オザワークスです。
少し前の話になるのですが、マネックス証券の松本大社長と将棋の羽生善治九段の対談が、マネックス証券の公式サイトで見られるようになっています。
投資と将棋、両方に興味のあるぼくが両者の対談で気になった点などを紹介します。
もくじ
マネックスに口座がなくても対談を見られるよ
マネックス証券では現在、「マネックス・アクティビスト・フォーラム」と銘打った、個人投資家が企業に物申す取り組みをしているそうです。
そのアクなんとかはぼくには難しすぎてよくわからないのですが、そのアクなんとかの一環でマネックス社長と将棋の羽生さんの対談が企画されたようです。
アクなんとかもご興味があればのぞいてやってください。
マネックス証券の松本大社長はともかく、将棋の羽生善治九段は皆さんご存じですね。最近はすっかり新人の藤井聡太君に話題を取られてしまいましたが、寝癖がトレードマークのあの人です。
対談の模様はPart1、Part2と分かれて掲載されています。
マネックス証券に口座を持っていなくても読むことができるので、ぜひ見てみてください。
羽生善治氏×松本大対談 アクティビストフォーラム特集 PART1
羽生善治氏×松本大対談 アクティビストフォーラム特集 PART2
AI時代の株取引が印象に残る
対談では様々なことを話しているのですが、正直ぼくにとっては小難しい話も多かったです。
その中で一つ印象に残ったのが、松本社長が語った「AIによる株取引が主流になった未来の株式相場では、株価が常に正しくなる」ということです。
これはどういうことかというと、まず株価というものはその企業の価値を端的に表しています。しかし、常に正しい価値を示しているわけではありません。
AI時代には、その株価と企業価値のズレがなくなります。
国の政策や企業の行動、その他様々な要件によって株価は常に揺れ動く存在です。反対に実際の企業価値は、株価のように毎日上に下にブレているわけではありません。
サラリーマンのお給料が毎月毎月そう大きな変化がないのは、企業の価値は株価ほど急激な変化がない証拠です。逆に変化があったら生活が大変です。
ということはつまり現在では、株価は企業の価値を表していると言いながら、株価と企業価値の間には容易くズレが生じるということです。
株価はランダムに動きながら、本来の価値に近づいていく
羽生さんも対談の中で指摘していますが、現在の株価は現在の企業価値を指し示しているわけではなく、3か月先を表しているんだという考え方があります。
それだと3か月後の株価は、もう3か月先の企業価値を指すことになるので結局ズレたままです。
あるいは、理論株価というものがあります。企業の業績その他を分析して、数式を使って「理論的に正しい株価」を割り出すというものです。
株価というものは様々な要素でランダムに不条理に動くけど、長期的に見れば理論株価に近づいてゆく。
これは株価のズレが3か月先行するのではなく、遅れて付いていくというパターンですね。
しかし、いずれにしても株価と企業価値はズレていて、現在ではそのズレが投資家の利益の源となっています。
AI時代、株を安く買って高く売れなくなる
株を安く買って高く売る。株取引の基本とされています。
これはつまり、企業価値のわりに不当に何故か株価が低い銘柄を買い、それが正当な株価に戻ったところで売る、ということを意味しています。
その差額が投資家の儲けになります。
ところが、マネックスの松本社長は、「AIでの株取引が主流になるであろう未来では、現在の株価と企業価値のズレがなくなるので、安い株で儲けることができなくなる」と言います。
AIは人間よりもかなーり頭の良い存在です。AIは生身の投資家が犯すような間違いは犯しません。
そのAIが企業を分析して株取引まで行うのです。今までのように、企業の業績は良いのに「何故か」株価が上がらない不思議な銘柄など存在しなくなります。
株式相場から「不思議」や「何故か」な現象は消え、現在の株価が常に正しく企業価値を反映した理論株価になる。
松本社長はそう予想しています。
AIは今後すべての投資家に影響を及ぼす
AIが発達してしまうと、割安の銘柄を拾って儲けていた投資家は、それができなくなりそうです。
そういう投資家でなくとも、例えば2018年末のような相場の急落「いくらなんでもこれ下がりすぎだろ」という、ある種パニックのような株式相場の揺れ。
ああいったものもAIが進歩すればなくなる可能性が高そうです。つまり、今後は株式投資に関係するすべての投資家が大なり小なりAIの影響を受けるということですね。
実際にネット証券の社長を務める人物からの「AI時代の株取引」についての言及は、ぼくにとても大きな印象を残しました。
今後もこういった異業種の著名人との対談は、続けていってほしいですね。
オザワークスでした。
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