オザワークスです。
投資用語解説。今回は「株主優待」についてです。
株式を保有しているともらえる株主優待。
配当金とは何が違うのでしょう。
もくじ
株主優待とは、お金ではなく品物で出す株主還元のこと
株主優待とは、企業が一定数以上の自社株を保有する株主に対して行う、株主還元の一種です。
もんのすごく簡単に言うと、お金ではない配当金です。
配当金は、株主の持ち株数に応じて企業から現金が支払われますが、株主優待はお金ではなく様々な物品で行われます。
それは本当に企業ごとに様々です。
食品会社であれば自社製品の詰め合わせであったり、サービス業であれば自社サービスのタダ券であったり、もっと単純に一般的な商品券やQUOカードなどの場合も多いです。
とにかくお金以外で株主にお支払いしようというのが株主優待です。
株主優待は日本株だけ。米国株にはない
株主優待は、ほぼ日本独自の文化です。
日本以外の国では、株主への優待制度のようなものはほとんど見られません。
米国株にも株主優待はありません。
日本株の投資家さんとお話しすると、米国株にも日本株と同じように株主優待が存在すると勘違いしている方が多いです。
ありません。
もちろん、配当金は世界共通の株主還元なんですけどね。
何故、日本企業は株主優待を実施するのか?
日本の上場企業の約3分の1が株主優待を実施していると言われています。
では何故、企業は株主優待を行うのでしょうか。
実は調べてみましたが、はっきりした納得のいく理由が見当たりませんでした。
上にも書いたとおりに、配当金は世界共通の株主還元です。
高い配当金を出す企業は、投資家に一定の人気があります。これも世界共通。
だから、企業としては、株価を維持したいがために高い配当を支払ったりする。
株主優待もそれと同じノリなんじゃないでしょうか。
しかし、現金ではなくわざわざ物品をコストをかけて株主一人ひとりに発送する合理性が、株主優待にあるとはとても思えません。
配当金を支払えば済む話で、現に海外ではそうなっています。
謎です。
「優待利回り」という言葉があるほど日本人には大人気
そんな株主優待ですが、日本の特に個人投資家には大層人気があるようです。
日本の大手ネット証券では、大抵どこでもどの企業が何の株主優待を出しているのか検索できますし、証券会社のオススメの株主優待特集なんてものまであります。
「優待利回り」などという言葉もあります。これは、株主優待でもらえる商品券などの金額を配当利回りみたいに株価で割った数字です。
だったらんなもん配当金に一本化すればいいんじゃないか? などと無粋なことは言ってはいけません。
それほどまでに、株主優待は日本人投資家の投資心(ごころ)に刻み込まれているということです。
投資雑誌の特集も株主優待がド定番です。
株主優待の問題点。海外の株主への対応
このように日本人投資家に大人気の株主優待ですが、問題点もあります。
そもそも株主還元のやり方として非合理的である、というのは上で述べました。
それ以外に大きな問題が、海外の株主への対応です。
株主優待を実施している日本企業のほぼすべてが、日本国外の株主への株主優待の発送を行っていません。
国外の株主を無視しています。
その理由はもちろん、発送コストが国内の比ではなくなるからです。
しかし、この状況はとても不公平です。
国内であれ国外であれ、同じく100株を保有しているならば、同じ株主です。
それが、日本国内の株主だけに対して株主優待という株主還元が毎年行われているとするならば、海外の株主からすればたまったものじゃないでしょう。
実際、海外の投資家からその点を突っ込まれて、株主優待を廃止する企業も出てきています。
以上のように、株主優待は日本が生んだ日本ローカルの株主還元であると言えそうです。
オザワークスでした。
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