オザワークスです。
2021年9月21日、マネックス証券で米国株の店頭取引が始まりました。
簡単に言うと、米国株が日本時間で昼間でも取引できるようになったのです。
このサービスがもたらす可能性について考えてみました。
もくじ
店頭取引開始で昼間から米国株取引が可能に
マネックス証券が9月21日から米国株の店頭取引のサービスを開始しました。
⇒マネックス証券公式「米国株国内店頭取引のサービス提供開始! ~日中でも米国株取引が可能に~」
今までの米国株取引でのマネックス証券の役割は、米国の株式市場と投資家の間をつなぐ存在。投資家の株取引の注文を株式市場まで持って行くのが証券会社の役割でした。
なので、株取引はあくまで投資家と投資家の間で行われますし、取引ができる時間帯も米国市場が開いているときだけでした。
これが市場取引です。
マネックスが今回始めた店頭取引とは、株式市場ではなくマネックス証券の店先、つまり店頭が取引の場になり、投資家の取引相手もマネックス証券が相手となります。
これが店頭取引です。
店頭取引とはほとんど相対取引のことですので、店頭取引・相対取引の詳しい解説はこちらの記事を参考にしてください。
はい、これまでは米国市場が開いている時間、つまり日本では深夜帯でしか米国株の取引はできませんでしたが、店頭取引によって昼間でも米国株の取引が可能となりました。
と言っても月~金の12:00~17:00の時間帯だけで、午前中とか1日中というわけではありません。
マネックスの店頭取引米国株サービスの特徴一覧
ここでマネックスの店頭米国株サービスの特徴を羅列しておきましょう。
まず、取引できる時間帯は月曜日から金曜日の12:00~17:00。マネックスと米国市場、両方が営業している日でないと取引可能にならないということなので、日本&米国どちらかでも祝日であるとその日は取引できません。
店頭取引の取り扱い銘柄は、マネックスが選定した米国株30銘柄です。少ないですが、これは今後も増やしていくそうです。ETFの取り扱いも視野に入れているみたい。銘柄一覧は、勘弁して。
取引通貨は、米ドルのみです。
取引手数料はありません。ありませんが、市場価格を基準としてマネックスが基準価格を定め、その基準価格よりも買い取引の場合は1.5%高い株価が取引価格となり、売り取引の場合は1.5%低い株価が取引価格となります。
FXやCFDなどをやったことのある方ならわかると思いますが、この1.5%という価格差はスプレッドです。ただし、スプレッドは市場の動向などにより拡大する場合があります。
つまり簡単に言うと、取引手数料は取りませんが、店頭取引で株を買う場合は市場価格よりも少しだけ高い株価でしか買えず、売る場合はちょっとだけ安く売ることになります。
その分、投資家は利益を出しづらいですよね。それが実質的に取引手数料となっているのです。
はい次、店頭取引なので、取引数量の限度があります。株を買いたくても「売り切れ」があるのです。
注文方法、注文期間などは一切何もありません。マネックスが提示するそのときの価格で買うか売るかするだけです。
売買単位は、これまでと同じように1株単位です。
店頭取引で投資した米国株とこれまでの市場取引で投資した米国株は、特に分けられることはなく同じ口座で管理されます。これは確認できていないのですが、多分特定口座対応だと思います。
ただし、NISA口座では店頭取引はできません。
こんなところでしょうか。まさにザ・店頭取引という感じですね。
マネックスが向かう店頭取引のその先とは
さて、ここからが本題です。
今回マネックスは米国株を店頭取引に対応させてきました。
その結果、日本の昼間でも米国株取引が可能となった。
しかし、その程度のことがマネックスが店頭取引で実現したいことなのでしょうか。
実はぼくは違うと思っています。
ぼくの予想を言えば、マネックスは米国株の金額単位での取引を将来的にはやりたいんじゃないでしょうか。
1株単位での取引ではなく、1000円単位とか、1万円単位とかから米国株にアクセスできる。
そういう方向に向かっていると思う。
店頭取引を可能にしたのはその一歩ですね。
少額投資家に人気のPayPay証券を狙う
え、それってPayPay証券じゃね?
そうなんですよ。米国株取引で店頭取引でってそれはPayPay証券なんですよ。
実際、PayPayはそこそこ人気で利用者も増えています。ぼくも使っていますけど、やっぱり1株いくらっての関係なく◯◯を5000円分とか、かなり便利です。
米国株投資における究極の少額投資だと思います。
だって、1株30万円もする【AMZN】アマゾンを1万円分だけ買えるとか革命的じゃないですか。
マネックスは、PayPay証券を利用して米国株投資をしているような少額投資家を今後は取り込んでいこうとしているのではないでしょうか。
マネックス証券 vs PayPay証券
これはもちろんPayPay証券からしたらたまったもんじゃないはずです。
証券会社としてはマネックスのほうがPayPay証券よりもずっと大きいですからね。
そこが自分の持ち味を完全に奪いに来る。これは怖いでしょう。
しかも、証券口座へのネット銀行からの入金性能を見れば、即時入金サービスがあるマネックスのほうがずっと優れている。
まあ、マネックスで金額単位の取引ができるようになるには、まだまだ越えなくてはならないハードルがいくつもあるので脅威がすぐそこまで迫っているわけではないんですが、それでもマネックス vs PayPay証券の未来は見えます。
ユーザーとしてはどちらに転んでも利益しかないので証券会社各社どちら様もがんばってもらいたいですね。
オザワークスでした。
コメントを残す