIと同じなんじゃないかとぼくはにらんでいます。
理由は、楽天証券とSBI証券は、米国現地での取次先が一緒だから。
もう一つ、PayPay証券でこの税金の還付が行われると、
画像の通りにどの銘柄からの還付金なのかが表示されません。
ぼくがどうしてHYGからの還付金だと確定できたかというと、それはぼくがPayPay証券で保有している債券ETFがHYGだけだからです。
複数の債券ETFを保有していてどの銘柄からの還付なのかを知りたければ、3カ月に一度、3月、6月、9月、12月の月末にPayPay証券から電子交付される取引残高報告書を参照しましょう。
そこに細かく銘柄まで出ています。
はい、最後長くなりましたが、今回はこれで終わりです。
オザワークスでした。
コメントを残す